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    無双

    somakusanao

    DONE刀剣乱舞Wパロというやつです。とうらぶをやってないとわからないうえ、なぎがほとんど出てこないという、自分の趣味だけを追求した話です。
    おもしろいのかよくわからなくなってきましたが、そこそこ時間をかけたので、晒します。ただの出オチです…。
    他に白髪キャラがいる中、なぜ人間無双なのかと言うと、槍が好きだからです。それだけです。
    「ここでは菫と名乗りなさい。わたくしのことは桔梗と」



     玲王の六つの誕生日。はじめて祖母に会ったときの話だ。
     まだ日も昇らぬ早朝に家を連れ出され、御影で見たことのない黒塗りの車に乗車すること数時間。日が暮れかける頃に、のどかと言えば聞こえがいいが、人のまず通らなそうな山里に到着した。玲王は車をおろされて、ばぁやとも別れ、ひとり門をくぐった。門の向こう側にはすでに迎えが待ちかまえていた。若く、美しい男である。
     御影の子息である玲王はパーティなどで芸能人を見ることは珍しくなかったが、比較するのがおこがましいほど、彼の見目はうつくしかった。まるで神に誂えられたような完璧な造形。重たげな睫毛に縁どられた双眸は青く透き通っている。すっと通った鼻。こづくりなくちびる。玲王が思わず見惚れてしまうと、彼はにっこりと微笑んだ。
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    Satsuki

    DOODLEいつかのどこかのレトユリ。無双のユーリスの支援を噛み締めた。前にもこういう文章書いた気がする。230728
    罵声が飛び、側頭部に衝撃が走った。奥歯を食いしばり、ユーリスは石の飛んできた方を睨みつける。言ってやりたいことが山ほどあった。善人面したクズ共が、一体どんな顔で自分に石を投げているのかと。
    その口で、屋根もない場所に蹲る子どもに、優しい言葉の一つでもかけてやったことがあるか。その手を差し伸べて、パンのひとつでも恵んでやったことがあるのか。
    拘束された両手にかけられた縄を引かれ、ユーリスはよろめくように前に進む。美しい顔に鮮血が伝い、唇を紅く彩っている。眼の前の兵士の無機質な鎧。その背中に、どんなうまい話を持ち掛けてやれば、この場を逃れることができるだろう。なんて、馬鹿げた考えだ。全ては遅すぎる。いや、こうなるのがそもそも遅かったのかもしれない。あの時、教団の司祭を斬り捨てた時。流行病で高熱を出した時。何度も、この命が尽きたと思った。けれど生き延びた。だから少し、思い上がってしまっていたのだろう。そう簡単には、自分は窮地に立たされまいと。そうして辿ってきた道の先で、今は地面を踏みしめて歩く。一歩、一歩、と、死に近付いていく。
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