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    寧々

    3iiRo27

    DONEritk版深夜の60分一発勝負
    第二十七回 お題:「キスの日」「振り向くと」
    司視点⇒類視点 両想い
    友情出演:えむ、寧々
    40分オーバーしました
    演出を寧々と話している類の姿を横目で見ながら、脚本に目を落とす。
    そこに書かれた文字も上手く頭に入ってこず、ひっそりとため息をついた。





    最近、類が意地悪だ。


    どうも、振り向いた際に頬に人差し指を指す、というよくあるやつにハマってしまったらしく学校でも、ショー練習の休憩時間にも、事あるごとにやろうとしてくる。

    怒ろうにも、何故かそれをやる類が矢鱈と嬉しそうで、怒るに怒れない。

    ならば引っかからないように警戒する、という手もあるが
    警戒しようにも、自分の悪い記憶力ではすぐ抜け落ちてしまい、何回も何回も引っかかってしまう。

    そもそも類相手に警戒すること自体が難しい話なのだ。
    大切な、恋人。なのだから。





    どうにも手のうちようがなく、からかわれている感じがする今の状態がモヤモヤしてしまい、最近は演技も上手くいかない。
    当の本人はわかっていないのか、「悩みがあるんだったらちゃんと言うんだよ?」と言う始末だ。





    お前が!!!悩みの原因だと!!!いうのに!!!!







    眺めても全く文字が頭に入らない脚本から目を離し、再度類の姿を見遣る。

    ネネロボの話をし 4662

    のくたの諸々倉庫

    MOURNINGまた明日/類寧々
    前に書いていたものその3
    「最近、お前はよく笑うようになったな」
     言われて少し考える。それはとある教室にて、机についた僕を見下ろし──我らが座長が、ふふんと胸を張った。
    「……僕は元から、よく笑う方だと思っていたんだけど」
    「いや、なんかこう……ドヤ顔に近いというか……うまくは言えんのだが、今までのお前の笑顔は何か違った」
     果たしてそうだろうか。だが彼やえむくんが僕に見せるものと、確かに僕のそれは違っていただろう。それはちゃんと、理解している。
    「……けど、最近の僕は君の言う『笑顔』を浮かべられていると?」
    「ああそうだ! 最近のお前はなんとも優しげな……いわゆる微笑みというやつを頻繁に浮かべている気がする。ステージ上でのファンサービスとも違う、心からの笑みなのだろうな、と思って見ていた。なんとも喜ばしいことだ!」
     なるほど、少なくとも僕が浮かべているのは、司くんたちのように華やかなそれとは違うらしい。だがそれを「喜ばしい」と表現されるのは、なんとも不思議な気分だ。
    「……君は僕のお母さんなのかな?」
    「ええい、そこはお父さんだろう! ともあれ出会ったばかりのお前と、最近のお前は少し違う、ということを言い 1731