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    盗賊

    IB6G2_kabe

    DONE【モブブラ】過去ワンライ参加作そのまま(全年齢)
    第14回 「猫」「噛み傷」
    ※盗賊団時代ねつ造
    第14回 「猫」「噛み傷」 俺はこの感情の名前を知っている。

    「そういやボス、この前拾ってきた猫どうするんです?」
     時刻は昼を少し過ぎた頃。比較的暖かな日差しが届く今日は絶好の洗濯日和で、俺は川の水でじゃぶじゃぶ洗った仲間の野郎どもの服をぱんっぱんっと上下に振りながら、首尾はどうかと様子を見にきていたボスに尋ねた。
    「あ? あー、どうも懐いちまったからなあ」
     どうしたもんか、と手近な岩に腰を下ろしてぐるりと首を回す。その拍子にボスの服の一部がきらりと陽光を反射した。蜘蛛の糸か何かだろうか。目を凝らす俺に気づいたのか、服に付いたそれを見つけては「まだここにもついていやがったか」とつまんで落とすボスはしかし満更でもなさそうだ。面倒くさがりつつも魔法で全部落としちまわないところを見るに、それだけ気に入っているのだろう。何せここは男だらけの大所帯で、華もへったくれもありゃしないのだから。加えて北の国は人間はおろか魔法使いにだって平穏に暮らすには厳しい極寒の地。そんな場所じゃふらふらと彷徨っていた猫とて雄雌問わず大層な華になる。
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    オルト

    TRAINING987文字
    盗賊商人のタイカケ
    「カケル、これ……」
     気配なく突然現れたタイガに驚いて、俺は一瞬息を止めた。声のした方を向いてタイガの姿を確認してから、ふぅと息を吐いて呼吸を元に戻す。盗賊として生きてきた彼は、どうにも気配を消す癖がついているらしい。
    「どうしたの、タイガくん」
    「これ、字……読めるか?」
     そう言ってタイガは一冊の本を俺の方に差し出した。分厚い本だ。手に取って開いてみると、可愛らしい挿絵が目に飛び込んできた。本の厚さから学術書の類かと思ったが、表紙や本文の紙が厚いだけで、ページ数はさほどなかった。
    「読めるけど……」
    「内容、難しい?」
    「ううん。簡単だよ」
    「じゃあ、それ使って俺に、文字教えて欲しい」
    「え!」
     真剣な表情だ。物心ついたころから盗賊をしているタイガは、字の読み書きが満足に出来ない。換金表とか、お金の単位とか、盗賊として必要な文字だけは理解しているようだけど、他の文字は全然ダメらしい。以前から俺は盗賊から足を洗おうとしているタイガに、生きていく為に必要だからと文字を教えようとしてきたけど、全然興味を示さなかったタイガが自分から……! なんだか感動して本を手にしたまま思わずタイガを抱きしめた。
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    オルト

    TRAINING696文字
    RPGタイカケ
    盗賊と商人のなんでもない日常
    「おぉ~。今日も大量じゃん」
    「まぁな!」
     得意げな顔で麻袋を差し出すタイガ。俺はそれを受け取って、中身を確認する。
     色とりどりの宝石や、さまざまなアイテム。タイガが戦闘をしたモンスターが落としていったそれらを買い取るのが、俺の最近の日課だ。
     タイガは元々盗賊だったけど、ある剣士に出会ってからは盗みを辞めて自分も剣士になるべく修行を積んでいるのだそう。その際に得たアイテムを俺に売って、そのお金で装備を揃えようと頑張っている。
    「あ~、腹減った」
    「キッチンに食料があるから、好きに食べて良いよ」
    「おう。サンキュ。おめぇは、もう飯食ったの?」
    「いや、まだだけど。そんなに食欲ないし、タイガ好きに食べていいよ、俺は宝石の鑑定してるから」
     その言葉に、さっきまでの表情から一転、タイガは不機嫌そうな表情になった。
    「え、なに?」
    「おめぇも一緒に食え。鑑定、後でいい」
    「でも、一人分しかないし。あー、お肉とかないんだ。パンだけだけど、少しは腹の足しになると思うよ」
     宝石に着いた泥を落としながらそう返すと、タイガは外していた装備品を身に纏始めた。最後に剣を担ぐとドアの方へ向かう。
    「え 727

    ada

    REHABILI盗賊時代のブラネロの話 / 捏造注意 / 身体の関係がある遠い噂で、西の国で絢爛豪華な財宝や金品が展覧されると聞いた。筋は確かな情報のようで、近頃街が色めき立っている。こんな美味い話、頭が聞き漏らす訳もなく作戦は決行された。
     盗むのは自らの手が良いと宣う頭に付き合うのは相棒であるネロの役目だ。招待された者しか入れないというその会場である屋敷に、招かれた客と偽り出向く事になった。
     普段は見てくれから粗暴なのが分かるような男の出立ちだが、今回は仕立て屋で身を整える気の入り様から、潜入すらも楽しんでいる事が分かる。正直、動き易ければ拘りのないネロだが、ブラッドリーは長考し続けネロを着せ替え続けた。
    「よし、いいんじゃねえか」
    「これが駄目でももう着替えねえぞ」
    「なにくたびれてやがる、早えんだよ」
    「俺は今回従者なんだろ? なら別になんだっていいじゃねえか」
    「あのなあ。従者がどんなモン着てるかで主人である俺の程度が分かるだろ」
     従者の装いという事で首が詰まっているのが息苦しい。仕上げと言わんばかりにタイを手際良く締めるブラッドリーはずっと上機嫌だ。
    「よし、あとはお前が俺様に傅きゃ完璧だな」
    「馬鹿言え、やんねえよ」
     頭の機嫌がいいに越し 2630