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    生存

    tako__s

    DOODLE夏のばじふゆ♀
    ・血ハロはあったけど生存してる世界
    (やんわりですが血ハロ描写があります)
    ・泳げないふゆの話
    ・スク水しか持ってないふゆ可愛いっていうだけ
    ・昨年の夏に書いてて、お蔵入りしたんですけど折角なので
    かわいいあの子のプール開きの話更衣室の古さ以上に、人の少なさに驚いた。全体を見回しても人はまばらで、自分を入れても十人もいないのではないだろうか。
    ここにはレジャープールと呼ばれる大きなものに加えて、子供用のプールもある。
    足首程の深さのそれをプールと呼ぶのは些か疑問ではあるが、入っているのは二歳から四歳くらいの子供が三、四人と、その保護者。あの年齢からしたらあれも立派なプールなのだろう。
    一際高い位置にいる、やる気のなさが丸見えの監視員がこちらに視線を向けた時、後ろから声が聞こえた。
    「遅くなってすみません!」
    プールサイド一面に敷かれたシートの上を歩く千冬の足音は小さかった。声がなければ気付かなかったかもしれない。
    更衣室からここに来るまでの途中に設置されたシャワーを浴びたのだろうか。千冬の頭のてっぺんは既にしっとりと濡れている。毛先からぽたり、ぽたりと小さな水滴が落ちてシートに水玉模様を描く。
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    aoitori5d

    DONEローコラ生存If小話。前作『愛を読む』の続きです。
    いのちの名前 そのとき、世界は一瞬だけ時間を止めたのだと思う。
    「ロー……?」
     くすんだ、癖のある金髪に、命を思わせる赤い瞳。記憶にあるよりもすこし痩せて見える身体。太陽を知らない、不健康そうな蒼白い肌。すべてが懐かしく、すべてが真新しい。この人の声はこんなにも力なく頼りなく聞こえただろうか? あいつは自由だと、ほうっておいてやれと兄に向って啖呵をきったあの声は、こんなにもか細く、稚いものだっただろうか。
    「……そうだよ、ローだ、ローだよコラさん……!」
     柔らかなクッションに埋もれるように支えられて寝台から身を起こしていた、その背に腕をまわす。痩せたように見えたのは事実だろうが、それでも腕が回りきることはない。幼い頃はこの背に負ぶわれて短い旅をした。もう遠い過去の記憶のなかの父より倍ほど広い、逞しく温かい背中。以前より筋肉の衰えはあるものの、広さは変わらない。柔らかな綿のシャツの襟ぐりに顔を埋める。すん、と鼻を蠢かせても、香るのは石鹸の優しい甘さだけだ。かつてこのひとに染み込み、一部となっていたニコチンとタールの面影はどこにもない。
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