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    4D

    P/N利き小説企画

    INFOPN利き小説 エントリー作品②
    ※番号は抽選で決定しました
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    PN利き小説 エントリー作品②「二本指のサイン」観客席の中で、唯一人だけが知っていた。
    あの二本立てた指が、ただのVサインではない事を。


    青々と芝生が敷き詰められたフィールドをスパイクが踏み締め、ヘルメットを被った選手達が陣形を組む。
    ハイスクール・フットボールの州大会。そのトーナメント戦がスタジアムで行われていた。現在フィールド上に出ている両校の実力はほぼ互角である。後半戦に突入し、得点も拮抗していた。お互いの高校の生徒やサポーター達が、観客席で固唾を飲んで見守っている。
    「セット、ハット!」
    オフェンスの選手の掛け声を起に、攻撃陣が動き出す。クォーターバックからランニングバックの選手ーージョンにボールが回った。
    相手校の守備を前線のオフェンスの選手が激突する様に食い止め、その隙間を縫うように相手陣地を走り抜ける。そのまま一直線にエンドゾーンを目指すジョンに、後方に控えていたディフェンスバックが迫り来る。そのタックルを既の所で身を翻し素早く躱すと、ジョンのシューズがゴールポスト前の敵陣を踏み締めた。
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