ドクター
misumi_jinanosi
DONE※閲覧注意※某頭領原作のぼーとくとしぜっとのNPC、
ドクターと大イ左のBL妄想話です。よしなに
これをラブコメと言い張る面の皮の厚さよ…
passは👻💉の年齢を連続で 1736
はるち
DONE「どうも私は、死んだみたいなんだよね」イベリアの海から帰還したドクターは、身体が半分透けていた。幽霊となったドクターからの依頼を受けて、探偵は事態の解決に乗り出すが――
「ご依頼、承りました」
この謎を解く頃に、きっとあなたはもういない。
という感じのなんちゃってSFです。アーミヤの能力及びドクターについての設定を過分に捏造しています。ご了承下さい。
白菊よ、我もし汝を忘れなば 青々たる春の柳 家園に種うることなかれ
交は軽薄の人と結ぶことなかれ
楊柳茂りやすくとも 秋の初風の吹くに耐へめや
軽薄の人は交りやすくして亦速なり
楊柳いくたび春に染むれども 軽薄の人は絶えて訪ふ日なし
――引用 菊花の約 雨月物語
「どうも私は、死んだみたいなんだよね」
龍門の夏は暑いが、湿度が低いためか不快感はさほどない。先日任務で赴いたイベリアの潮と腐臭の混じった、肌に絡みつくような湿気を七月の太陽が焼き清めるようだった。あの人がいたならば、火炎滅菌だとでも言ったのだろうか。未だ彼の地にいるであろう人物に、そう思いを馳せながら事務所の扉を開けると、冷房の効いた暗がりから出たリーを夏の日差しと熱気が過剰な程に出迎える。日光に眩んだ鬱金の瞳は、徐々に真昼の明るさに慣れる中で、有り得ざる人影を見た。
15295交は軽薄の人と結ぶことなかれ
楊柳茂りやすくとも 秋の初風の吹くに耐へめや
軽薄の人は交りやすくして亦速なり
楊柳いくたび春に染むれども 軽薄の人は絶えて訪ふ日なし
――引用 菊花の約 雨月物語
「どうも私は、死んだみたいなんだよね」
龍門の夏は暑いが、湿度が低いためか不快感はさほどない。先日任務で赴いたイベリアの潮と腐臭の混じった、肌に絡みつくような湿気を七月の太陽が焼き清めるようだった。あの人がいたならば、火炎滅菌だとでも言ったのだろうか。未だ彼の地にいるであろう人物に、そう思いを馳せながら事務所の扉を開けると、冷房の効いた暗がりから出たリーを夏の日差しと熱気が過剰な程に出迎える。日光に眩んだ鬱金の瞳は、徐々に真昼の明るさに慣れる中で、有り得ざる人影を見た。
totorotomoro
DOODLEたらいにお湯張ってドクターに洗われるエベが見てみたかったのに、なんか……あれっ?なんか、まあこれはこれで私好きなんだけど、たまに書く真っ黒ドクターがうっすら出てしまった。どうしても書いてみたくて出力するうちに、オチがなんかこれでいいのかな感。
黑键博と言い張ります。
バスタイム「お互い傷を持つ身だろう。違うかい?」
ドクターの言葉に、エーベンホルツは聞こえないように紳士的でない舌打ちをした。
■□■
ハイビスカスが困ったようにエーベンホルツが風呂に入らないと伝えに来た。
「はい?」
「ですから、エーベンホルツさんが───」
書類の山に囲まれてペンを動かしていたドクターは手を止め、ハイビスカスの言葉を手を挙げて制した。
「すまない、言葉は聞こえていた。……それを私に伝えに来る意味を聞いてもいいだろうか」
「エーベンホルツさんはドクターの言うことなら聞いてくれると思ったので」
ハイビスカスは柔らかく優しい微笑みを向けた。慈愛あふれる笑顔だ。ドクターもつられて微笑む。
「それはどうかは知らないけれど、注意はしよう。曲がりなりにも製薬会社だからね。彼は外交を対応してもらうオペレーターだったはずだから、清潔にすることも大事なことだ」
3438ドクターの言葉に、エーベンホルツは聞こえないように紳士的でない舌打ちをした。
■□■
ハイビスカスが困ったようにエーベンホルツが風呂に入らないと伝えに来た。
「はい?」
「ですから、エーベンホルツさんが───」
書類の山に囲まれてペンを動かしていたドクターは手を止め、ハイビスカスの言葉を手を挙げて制した。
「すまない、言葉は聞こえていた。……それを私に伝えに来る意味を聞いてもいいだろうか」
「エーベンホルツさんはドクターの言うことなら聞いてくれると思ったので」
ハイビスカスは柔らかく優しい微笑みを向けた。慈愛あふれる笑顔だ。ドクターもつられて微笑む。
「それはどうかは知らないけれど、注意はしよう。曲がりなりにも製薬会社だからね。彼は外交を対応してもらうオペレーターだったはずだから、清潔にすることも大事なことだ」
はるち
DOODLEリー先生が言うところのお上品な嗜みに嫉妬するドクターのお話。Private eye/secret eye三日前はファントム。一昨日はシルバーアッシュ。昨日はエンカク。
「……ドクター」
「何かな?」
この聡明な人は、自分が何を言わんとしているのか、十全に理解しているだろうに。何も知らない振りをして首を傾げると、冬の日差しに似た色の髪がさらりと流れた。しかし笑みを灯した唇は、十二月の真夜中にこちらを見下ろす月光めいて冷ややかだ。
「秘書のローテーションを決めているのはドクターなんですよね」
「それが?」
「おれがロドスに戻ってきてからのローテにはどういう意味が?」
ようやくドクターの自室で二人きり、ソファに並んで座り、ここ数日胸の奥にわだかまっていた疑問を言葉にしてこの人にぶつけることができた。吐き出してしまえば少しは胸のつかえがとれるかと思ったが、しかし今度は軽くなった胸の裡が空寒いばかりである。
1590「……ドクター」
「何かな?」
この聡明な人は、自分が何を言わんとしているのか、十全に理解しているだろうに。何も知らない振りをして首を傾げると、冬の日差しに似た色の髪がさらりと流れた。しかし笑みを灯した唇は、十二月の真夜中にこちらを見下ろす月光めいて冷ややかだ。
「秘書のローテーションを決めているのはドクターなんですよね」
「それが?」
「おれがロドスに戻ってきてからのローテにはどういう意味が?」
ようやくドクターの自室で二人きり、ソファに並んで座り、ここ数日胸の奥にわだかまっていた疑問を言葉にしてこの人にぶつけることができた。吐き出してしまえば少しは胸のつかえがとれるかと思ったが、しかし今度は軽くなった胸の裡が空寒いばかりである。
はるち
DONEリー先生の尾ひれを見るたびにドキドキするドクターのお話。その鮮やかさを覚えている 覚えているのは、黒と金。
石棺で眠りについていた二年。あの漂白の期間に、自分はかつての記憶のほとんどを失った。それを取り戻すために、主治医であるケルシーとは幾度となくカウンセリングを行ったが、その殆どは徒労に終わった。医学的には、記憶喪失になってから一年が経過すると、記憶が戻るのはほぼ絶望的とされる。だからこれで一区切りをする、と。ケルシーは診察の前にそう前置きをし、そうして大した進展もなく、最後の診察も終わった。言ってみればこれは届かないものがあることを確認するための手続きだ。現実を諦めて受け入れるための。失われたものはもう二度と戻って来ないのだ、ということを確認するための。
ドクターは書棚からファイルを取り出した。ケルシーとの診察の中で、自分に渡された資料の一部だ。何でもいいから思いつくものを、思い出せるものを書いてみろと言われて、白紙の上に書いた内面の投影。他者からすれば意味不明の落書きにしか見えないだろう。しかしケルシーにとっては現在の精神状態を推量するための材料であり、ドクターにとっては現在の自分を構成する断片だ。
8593石棺で眠りについていた二年。あの漂白の期間に、自分はかつての記憶のほとんどを失った。それを取り戻すために、主治医であるケルシーとは幾度となくカウンセリングを行ったが、その殆どは徒労に終わった。医学的には、記憶喪失になってから一年が経過すると、記憶が戻るのはほぼ絶望的とされる。だからこれで一区切りをする、と。ケルシーは診察の前にそう前置きをし、そうして大した進展もなく、最後の診察も終わった。言ってみればこれは届かないものがあることを確認するための手続きだ。現実を諦めて受け入れるための。失われたものはもう二度と戻って来ないのだ、ということを確認するための。
ドクターは書棚からファイルを取り出した。ケルシーとの診察の中で、自分に渡された資料の一部だ。何でもいいから思いつくものを、思い出せるものを書いてみろと言われて、白紙の上に書いた内面の投影。他者からすれば意味不明の落書きにしか見えないだろう。しかしケルシーにとっては現在の精神状態を推量するための材料であり、ドクターにとっては現在の自分を構成する断片だ。
810910mmr
DOODLE2022年らくがき色々順番バラバラです
ドクターX、ぬ~べ~、ぽけもんシゲサト、アイマス真、ラムちゃん、ときメモGSまどか、あんスタてとら、ツイステカリムくん、アイシールド21ヒル魔 11
はるち
DONE探偵事務所アニメ四話と三周年お祝いボイスに脳を焼かれて書きました。リー先生に”個人的な依頼”をするドクターのお話です。
夜辺であなたを待っていた 空を飛ぶ羽獣を初めて見た時に、人が覚えるのは憧憬だろうか、羨望だろうか。或いは、水中を泳ぐ鱗獣を見た時は? 自分も彼らのように飛びたい、泳ぎたいと。願ったところでこの両腕は、翼となるには不器用が過ぎ、両足は、鰭と為すには不格好が過ぎた。けれどもそれで構わなかった。この両足で立って、戦場を見渡す目と戦闘を指揮する頭があれば、自分はそれで事足りたのだ。
大空を悠然と舞う羽獣のようになれずとも。
湖面を優雅に泳ぐ鱗獣のようになれずとも。
それで良かった、はずなのに。
届かないな、と思った。彼と、その前に立つ美しい人を見た時に。
無邪気に空を、水を、望むには、自分は年を取りすぎた。地を這いながら生きるしか無いと、骨身に染みて知っている。
4897大空を悠然と舞う羽獣のようになれずとも。
湖面を優雅に泳ぐ鱗獣のようになれずとも。
それで良かった、はずなのに。
届かないな、と思った。彼と、その前に立つ美しい人を見た時に。
無邪気に空を、水を、望むには、自分は年を取りすぎた。地を這いながら生きるしか無いと、骨身に染みて知っている。
はるち
DONE若いオペを侍らせるリー先生(語弊)とドクターのお話。Young ,younger ,youngest 若さとは資源だ。いずれ失うことを宿命付けられている、有限の。
あんな配置を許したのは誰だ、眼の前の光景にドクターは歯噛みした。手にしているカップの中に入っていたアイスコーヒーはとっくに底が尽きており、苛立ちをぶつけられているストローは噛み跡でべこべこに歪んでいる。勿論その許可を出したのが自分であるということをドクター自身も理解しており、だからこそ行き場のない苛立ちばかりが募る。
今日はロドス・アイランドの企業説明会だった。
ロドスは未だに知名度の低さに喘ぐ人材不足の企業だ。どういう企業で、どんな活動をしているかを知ってもらうというのが、本会の目的である。そしてその一環として、ロドスで働いているオペレーターと直接話せるブースを設けた、というところまではドクターも把握していた。連日広報部から滝のように送られてくる書類に対して右から左にサインをしつづけ、内容には簡単にしか目を通していなかった。それは彼らなら上手くやってくれるだろうという信頼でもあり、現に彼らはその信頼に応えているのだが。
1952あんな配置を許したのは誰だ、眼の前の光景にドクターは歯噛みした。手にしているカップの中に入っていたアイスコーヒーはとっくに底が尽きており、苛立ちをぶつけられているストローは噛み跡でべこべこに歪んでいる。勿論その許可を出したのが自分であるということをドクター自身も理解しており、だからこそ行き場のない苛立ちばかりが募る。
今日はロドス・アイランドの企業説明会だった。
ロドスは未だに知名度の低さに喘ぐ人材不足の企業だ。どういう企業で、どんな活動をしているかを知ってもらうというのが、本会の目的である。そしてその一環として、ロドスで働いているオペレーターと直接話せるブースを設けた、というところまではドクターも把握していた。連日広報部から滝のように送られてくる書類に対して右から左にサインをしつづけ、内容には簡単にしか目を通していなかった。それは彼らなら上手くやってくれるだろうという信頼でもあり、現に彼らはその信頼に応えているのだが。
はるち
DONE絶対にリーの料理を食べたくないドクターと食べさせたいリーによる攻防戦のお話Super size you 大事な話があるから執務室に来てくれ、と言われたのが今朝のことだった。自分の仕事が片付いてから来てほしいから夜遅くになると思うが大丈夫か、とドクターは言ったけれど、しかしそれを無碍に出来るような空気ではなかった。一体何を申し付けられるのか。過酷な任務の命令であればまだマシだろう。契約の破棄か、あるいはもっと悪い何かか。悪い想像を追い払うように、執務室の扉の前で一度頭を振ったリーは、努めて高らかにドアをノックした。
「ドクター?いいですかい?」
どうぞ、という声で中に入ると、そこにはもうドクターの姿しかない。もう夜も遅い。今日の秘書は帰った後なのだろう。ひとりきりで仕事をさせるくらいなら自分が手伝ったのに、と言いかけて、一体いつから自分はこの人にこんなに甘くなったのかと苦笑する。
2980「ドクター?いいですかい?」
どうぞ、という声で中に入ると、そこにはもうドクターの姿しかない。もう夜も遅い。今日の秘書は帰った後なのだろう。ひとりきりで仕事をさせるくらいなら自分が手伝ったのに、と言いかけて、一体いつから自分はこの人にこんなに甘くなったのかと苦笑する。
はるち
DONE二人で飲みに行くドクターとリー先生のお話夜にあなたと凍えたい 一杯やりましょうよ、と誘うのはいつでもリーで、それを断るのはいつもドクターだった。まだ仕事中だ、明日も仕事だから、ここは執務室だから、等々。
だから驚きましたよ、と彼は帰り道でそう口にした。今日の仕事が終わったときに、一杯やろうかと声をかけたのはドクターの方だったから。とはいえ場所は、執務してではなくて龍門のバーにしたけれど。
「君がここまで酒に弱いと知っていたら、もう少し考えたけどね」
ほら、自分の足で立ってと言うけれど、リーはドクターを支えにしないと歩くことはおろか、真っ直ぐに立つことさえままならないようだった。雲母を敷き詰めたような鱗の肌が、今は嘘のように赤い。その肌の下にも、確かに血は通っているらしい。
2578だから驚きましたよ、と彼は帰り道でそう口にした。今日の仕事が終わったときに、一杯やろうかと声をかけたのはドクターの方だったから。とはいえ場所は、執務してではなくて龍門のバーにしたけれど。
「君がここまで酒に弱いと知っていたら、もう少し考えたけどね」
ほら、自分の足で立ってと言うけれど、リーはドクターを支えにしないと歩くことはおろか、真っ直ぐに立つことさえままならないようだった。雲母を敷き詰めたような鱗の肌が、今は嘘のように赤い。その肌の下にも、確かに血は通っているらしい。
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DONE記憶を失って転生したリー先生と、連続する魂を持つドクターの鯉博。一部過去作から抜粋。オーニソガラムの亡骸 星の予言、星の花。星の光を探して、星屑と閃きを眺めて。
「いらっしゃい、リー家の子」
他人のテリトリーに足を踏み入れるのはいつだって、適度な緊張感と警戒心を必要とする。リーは詰めていた息を白色にしてそっと吐き、吐いた分の吸い込んだ空気が纏う花の香りにまたため息をついた。両親と比べ未発達な細く頼りない尾が揺れ、薄く柔らかな鰭が風にあそばれる。
かつては龍しかいなかったという閉鎖的な集落はすっかり姿を変容させ、龍の数こそ多いものの昔に比べれば様々な種族が住み着くようになった。それにより貿易は一層栄え、利便性は改善し、知見や見解が広がったことで価値観も開放的な方向へと進んでいった。少年が足を踏み入れた家は、しかしそうなる以前――もう百年以上も前だ――に建てられた、異種族にまだ偏見や差別の考えがあった頃にその嫌う異種族に説き伏せられて建てられた家らしい。家屋自体は然程大きくはないが手入れが行き届いた庭は非常に美しく、季節の花や草木が目に鮮やかで、門扉を潜った直後だというのに足を止めて眺めてしまうほどだ。そのせいだろう。前を歩く冬空のようなその人が振り返り首を傾げた。
14697「いらっしゃい、リー家の子」
他人のテリトリーに足を踏み入れるのはいつだって、適度な緊張感と警戒心を必要とする。リーは詰めていた息を白色にしてそっと吐き、吐いた分の吸い込んだ空気が纏う花の香りにまたため息をついた。両親と比べ未発達な細く頼りない尾が揺れ、薄く柔らかな鰭が風にあそばれる。
かつては龍しかいなかったという閉鎖的な集落はすっかり姿を変容させ、龍の数こそ多いものの昔に比べれば様々な種族が住み着くようになった。それにより貿易は一層栄え、利便性は改善し、知見や見解が広がったことで価値観も開放的な方向へと進んでいった。少年が足を踏み入れた家は、しかしそうなる以前――もう百年以上も前だ――に建てられた、異種族にまだ偏見や差別の考えがあった頃にその嫌う異種族に説き伏せられて建てられた家らしい。家屋自体は然程大きくはないが手入れが行き届いた庭は非常に美しく、季節の花や草木が目に鮮やかで、門扉を潜った直後だというのに足を止めて眺めてしまうほどだ。そのせいだろう。前を歩く冬空のようなその人が振り返り首を傾げた。
はるち
DONE怪我をしたリーのためにドクターが料理を作るお話砂糖大匙二香辛料少々、そして愛を適量「手慣れて見えますね」
「そう?君にそう言ってもらえるなら鼻が高いよ」
キッチンには砂糖とミルクの甘やかな香りが満ち、ドクターの溢した笑い声がスパイスのように彩りを添える。平時であればこうして夜食を作るのは自分の役回りだが、今回ばかりはそうもいかなかった。
リーはちらりと三角巾に吊るされた自分の右腕、骨折が治るまでは動かさないようにと医療オペレーター――末の子どもであればやりようはあったが、相手はよりにもよってあのガヴィルである――に厳命されている自分の腕を見た。危機契約は、普段とは異なる状況下での戦闘を強いられる。それは理解していたつもりだった。だからこの腕は慢心の代償だ。溶岩洞でオリジムシ達を捌きながら、あのポンペイとかいう巨大な害虫を相手取ろうとしたらこのザマだ。結果として危機契約の途中でリーは本艦へと戻ることになり、全てを終えてロドスへと帰還したドクターをくたびれた表情で出迎える羽目になった。
2082「そう?君にそう言ってもらえるなら鼻が高いよ」
キッチンには砂糖とミルクの甘やかな香りが満ち、ドクターの溢した笑い声がスパイスのように彩りを添える。平時であればこうして夜食を作るのは自分の役回りだが、今回ばかりはそうもいかなかった。
リーはちらりと三角巾に吊るされた自分の右腕、骨折が治るまでは動かさないようにと医療オペレーター――末の子どもであればやりようはあったが、相手はよりにもよってあのガヴィルである――に厳命されている自分の腕を見た。危機契約は、普段とは異なる状況下での戦闘を強いられる。それは理解していたつもりだった。だからこの腕は慢心の代償だ。溶岩洞でオリジムシ達を捌きながら、あのポンペイとかいう巨大な害虫を相手取ろうとしたらこのザマだ。結果として危機契約の途中でリーは本艦へと戻ることになり、全てを終えてロドスへと帰還したドクターをくたびれた表情で出迎える羽目になった。
kokurukatrpg
DOODLEマドモン現行未通過×パスワードはシナリオのSPLL
マドモン章で使用する予定のスチル、
描いたやつとかトレスしたやつとか色々の一部
どんなドクターでも同一で使える…と良いな
回す予定のある人ならどうぞ…再配布はやめてください。
どこまでも個人使用でお願いします。 5
はるち
DONE不眠症のドクターとリーのお話です。リクエストありがとうございました!Does the sheep count the sheep クラリス、子羊は悲鳴をあげなくなったかな? ――引用:羊たちの沈黙
夜は嫌いだ。静寂が耳に煩いから。
「――みにくい羽獣の子が水の上に眼を落とすと、そこに映っていたのは、もうあの灰色の羽獣ではありません。真っ白に光り輝く羽獣でした。そうしてその羽獣は、あたらしい仲間と一緒に幸せに暮らしました。……、はあ。あなた、まだ起きていたんですか?」
ベッドサイドの椅子に腰掛けていた彼が、ベッドに横たわる私にちらと視線を向ける。全く眠る気配が見えないことに、その表情が渋いものへと変わった。コーヒーでも飲みすぎたようだった。雰囲気としては一リットルくらいだろうか。
「いや、いつ聞いてもいい話だなと思っていてね。生まれた時からその羽獣の勝ちは決まっていた、ということだろう?」
6154夜は嫌いだ。静寂が耳に煩いから。
「――みにくい羽獣の子が水の上に眼を落とすと、そこに映っていたのは、もうあの灰色の羽獣ではありません。真っ白に光り輝く羽獣でした。そうしてその羽獣は、あたらしい仲間と一緒に幸せに暮らしました。……、はあ。あなた、まだ起きていたんですか?」
ベッドサイドの椅子に腰掛けていた彼が、ベッドに横たわる私にちらと視線を向ける。全く眠る気配が見えないことに、その表情が渋いものへと変わった。コーヒーでも飲みすぎたようだった。雰囲気としては一リットルくらいだろうか。
「いや、いつ聞いてもいい話だなと思っていてね。生まれた時からその羽獣の勝ちは決まっていた、ということだろう?」
ももた
TRAINING怪我をして入院するドクターの見舞いに行くエンカクのお話。弱音を吐く博はともかく次への意欲が高まった事に実は胸きゅんしてる弊社炎さん。
ツールを使って作成してみた弊社博の顔に傷を入れてみたら良い感じだったので爆発に巻き込まれてもらいました。 7
はるち
DOODLEドクターとリー先生が自分たちが手をかけたサンクタを看取る話。今際の際、聞きたい言葉はありますか。
主よ、人の望みの喜びよ 鉱石病に罹患したサンクタは、もう聖地に戻ることを許されない。
「最後に何か、言い残すことは?」
だから男もそうやって、楽園を追われた天使の一人なのだろう。頭上に輝く光輪とは対象的に、光を全て吸い込むような黒の結晶が男の肌に析出していた。
アンブリエルの狙撃で高所から転落した男は、それでも自身の守護銃、長距離狙撃用のライフルを手放さなかった。折れた肋骨が肺に刺さったのだろうか、血の泡と共に咳き込む男は、無感情に自身を見下ろすドクターを、敵意と諦念が混ざった瞳で見上げる。震える指が、引き金にかかることはない。落下の衝撃で腕が折れたのだろう。子どもが好き勝手に振り回した人形のように、腕があらぬ方を向いていた。サンクタ特有の光輪と翼は、血と土埃に濡れてもまだその輝きを失わず、それが地に落ちてもなお、男がまだ天使であることを証明していた。
2047「最後に何か、言い残すことは?」
だから男もそうやって、楽園を追われた天使の一人なのだろう。頭上に輝く光輪とは対象的に、光を全て吸い込むような黒の結晶が男の肌に析出していた。
アンブリエルの狙撃で高所から転落した男は、それでも自身の守護銃、長距離狙撃用のライフルを手放さなかった。折れた肋骨が肺に刺さったのだろうか、血の泡と共に咳き込む男は、無感情に自身を見下ろすドクターを、敵意と諦念が混ざった瞳で見上げる。震える指が、引き金にかかることはない。落下の衝撃で腕が折れたのだろう。子どもが好き勝手に振り回した人形のように、腕があらぬ方を向いていた。サンクタ特有の光輪と翼は、血と土埃に濡れてもまだその輝きを失わず、それが地に落ちてもなお、男がまだ天使であることを証明していた。
はるち
DOODLEロドスの薬が横流しされていると聞いたリーとドクターがカジミエーシュに向かうお話。そこに信頼はありますか?
砂糖細工は食事にならない 殲滅作戦を終え、立ち寄ったカジミエーシュの辺境の街は美しかった。長閑な田園風景という言葉が似合う。グラニが以前任務のために訪れた村もこのような場所だったのだろうか、とドクターは窓の外を眺めた。
「他のオペレーターはまだ来ませんか?」
「もうしばらくかかるだろうね。それまではここで待機だ」
リーとドクターが訪れたのは、その辺境の街にあるロドスの駐在所だ。突然の来訪に常駐しているオペレーターは酷く驚いたようだったが、しかしクランタの青年もザラックの少女も親切だった。こんなものしか用意出来ませんがと差し出されたパウンドケーキが二切れ、テーブルの上に置かれている。少女の手作りだそうだ。
「食べないでくださいよ」
4276「他のオペレーターはまだ来ませんか?」
「もうしばらくかかるだろうね。それまではここで待機だ」
リーとドクターが訪れたのは、その辺境の街にあるロドスの駐在所だ。突然の来訪に常駐しているオペレーターは酷く驚いたようだったが、しかしクランタの青年もザラックの少女も親切だった。こんなものしか用意出来ませんがと差し出されたパウンドケーキが二切れ、テーブルの上に置かれている。少女の手作りだそうだ。
「食べないでくださいよ」