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    テーマ

    破色のぽいぽい

    DONEイサルイ短編小説本『water finds its own level.』収録

    テーマ:よく食べる女子会と迎えに来る甲斐性あるパートナーと気の利く我が子
    『小麦に甘さと酸味とたっぷりのクリームと深煎りを添えて』「あ、来た来た。遅かったねぇスミス」
     今回のブレイブナイツの集会場所は、東向きに設けられたオープンテラスのあるレストランで、建物でハワイの眩しい日差しを遮り、涼むことができる絶好のスポットだ。
     店内に入ると、中からヒビキが呼んでくれた。
    「おせーぞ、のろまスミス」
    「私たちもさっき集まったばかりよ」
     ヒビキに次いで、アキラとシェリーが声をかけてきた。
     スミスはテーブルに向かいながら、ウェイターにドリンクを注文した。
    「すまない。朝になってからルルが今日は行かないって言い出して」
     席に着き、スミスは朝起きた一連のごたごたを遅れた言い訳に話をし始めた。

     3人分の軽めの朝食を用意しながら突然言われた同行キャンセル。曰く、ルル今日やることあるとのことだったが、スミスが部屋を出るときになっても特に何かをしてる様子はなく、ただごろっとソファでぐだついていた。冷蔵庫や食糧庫には特に食べられるものは用意してないぞっと伝えても、やる気のない返事と手だけ振っていってらっしゃいを言うばかりだった。
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    aokiss2481

    DONEはなさん【@ faishu_】の素敵イラストを元にお話を書かせていただきました🙇‍♀️✨
    はなさんのイラストのイメージである『幸せ』をテーマとして執筆しております🌼
    イメージソング:アカシア(BUMP OF CHICKEN)
    イラスト元: https://x.com/faishu_/status/1768618747231871415?s=46&t=YJq-RQJOaYczvhSh3r8wWw
    幸福論者と運命論者柔らかな、しかし眩く感じる光が目蓋を撫でる感触で目を覚ました。現状を把握しようと寝起きで覚醒し切らない頭を働かせる。ボンヤリと霞んでいた景色の輪郭は次第に確かなものになり、見慣れた天井で規則正しく回るシーリングファンに「あぁ」と都々丸はようやく合点がいった。非番の都々丸は退屈だと駄々を捏ねるロンから呼び出され、暇つぶしに付き合う内にどうやら寝てしまったようだ。まだ窓の外が明るい所を見るに、日が暮れるほど惰眠を貪った訳ではなさそうだなと安堵する。

    キョロ、と首だけを動かして隣を見れば、そこには都々丸同様に眠りに落ちたのだろうロンがいた。都々丸とは真逆の位置で仰向けに眠るロンの頭は案外近い位置にあり、その整った顔に一瞬だけドキリと胸が鳴る。さすがはあの捜査一課の女傑、雨宮を「ゆけめん」だとノックアウトしただけはあるな、なんて。その時のことを思い返しながら都々丸は独り笑いを噛み殺した。
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