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    独白

    etoeto26

    MOURNING海枯れ前の暁の日記のような独白のような感じです
    文章です
    イメソンはポ…ノ…グ…フィ…のシスターです
    好きな男がいた。
    物心がつくよりもずっと昔、気がついたら隣にいた幼馴染の男を自分は愛しているのだというのに気づいたのがいつかも思い出せないほど、その感情は当たり前に全ての日々に馴染んでいる。当たり前過ぎて想いを伝えることもせず、かといって一番仲の良い友人としての居場所も手放せず一緒にいながら俺の気持ちは常に宙に浮いていた。ただ「一緒にいたいから」という理由で大学まで同じ進路を選ぶなど自分でも人間としてどうかと思うが彼は何も言わずに同じ学校を選んだこと、同じクラスになれたことをその度に喜んでくれていたので俺はその居場所に甘んじていた。甘やかされていたのだ。
    大学卒業後のことを考えていなかったわけではない。むしろそればかり考えていた。今後、自分は彼とどうなりたいのか。どうしたいのか。仕事については敢えて全く違うもの、在学中から趣味が講じて時折賞を貰っていたのもあり物書きになることにした。なるべく一人でできるものを選んだ。そもそも俺は一般的な社会人になれる素養も根性も向上心もない。勉強も彼についていくためにしていただけだ。彼は狙っていた企業の内定をもらったと嬉しそうに報告をしてきたので俺はただおめでとうと返事をした。卒業式の後も二人で初めての酒を飲みお互いの将来のことを祝いながら、一層のこと酔いの勢いに任せれば良いものをついぞ告白することはなかった。十年以上隣の席に執着しておいて自分でも恐れ入る。
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    住めば都

    DONEあくねこ、ハナマル夢(?)
    ※本編2.5章、水龍の唄、ワインフェスティバルの内容に触れています。
    時系列的にはワインフェスティバル8話のあと。イベストを読み返していて感じたことをこねこねしました。捏造過多です。
    独白なので夢と言っていいものかわかりませんが、考えているのは主様のことなので一応夢ということにしておきたい。
    ないものねだり 宛てがわれた宿の一室でベッドに身を横たえたハナマルは、酒精が入ったわりに冴えてしまった目で、ぼうっと天井を眺めた。ついと利き手を天に伸ばす。緩く拳を握ると、掴んでおきたかった大事なものの記憶が脳裏を駆け抜けた。
     感傷的な気分になっているのは、ルカスを相手に過去の話をしたからだろう。まさか中央の大地に、燃え尽きた郷里のことを知っている人間がいるとは思わなかった。
    「百年経てば、か……」
     刺青を消したいと相談したハナマルに、刻まれた印は消えずとも人々の記憶のほうが風化すると、ルカスは言った。確かにそうだとハナマルも思った。
     だが、背に負った龍の意味を知るものがいなくなるのにそれだけ年月がかかるのだとすれば、彼が唯一と定めた主人がハナマルの出自を知る日が、いずれやってくるかもしれない。
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