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    回想

    86mayuri

    DONE体育教師の阿修羅×保健室の先生の帝釈天というテーマをお借りして書いた話の続き。現パロ。年の瀬デートネタ(付き合ってはいない)。高校の時の回想シーンなども。会話多め簡易文。
    今回は帝釈天視点寄り。回想シーンでモブ部員等が出て多少おふざけがあります。
    3 体育教師×養護教諭 修帝.




     皆、巨大な川の流れの一部となったように一定速度でゆっくりと、前へ前へと進んでいた。

    「またしてもお前を人混みの中に連れてきてしまった」
    「阿修羅は心配性だな。私は大丈夫だと言っただろう。それに言い出したのは貴方だが、私が行きたいと返したんだ」

     等間隔に並ぶ石灯篭はやっと六つ目をこえたというところ。つまり先ほどからあまり進んでいない。
     手持ち無沙汰な渋滞状況に痺れを切らしたわけではなかったが、隣の男を見上げて声を上げる。

    「ところで貴方はこの前、踏み切るタイミングと引けた腰に関して言及していたが。まず跳躍練習の前に助走の段階で流動的ではない生徒が多い気がする。貴方は初めから自然に身についていたと言っていたが彼らはほぼ初心者だ。その後の自然な流れを作るためには徐々に加速する動きを身につけるための基本のトレーニングをもっと増やして……」
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    color_alto_rs3

    DONEウィルミントンでの夏の回想話です。

    仕事でウィルミントンのフルブライトに会いに来たトーマスとサラ。
    彼から新しくひまわり畑を作ったと話しを聞き、会談終わりに見に行くことにしました。

    ※ウィルミントンのひまわり畑は架空の設定です。
    ※恋人同士の設定です。
    向日葵迷路 秋が深まってきた頃――ピドナのトーマスカンパニーでは朝から仕事に追われていた。サラはトーマス社長宛てに届いた手紙を仕分けし、ひとつひとつ宛名を確認していると、フルブライトの名を見つけた。
    「トム、フルブライトさんから手紙が来てるわ」
     彼女に呼びかけられたトーマスは仕事の手を止めて、サラから手紙を受け取り封を切った。
    「前回話し合ったことの進捗報告だな。それと……?」
     手紙はもう一枚入っていた。内容を読んだトーマスは苦笑して、サラにも中身を見せた。
    「……この前のお礼だそうだ」
    「…あぁ、あのひまわり畑のことね」
     彼と同じく、サラも困り眉をして笑った。

    ✼✼✼
     ――それは夏も盛りの時期のこと、トーマスとサラはウィルミントンに仕事で訪れていた。打倒ドフォーレに向けて、同盟相手であるフルブライト商会と話し合うためである。会談は順調に進み、今後の指針もまとまったところで、彼らは紅茶を飲んで一息つく。この時の雑談で、ウィルミントンでは今年、新たな事業としてひまわり畑を作ったという話になった。
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    tonanamimi

    MOURNINGある女性の回想録
    シングルファーザーが見たくて……カッとなってかいたやつです
    インカーネーション物心ついた頃には母は居なかった。とうの昔に亡くなったと父が言っていた。

    父は元々海兵だったそうで、愛想は無いながらも、町の人たちからは尊敬され慕われていた。再婚の話など、娘である私の耳にさえ何度か入るほどだったが、それはもうきっぱりと全て断っていた。母のほかに伴侶を持つなど、頑固な父には考えられないようだった。
    それほど母を想っているわりには、父の薬指は空いたままだったが、作る機会がなかったんだ、という言い訳のような理由しか教えてくれなかった。母とは海兵時代に出会ったらしいが、馴れ初めを訊いても、血腥い話もあるからな、などとはぐらかされた。

    はっきりしているのは、私の髪は母譲りだということだった。長く伸ばした金髪を、父はたいそう大事にしてくれた。美容に疎い父は三つ編みにさえ苦戦したが、手際の悪さに私が文句をつけると、あいつと同じことを言うなあ、と心底嬉しそうに苦笑するのだった。九つを数える頃には自分で髪を結うようになったが、父の大きな手で髪を梳いてもらったことは、幼少期の幸せな思い出のひとつだ。
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    tabechauzooooou

    DONEなんか続いたRoP S2のEP9という強めの幻覚。
    ドラマ版から妄想を膨らませてみたお話です。

    前回の続き…というほど話は進展せず、回想に終始しております。長いです。
    アロくん視点でみたロンドくんのあれこれ。
    ※若干香るギルエル風味。
    ※癒しの力についての設定などの色々は完全なる捏造です
    透明な水 2 エルロンドと共にエルフたちの治療にあたったアロンディルも、初めは治療を受ける側にあったヴォロヒルも、彼に目覚めた〝癒しの力〟のことはよく知っていました。ヴォロヒルに至っては、最初にその力の恩恵を受けた相手であったかもしれません。何しろ、ガラドリエルにネンヤの指輪を返したのち、谷で再会したヴォロヒルの傷を、どうやら無自覚に癒してみせたエルロンド本人が、誰よりも驚いた顔をしていたのですから。
     本人曰く「理屈がわからない」のだというそれは、身に覚えもなければ、元々備わっていたという類のものでもなく、特に思い当たる由来すらもないようなのです。おそらくは、ガラドリエルの傷を癒し、闇を祓った際、一時的に嵌めたネンヤの力を使ったことで、その膨大な魔力の一部なりがエルロンド自身の身に移ったのではないか、という見立てでした。
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