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    Elep_zousan

    REHABILIちょっと長めの連載になります。1.七海龍水の独白


    俺は、自前の勘の良さについては自負しているところがあって、人生の役に立つ素晴らしいシックスセンスだと思っている。それから、手先の器用さや顔の造形だってそうだ。持って生まれてきたものが、恵まれていることを自覚して生きてきた。

    育ての親でもある叔父は口煩かったが、子ども扱いすることはなかった。子どもだからという理由で、適当にあしらわれたり、必要以上に手を貸すことはなく、あくまで一人の人間として扱ったということだ。
    物事にはルールがあること、自分でできることは自分でやること、できないことに挑戦し続けることを説き、常に自立と自律を求め厳しく育てた。幸いなことに、幼い頃から好奇心旺盛で非凡だった俺にはぴったりの教育方針で、すぐに手がかからなくなったと思えば、一人で何でもやってしまうあまりに逆に手がかかるようになるという、大人たちにとっては本末転倒になってしまったわけだ。
    文句や不満の声は無視し続けているが、俺の持つ資産、ステータス、俺自身ですら利用して欲しいものに手を伸ばすことの何が悪いのか、誰もまともに答えることなどできないだろうに、何を騒ぐのかさっぱりわからない。( 4946

    Norskskogkatta

    REHABILI主くり
    帰還予定の時間を過ぎても帰ってこなくて不安がいっぱいの主とその部隊の隊員だった大倶利伽羅
    花冷え 
     
     遠征部隊が最後の帰還連絡から数時間経っても帰ってこない。
     夕方に帰ってくるはずだった第二部隊が夕飯時を過ぎても音沙汰がなく、こちらから隊長に持たせた端末に連絡しても通じない。こんなことは初めてだった。取り乱してはいけないと普段通りに振る舞っていたつもりだが本丸に残っていた面々には筒抜けだった。
     春も間近となって暖かくなってきていたのに花冷えしたのか厚めの上着を羽織らないと肌寒く、ことさら焦燥を掻き立てられる。
     帰ってきた時に主が空腹で倒れていたら怒られてしまうからと宥められて喉を通らないものを少しだけ食べた。その間にも帰還を知らせる鐘や返信はなかった。
     それから玄関を出て待っていようとするのを近侍の蜂須賀に風邪をひくからと引き留められ、とうとう日付を越えようとしていたときだった。帰還を知らせる鐘が鳴る。やっと帰ってきた。
    「みんな無事か!」
     俺が玄関から飛び出したせいできょとんとする面々の中に目を見開いている金色を見つけて心の底から安堵した。安堵してしまったことに、はっとした。
     そんな自分の身勝手な考えに固まっている間に蜂須賀が状況を聞いてくれていた。
     ど 2774