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    シリアス

    はとこ

    DONE死神キと執事(南ハロ)ブさまの月見話と言いはる。シリアスめ。キスブラ。
    キはそのまま西ハロの死神ですが、ブさまは自動人形執事という設定になっています。それらを始め、ほのかな我設定が垣間見える感じのお話ですが、雰囲気で読んで頂ければと…。
    月だけが見ている頬に当たる空気はキンっと冷えきってる。いつもここは寒いけど、今日は一段と冷えてる。つっても、寒くて凍えるなんて弱い体とは昔々にオサラバしてるけど。
    冷えても焼いても切ってもオレは死なない。なんたって、その死を運ぶ死神さまなんだから。今日も今日とてお仕事お仕事~っと、懐から出した箱から煙草を一本咥える。あれ、火、火ぃどこに仕舞ったっけな…?別に魔力を使えば火のひとつ付けるなんざ造作もねぇけど…こんなことで力を使ったらお上がうるせぇし。
    ゴソゴソと重っ苦しいマントの中やら服を漁る…その、最中。

    「ひぇ!?」

    目深にかぶったフードを浅く裂いて、目の前を通りすぎたなにかに声を上げる。瞬きの間に通り抜けてったそれは、鈍色に光るカトラリーだった。いや、カトラリーってのは食事に使うもんで人様に投げるもんでもねぇし、こんな切れ味良かったら料理ごと皿が真っ二つになる。
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    ぼたもち

    DOODLE別れるルとジェの話
    冒頭から別れてるけど全然シリアスではない

    ジェがルのことを元カレって呼ぶところが見たくて書きました。
    さらっと書くつもりだったけど、やたら長くなってしまって8000文字くらいあるので注意
    絶対にヨリなんか戻さない!たった今、この瞬間、オレとルークは破局した。

    バタンと閉まる扉の音を背後に聞きながら、オレはチッと小さく舌打ちをする。
    先ほどまで大柄なムキムキ男がいたからか、1人の部屋がさっきよりも少し広く感じるのが不思議だ。

    きっかけは正直覚えていない。
    思い出せないほど些細なことから喧嘩になって、そのままヒートアップしたオレが燃え上がるような憤りにまかせて「もうテメーとは終わりだ!別れる!」と叫んだのだった。

    もう幾度も喧嘩なんて繰り返してきているオレたちだが、付き合ってから、別れるという単語を使ったのはこれが初めてだった。
    大抵喧嘩をする時はどちらかが冷静で、どちらかがヒートアップしている、とかそういうことは一切なく、オレたち2人は全力で喧嘩をするものだから、今日も同様に、相手も頭に血が上っていたのか、半ば勢いに任せて別れを告げたオレに、「ああ、そうだな。別れよーぜ!」と眉を吊り上げて返し、そのまま部屋を出て行ってしまった。
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