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    テルミ

    yellowww_cat

    MOURNINGポイピク、文も投稿できるようになってるみたいなので、お試しに。
    途中で詰まった梓光
    「あ、日付変わった」
    腕の中、背中を向けて携帯をいじっていた光希が呟いた。毛布の中で絡めていた足が抜き取られて、もぞもぞと寝返りを打った体は、今度は向き直るようにして、腕の中に収まった。
    光希の体の向こうで読んでいた本を閉じて、そのまま髪を撫でる。柔らかい。鼻をうずめればシャンプーに混じって、日溜まりの匂いがする。もう夜なのに不思議だ。
    「梓、くすぐったいって」
    「光希の髪はいつも優しい匂いがするね」
    「そんなことないと思うけどなぁ」
    レッスンの後とか汗くさいと思うし。あ、嗅ぐなよ?むむむと眉間に皺を寄せて光希が牽制してくるので、明日にでも嗅いでみようと密かに企てる。
    今日の夜は一緒に寝たいと言い出したのは光希だった。俺たちは付き合っているけれど、寮生ということあって、おおっぴらにあからさまに、二人きりになることはあまりない。幸いなことに同じ高校だったので、帰りがけに手を繋いだり、キスをしたり。たまに人目を盗んで身体を重ねたり。そんなゆったりとした付き合いを続けてきた。だから、こんな風にみんなが生活している日常で、光希が甘えてくることはとても珍しかった。もちろん、とても嬉しいことなので 817