柏
sueki11_pxv
PROGRESSメール軸柏真、なれそめ間の小ネタ。真島視点。春くらい、前回の傘のネタ(六月)より前のこと。この視界とも二十年の付き合いで、普段はあまり隻眼での不自由は感じない。免許の更新だとか、それに関わる書類事。あとは、バッターボックスに立った時だとか、両目でなくてはならない事、と世間で決められているとなればちょくちょく困ることはある。
だが最近片目で困る時、というのが出てきた。目にゴミが入った時だ。そんな事、と笑う莫れ。季節性の花粉や黄砂が原因で目を掻いてしまった時は最悪である。おそらく今回も睫毛が目に入ってしまったのだと思うが、鏡を見てとろうとしても、瞼を指であげると視界が滲む。単焦点の困りどころだった。
「………。」
涙袋の周りを指でなぞってみても取れなくて、むぅ、と唸る。チクチクとする感覚はあるが、どこにゴミが入っているか、それとも何か出来物でもあるのかも分からなかった。瞼をこする。
3565だが最近片目で困る時、というのが出てきた。目にゴミが入った時だ。そんな事、と笑う莫れ。季節性の花粉や黄砂が原因で目を掻いてしまった時は最悪である。おそらく今回も睫毛が目に入ってしまったのだと思うが、鏡を見てとろうとしても、瞼を指であげると視界が滲む。単焦点の困りどころだった。
「………。」
涙袋の周りを指でなぞってみても取れなくて、むぅ、と唸る。チクチクとする感覚はあるが、どこにゴミが入っているか、それとも何か出来物でもあるのかも分からなかった。瞼をこする。
sueki11_pxv
DONEピクシブに載せてある『お友達から始めましょう』(ここの、酔いどれメール軸)の柏真。春夏秋冬柏真企画、雨のお題より。イニシャル『差出人:柏木さん
件名:傘
日時:2003/06/23 13:47
本文:傘、弁償したい。この時期、ないと困るだろ。
今夜、飯でもどうだ。』
柏木からきたメールに、保存のクリップをつけてから、返信した。
『気にせんでええって言うたのに。でも、飯は行かせてもらいます👌』
OKと打って画面にでた絵文字を入れて送ったら、柏木からすぐに、じゃあ七時に、と返信がきた。それに、
『いつものところで待っとる💛』
と送ると、了解、と固い返事がきた。
(まぁ、まだ夜中のテンションやないか。)
今はまだ昼間。柏木とひょんなことからメールのやり取りをするようになってから、かれこれ四か月経つ。以前のことを思えば、昼間にもこうして仕事の合間をぬってメールをする仲になったことが喜ばしい。あれから、色々小さな事件らしきものが積み重なり、今は時間が合えば夕飯を食べに行くこともあるまでに進展した。
3141件名:傘
日時:2003/06/23 13:47
本文:傘、弁償したい。この時期、ないと困るだろ。
今夜、飯でもどうだ。』
柏木からきたメールに、保存のクリップをつけてから、返信した。
『気にせんでええって言うたのに。でも、飯は行かせてもらいます👌』
OKと打って画面にでた絵文字を入れて送ったら、柏木からすぐに、じゃあ七時に、と返信がきた。それに、
『いつものところで待っとる💛』
と送ると、了解、と固い返事がきた。
(まぁ、まだ夜中のテンションやないか。)
今はまだ昼間。柏木とひょんなことからメールのやり取りをするようになってから、かれこれ四か月経つ。以前のことを思えば、昼間にもこうして仕事の合間をぬってメールをする仲になったことが喜ばしい。あれから、色々小さな事件らしきものが積み重なり、今は時間が合えば夕飯を食べに行くこともあるまでに進展した。
sueki11_pxv
INFO企画のお知らせです。よろしくお願いいたします。春夏秋冬柏真新作の気配と情報が出始めてワクワクドキドキかつ、キャラのリストラなどないか不安に駆られている昨今ですが…そんな中、いつでも、いつまでも柏真が見たい!ということで、『春夏秋冬、柏真の生活のワンシーンを描く』企画を、来年の春にかけて、柏真の森の住人たちでぼちぼちやっていきたいと思っています。(別名:少しでも作品を増やして自給自足の生活を安定させようという企画)
今回は前哨戦、梅雨の季節にちなんで『雨』という漠然としたお題でやってみました。それぞれの住人の世界観の出た作品となっていることと思います。
この企画に関する作品は、『#春夏秋冬柏真』こちらのハッシュタグをつけたものを作品に付与してUPする予定です。普段表現している世界観と続き物の作品、というものだけでなく、実験的な二人であったり、まだこれから発展する世界の二人であったり、さまざまな物語の発端や、試作のようなものもUPされる予定です。どうか温かく見守って頂ければ幸いです。
1978今回は前哨戦、梅雨の季節にちなんで『雨』という漠然としたお題でやってみました。それぞれの住人の世界観の出た作品となっていることと思います。
この企画に関する作品は、『#春夏秋冬柏真』こちらのハッシュタグをつけたものを作品に付与してUPする予定です。普段表現している世界観と続き物の作品、というものだけでなく、実験的な二人であったり、まだこれから発展する世界の二人であったり、さまざまな物語の発端や、試作のようなものもUPされる予定です。どうか温かく見守って頂ければ幸いです。
Rin
MOURNINGクリスマスの日に灰王とカケ王窓の外からハイジさんの声が聞こえる。曇った窓をタオルで拭くと、誰かと話している彼の姿が見えた。窓を開けるとカラカラと軽い音が響く。王子は窓枠に肘を乗せ、その場に腰を下ろす。そこで楽しそうなハイジさんが王子の視線に気づき、チラチラ部屋の方を見て来る。彼は口パクで「かぜをひく、まどをしめろ」とだけ言った。
それもそうだ、と王子はマフラーを巻きコートを着る。今までの笑顔が苦笑いに変わり、ハイジさんは「違う。そうじゃない」とばかり眉をひそめている。早く家に入って欲しい。理由は会話の相手が近所の女子だから、などではない。記念すべきクリスマスの今日、わざわざハイジさんに会いに来たのだろうとか。まさかプレゼントまで渡す気だろうか、とか。決してそういうわけでは。
1281それもそうだ、と王子はマフラーを巻きコートを着る。今までの笑顔が苦笑いに変わり、ハイジさんは「違う。そうじゃない」とばかり眉をひそめている。早く家に入って欲しい。理由は会話の相手が近所の女子だから、などではない。記念すべきクリスマスの今日、わざわざハイジさんに会いに来たのだろうとか。まさかプレゼントまで渡す気だろうか、とか。決してそういうわけでは。
sueki11_pxv
MOURNINGさなぎのつづき、エンディング。ここで一旦完結となります。真島視点から始まります。ここまで長らくのお付き合い、どうも有難うございました。たくさんの絵文字スタンプ、応援絵文字など、どうも有難うございます!大変励みになっております!さなぎのつづき8(終)ずっと見るだけになっていた。この街に沿うように姿を変えていったあの人を。
昔から、あの人を知っている、誰も知らないだろうあの人を知っている、その優越感だけで見るだけになっていた。
人も物も世界も変わっていってしまうけれど、彼の匂い。男っぽいヤニの混じった香り。それを纏うあの人の中身は、何も変わっていなかった。
ずっと昔に自分に情けをかけてくれた、その男らしさのまま自分を探していてくれた。その優しさにもう一度触れることができた。その記憶があるうちは、死んでも幸せな気がする。
事務所に戻ってきた。子分たちが固唾を飲んでこちらの動きを見ている。
組長室で着替えた。経口の痛み止めが効いていない。引き出しから注射器を取り出す。とっておきのモルヒネを打った。
9365昔から、あの人を知っている、誰も知らないだろうあの人を知っている、その優越感だけで見るだけになっていた。
人も物も世界も変わっていってしまうけれど、彼の匂い。男っぽいヤニの混じった香り。それを纏うあの人の中身は、何も変わっていなかった。
ずっと昔に自分に情けをかけてくれた、その男らしさのまま自分を探していてくれた。その優しさにもう一度触れることができた。その記憶があるうちは、死んでも幸せな気がする。
事務所に戻ってきた。子分たちが固唾を飲んでこちらの動きを見ている。
組長室で着替えた。経口の痛み止めが効いていない。引き出しから注射器を取り出す。とっておきのモルヒネを打った。
sueki11_pxv
MAIKINGほぼ没になりそうな文章たち…供養のほうがよかったか。真島視点から始まります。次で終わり。もう少しだけお付き合いください。さなぎのつづき7翌日、目覚めはすこぶる良かった。ホテルの一室、広いベッドで、伸びをする。ここに柏木がいないことは少し寂しかったが、
『俺の女だ。』
咄嗟の嘘だったとしても、その言葉がとても嬉しかった。柏木が、あの夜のことを覚えてくれていたことが嬉しい。自らの手で葬った青年は、柏木の中で生きていた。一人静かに、あの人の心の中であの日の姿で守られていたのかもしれない。
(ほんまもんは、もう…。)
朝のぱっとしない老いた姿が映るたび、鏡をぶち割りたくなる。でも、今朝は今までの死にたくなるような憂鬱はなかったかのように、身体も軽い。この不穏な街の気配にすら、ウキウキしている自分がいる。現金なものだ。
この事件が無事終わったら引っ越ししようかな、とふと思い立った。身軽でいたいが、日常の澱のようにどうしても色々と生活品がたまってしまうのだ。あの部屋も憂鬱な原因だったのかもしれない、と思い、ホテルを数日連泊するよう手続きした。
15493『俺の女だ。』
咄嗟の嘘だったとしても、その言葉がとても嬉しかった。柏木が、あの夜のことを覚えてくれていたことが嬉しい。自らの手で葬った青年は、柏木の中で生きていた。一人静かに、あの人の心の中であの日の姿で守られていたのかもしれない。
(ほんまもんは、もう…。)
朝のぱっとしない老いた姿が映るたび、鏡をぶち割りたくなる。でも、今朝は今までの死にたくなるような憂鬱はなかったかのように、身体も軽い。この不穏な街の気配にすら、ウキウキしている自分がいる。現金なものだ。
この事件が無事終わったら引っ越ししようかな、とふと思い立った。身軽でいたいが、日常の澱のようにどうしても色々と生活品がたまってしまうのだ。あの部屋も憂鬱な原因だったのかもしれない、と思い、ホテルを数日連泊するよう手続きした。
Nui14103_fRee
DOODLE2023/5/5(祝金)の日記。柏餅美味しいっ✨ 「新芽が出るまで葉っぱが落ちない柏の葉から子孫繁栄の縁起を担ぎ、餅を包んで食べる日本のならわし」。柏餅は餅の食感が良いんですよ〜! 他にもよもぎ柏餅、白餡の柏餅と色々種類が増えているらしい。sueki11_pxv
MAIKINGその6。真島が乙女すぎて真島じゃない気がする…けれども、とりあえず、とりあえずは最後まで完成させます。あと二回。さなぎのつづき6風間組事務所。昨夜は夜中遅くまで走りまわっていたのと、衝撃的な事実に向き合うあまり、よく眠れなかった。重い頭を抱えて昼食をとる。いつも通り贔屓の焼き肉屋から出前をとった冷麺をすする。テレビでは、真夜中の首都高で銃撃戦があった、という情報が報道されていた。高速道路に設置されたカメラ、緑がかった白黒映像でカーチェイスの様子を伝えている。横浜方面からの車両を、中国マフィアが銃撃した、とおよそ日本ではないような派手な映像が流れている。逃走する車は警視庁の車両ナンバーのようですが、盗難の恐れもあり、誰が乗っているか不明、とのこと。ただ、捜査関係者の情報からは、捜索願がだされている女の子を誘拐した犯人が乗っている可能性もある、と言われている。まだ会見は開かれていないので、マフィアの抗争かどうか詳細は不明です、と現場レポーターは言う。
15504もちゃ
DONE昨年米津さんが配布した10周年記念壁紙が4月で終わりだったので、自分用に5月のシンウル壁紙カレンダーを描きました。5月、と考えてまず浮かんだのが柏餅を頬張るリピで、1年描くと考えるとリピ単体の方が絵が安定するとは思ったのですが、やっぱり彼を1人にしたくないなという思いが強く、禍特対や外星人たちも描くことにしました。
13日はシンウル公開日です。もう1年…はやいですね。 2
sueki11_pxv
MAIKING5のつづき。同じ章(同じ事件の日)ですが、前回の更新で入りきらなかったところです。柏木、真島の視点で続きます。さなぎのつづき5.5西公園が燃えて、花屋と連絡がつかなくなった。緊急車両のサイレンが落ち着いたと見た頃、様子を見に、事務所を出た。
(これは、本降りかな…。)
宵の口にぽつぽつときていた雨脚が強くなっている、傘をさし西公園へむかう。
西公園の中には、久しぶりに入る。この周辺は嶋野組の取り分のシマも多いため、極力近づかないようにしていた。真島組の事務所があるのも、このあたりであった。相変わらず、日本のものとも思えぬ悪臭が鼻をついた。それに混じり、プラスチックの燃えた化学薬品のような臭いがした。ブルーシートで作られた家も、損傷が見えた。だいぶと酷くやられたようだ。ここいらにいるのは、ただのホームレスではない。元極道や犯罪者、戸籍を持たぬものなど、あの神室町にすら居場所がない人間がここにはいる。普通の極道すら近づかない、といわれているが、地下のシステム含め、ここは日侠連のシマであった。ここに逃げて来る人間をスカウトし、世良はヒットマンに仕立てていた。下手をうち、殺されても誰も文句の言われない人間を見つけるには、うってつけの穴場だった。
10080(これは、本降りかな…。)
宵の口にぽつぽつときていた雨脚が強くなっている、傘をさし西公園へむかう。
西公園の中には、久しぶりに入る。この周辺は嶋野組の取り分のシマも多いため、極力近づかないようにしていた。真島組の事務所があるのも、このあたりであった。相変わらず、日本のものとも思えぬ悪臭が鼻をついた。それに混じり、プラスチックの燃えた化学薬品のような臭いがした。ブルーシートで作られた家も、損傷が見えた。だいぶと酷くやられたようだ。ここいらにいるのは、ただのホームレスではない。元極道や犯罪者、戸籍を持たぬものなど、あの神室町にすら居場所がない人間がここにはいる。普通の極道すら近づかない、といわれているが、地下のシステム含め、ここは日侠連のシマであった。ここに逃げて来る人間をスカウトし、世良はヒットマンに仕立てていた。下手をうち、殺されても誰も文句の言われない人間を見つけるには、うってつけの穴場だった。
sueki11_pxv
MAIKINGさなぎのつづき、その5。後半戦の始まりです。柏木視点、真島視点と続きます。メタ要素が多い…!さなぎのつづき5バッティングセンターに救急車はきていたようだが、はたして誰が運ばれたかはわからなかった。花屋から連絡をうけて周辺を子分を現場に行かせたが、嶋野組の組員が辻で立っていたので近づけない、どうしましょう、と連絡がきた。今はやりあうときではない、と告げた。子分は、バッティングセンター前にいた嶋野組のやつらは、どうも桐生ではなく真島組のやつらを見張っているような気配でした、子供を横取りされた、親父に楯突いただのと喚いていました、と言われ、
「狂犬が、本領発揮してやがるな。」
とつい笑ってしまった。ほかの子分からも連絡がある。救急車とともに警官もきたので一旦離れます、と。桐生は少女を連れて後からでてきたようなので、無事のようだった。
14313「狂犬が、本領発揮してやがるな。」
とつい笑ってしまった。ほかの子分からも連絡がある。救急車とともに警官もきたので一旦離れます、と。桐生は少女を連れて後からでてきたようなので、無事のようだった。