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    ぬら

    ゆきこ

    DOODLEランロイ、ならぬランディとロイドで、しばらく前にアンケートを取らせて頂いた不機嫌な顔をするロイド君の話です。が、上手くまとまりきらなかったうえランロイにならなかったので、そのうちまた今度はちゃんとランロイでリベンジしたいですね(泣)
    なお最後、ちゃんと美味しい夕食にありつけたかは女神のみぞ知る、という事で(^_^;)
    その日。市内をふらふらと彷徨くロイドは珍しく、不機嫌な表情をしていた。
    知り合いに声をかけられれば笑顔を浮かべるものの、ひとりになるとまた眉をひそめてずかずかと歩き出し、やがてやってきたのは西通り。辺りを見回してその事に気づいたロイドは、いつの間にかビルの近くへと戻ってきたのか、とため息をついてくるりと方向を変えると、住宅街に向かって歩き出そうとする。そこへ、聞き覚えのある声がした。

    「よう、ロイド。珍しい顔をしてるな?」
    「……何か用か? オスカー」

    声をかけてきたのはロイドの幼なじみで、この西通りにあるベーカリー《モルジュ》でパン職人をしているオスカーだった。仕事中ではないのか、と少し疑問に思いつつ、幼なじみ相手に取り繕う必要も意味もないか、とロイドがぶっきらぼうに答えれば、苦笑したオスカーにちょっとコーヒーでも飲んでけよ、とモルジュの外のテーブル席につかされる。誰か出てきやしないだろうか、とちらりと支援課ビルの裏口の方角をうかがいつつも、席を立つ事はせず、店内へと入っていったオスカーを律儀に待っていれば、やがて戻ってきた彼が持っていたトレーにはコーヒーとパンが乗せられていて。ぱちりと瞬きをしてその顔を見れば、余りもんだから気にするな、と言われ、小腹も空いていたため、ならばと遠慮なく手を伸ばして頬張り、おいしい、と頬が緩んだところで、それで喧嘩の原因は? と問われて、そんなに分かりやすいだろうか、と思わずぶすっとし。聞いたのはそっちだからな、と前置きしてから、ロイドはたまった鬱憤を晴らすべく口を開いた。
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