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    sueki11_pxv

    MAIKING5のつづき。同じ章(同じ事件の日)ですが、前回の更新で入りきらなかったところです。柏木、真島の視点で続きます。
    さなぎのつづき5.5西公園が燃えて、花屋と連絡がつかなくなった。緊急車両のサイレンが落ち着いたと見た頃、様子を見に、事務所を出た。

    (これは、本降りかな…。)

    宵の口にぽつぽつときていた雨脚が強くなっている、傘をさし西公園へむかう。

    西公園の中には、久しぶりに入る。この周辺は嶋野組の取り分のシマも多いため、極力近づかないようにしていた。真島組の事務所があるのも、このあたりであった。相変わらず、日本のものとも思えぬ悪臭が鼻をついた。それに混じり、プラスチックの燃えた化学薬品のような臭いがした。ブルーシートで作られた家も、損傷が見えた。だいぶと酷くやられたようだ。ここいらにいるのは、ただのホームレスではない。元極道や犯罪者、戸籍を持たぬものなど、あの神室町にすら居場所がない人間がここにはいる。普通の極道すら近づかない、といわれているが、地下のシステム含め、ここは日侠連のシマであった。ここに逃げて来る人間をスカウトし、世良はヒットマンに仕立てていた。下手をうち、殺されても誰も文句の言われない人間を見つけるには、うってつけの穴場だった。
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