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    パレット

    allhandsquiet

    TRAININGワードパレットより
    頂いたお題:
    メンヘラ審神者×加州
    A-10「冗談のふり」
    「何それ、お洒落だね」
    通りすがった加州に目を留めて、兄弟と談笑していた信濃は思わず声をかけた。年長組とはいえ懐っこい粟田口の一団は、あっという間に獲物を囲う。
    可愛くありたい初期刀が普段から顕現時の装束と異なる格好をしていることが多いのは知っていたが、今日はまた一段と風変わりな格好である。
    色味は戦闘服と同じ黒に赤を基調としているが、機能性はよくなさそうだ。血や死骸を模したおどろおどろしい柄については敵への威嚇に使えそうなのでいいだろう。形状に難がある。
    身を覆う部分が所々妙に裂けたり穴を開けたようになっているにもかかわらず、仮留めに使えるはずの安全ピンやベルトがぶら下がっているのは、そういう破損をわざと避けたような一枚布部分だ。そのくせ裾や袖周りへは明らかに装飾でしかない布や紐がたっぷりと添付され、補強材であるはずの鋲もあちこちへと無秩序に散さられている。サイズも上着はだぼっと大きく下衣の方はピチピチで、どちらも体に合っていない。当たり前ではあるが、防具も一切見あたらない。
    つまり、どう見てもそれは、完全に着飾る為だけの衣装に間違いなかった。
    「ん……おお、似合ってるぜ旦那。そりゃ 3569

    mayu_og3

    DONE文字書きワードパレット(甘々編)
    17、カエル
    「仲直り」「雨上がり」「ソファー」
    「お前意外とロマンチストなんだな」
    そう言われたのはいつのことだったろう。
    枯葉が舞い始めた頃、パトロールの帰り道に、昔見た麦畑の話をした時だったか。
    それとも、朝日に照らされた雪を、初めてタワーから二人で眺めた冬の日だったろうか。

    「そうだ、初めてウィルにプレゼント渡した時だ」

    ベッドに横たわり、ガストは瞼を閉じて思い出す。
    ウィルの20歳の誕生日、望みの薄い片想いと知りながら、好きな人の特別な日を祝いたいと、意を決して贈り物を選んだ。
    ウィルと同じ20年の時を重ねたワインを差し出したガストの顔を驚いた様に見つめて、ウィルはボトルを受け取った。そして贈られたワインのラベルを眺めて、少し呆れた様に笑ってそう言ったのだ。

    今思えば、初めてのプレゼントにしてはキザ過ぎたと恥ずかしくなる。それでも、ウィルが受け取ってくれたことが嬉しくて、その日からしばらくガストのプレゼント攻撃が続いた。
    初めは困った様に受け取っていたウィルだったが、次第に柔らかい微笑みを返してくれる様になり、遂には、プレゼントに添えたガストの想いを受け止めてくれた。そっと握った指が温かったことを今でも覚えている。

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