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    大倶利伽羅

    kuusui

    PROGRESSスープジャーのくりみつ02
    保温できるスープジャーはいいぞ!という番宣の影に匂う現パロ会社員くりみつのお話。大倶利伽羅さん本人は出て来ないので燭台切呼び。続き物で今回は光忠さんと新入り天江戸組のミネストローネと豆乳スープのつけめんのお話。ミーハー水心子君と観察者清麿君。
    ※ スープの具とか味描写が後で書きなおす時に変更される可能性があります。
     清麿は人の観察が好きである。特に水心子のような人の心の観察が好きだ。
     会社で同僚でもある水心子は、純朴だと清麿は思っている。志が高く自分をいつも律していて硬い表情が目につくかもしれない。そして生真面目で気位が高い嫌いもあるが、彼が頑張っている背中を清麿は好んでいる。反面、その中身はとてもミーハーだ。理想の自分であらねばと願うばかりに、それを体現している存在に非常に弱い。
     例えば職場の先輩、燭台切さんがそうだ。入社したばかりで一通りのレクレーションが終わり、同じ部署に運よく水心子と配属された。そこの教育担当として面倒を見てもらっているのが燭台切さんだ。
     最初は頑なだった水心子ではあったものの、彼の性格に合わせて先輩はうまく自分を曲げて接してくれた。そのおかげで今はその背筋の通った格好良さに憧れを抱き、半ば崇拝者のように慕っている。自分ではひそかに気付いているものの、水心子の心にはまだ柔軟性がない。だからそれを持つ先輩に憧れ、慕っているのだろう。自分にないものに対してそれを得たいと憧れ、それに嫉妬するのでなくただ尊敬の念を向ける。それは相手へのリスペクトを感じると清麿は思う。
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    kuusui

    PROGRESSスープジャーのくりみつ01
    保温できるスープジャーはいいぞ!という話の影に匂う現パロ会社員くりみつのお話。大倶利伽羅さん本人は出て来ないので燭台切呼び。続き物で今回は光忠さんと御手杵君と乾燥エビと海苔のおかゆ(中華がゆテイスト)のお話。
     会社には色々な人が集まる。それは仕事が出来る出来ないに関わらず、仕事という山を乗り越えるごとに見えて来る素顔のようなものかもしれない。
     御手杵はこの会社に勤めて数年経っているが、大抵の人とはすぐ打ち解けられる性質を持つ。御手杵自身は大して仕事はできないと思っている。けれど気安く怒られたり、また困った時に拝み倒したりといったことを繰り返すうちに、元々の気質もあってそういうタチになってきたのかもしれない。けれど同じフロアにいる違う部署の二枚目の先輩、燭台切さんとはいまいち馴染めない。
     燭台切さんは美術品のように整った顔を持つ、いわゆるイケメンという奴だ。青鈍色を纏う美しい黒髪がその右目を隠しており、浮世離れした美貌からどこか近寄りがたさを御手杵は勝手に感じてしまう。けれど彼とたまたま目が合ったりすれば、人好きのする顔で気持ちのよいほどよく笑ってくれる。だからきっと普通にいい人なのだと思う。問題はその後だ。
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    lien_lapin

    MOURNINGユイさんに妄想を(勝手に)送っていたランジェリーモデルのんばちゃんとカメラマンの大倶利伽羅くんの話。BGMはポルノの『元素L』大きなスタジオのセットには、ふんだんにオーガンジーの布が閃いている。その中心にあるアンティークな腕置きの付いたソファーには、一人の女性が下着だけの姿で身を横たえている。絶え間なく焚かれるフラッシュと、天井から下げられている布を靡かせるために大きなサーキュレーター、撮影の気分を盛り上げるためだろうゆったりとした音楽だけが空間を埋め尽くしている。
    ランジェリーモデルと言えば昔であれば眉をしかめられそうなものだが、海外のランジェリーモデルの影響もあるのか今では彫刻とも呼べそうな女性の理想を凝縮したプロポーションを維持しているからか憧れの職業になりつつある。彼女たちの生活の一挙手一投足が常に話題の中心になる。
    過去有名アイドルだった山姥切も有名ランジェリーショップの専属モデルの一人だ。アイドル当時からすらりと伸びた陶器肌の手足は話題に上がっていたのだから、アイドル卒業後の進路としては誰もが納得していたのだろう。
    これで6着目の撮影だというのに、疲れた様子を見せないのはさすがというべきか。頭の先からつま先まで、商品をよりよく見せるポーズというのは体幹を鍛えていなければすぐに崩れる。今のポーズの維 4627

    Norskskogkatta

    REHABILI主くり
    帰還予定の時間を過ぎても帰ってこなくて不安がいっぱいの主とその部隊の隊員だった大倶利伽羅
    花冷え 
     
     遠征部隊が最後の帰還連絡から数時間経っても帰ってこない。
     夕方に帰ってくるはずだった第二部隊が夕飯時を過ぎても音沙汰がなく、こちらから隊長に持たせた端末に連絡しても通じない。こんなことは初めてだった。取り乱してはいけないと普段通りに振る舞っていたつもりだが本丸に残っていた面々には筒抜けだった。
     春も間近となって暖かくなってきていたのに花冷えしたのか厚めの上着を羽織らないと肌寒く、ことさら焦燥を掻き立てられる。
     帰ってきた時に主が空腹で倒れていたら怒られてしまうからと宥められて喉を通らないものを少しだけ食べた。その間にも帰還を知らせる鐘や返信はなかった。
     それから玄関を出て待っていようとするのを近侍の蜂須賀に風邪をひくからと引き留められ、とうとう日付を越えようとしていたときだった。帰還を知らせる鐘が鳴る。やっと帰ってきた。
    「みんな無事か!」
     俺が玄関から飛び出したせいできょとんとする面々の中に目を見開いている金色を見つけて心の底から安堵した。安堵してしまったことに、はっとした。
     そんな自分の身勝手な考えに固まっている間に蜂須賀が状況を聞いてくれていた。
     ど 2774

    10ri29tabetai

    DOODLE歌仙+大倶利伽羅(義伝ネタ)/刀剣とん、と置かれた酒瓶からはふわりと甘い匂いが漏れた。まるで叩きつけるように猪口を置く。あんたの力なら壊れてしまうだろう、と喉元まで出かかった言葉を大倶利伽羅は飲み込んだ。

    「…なんのつもりだ」

    「別に。疲労困憊している貴殿を笑いに来ただけさ」

     歌仙兼定はそう言ってと顔を背けながら大倶利伽羅の隣に座る。裏地に花柄があしらわれた外套がひらりと揺れた。

     先の出陣で敵に背後を奪われた大倶利伽羅は背中に傷を負っていた。先ほど手入れ部屋から出てきたばかりであり、戦場を駆け抜けてきた名残がどこかに残っている。

     無理やり猪口を奪うと大倶利伽羅は手酌をしようとする。しかし、歌仙がそれを許さない。一度置いた酒瓶を取り上げると、にんまりと大倶利伽羅に笑いかける。

    「まったく無様な姿だね。一人で戦えるといっておきながらその実手入れ部屋行き。東北の田舎刀は雅じゃないだけじゃなく、学習能力もないと見える」

    「だったら放っておけばいいだろう。わざわざ酒を注ぎに来たのか」

    言って、大倶利伽羅は歌仙が握っていた酒瓶をもぎ取る。歌仙が持ってきたもう一つの猪口に勢いよくそれを注ぐと、透明の液体はあっさ 1743

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    赤疲労になった大倶利伽羅が限界をむかえて主に甘えてキスをねだる話
    お疲れ様のキス

    隊長を任せた大倶利伽羅に後ろから抱きつかれた。報告を聞いて端末に向き直ったら部屋を出て行くもんだと思っていた大倶利伽羅が背後にまわってそのまま座り込み腕が腹に回され今までにない行動にどうすればいいかとっさに判断が出来なかった。
    というかこれ甘えに来てるのか?もしそうならこっちが動いたらさっと離れていくやつか…?
    そう考えが巡って動けずにいると長いため息が聞こえてきた。
    滅多にない疲労をみせる様子に端末を操作すれば、ばっちり赤いマークが付いてた。
    古参になる大倶利伽羅には新入りの打刀たちに戦い方、とくに投石や脇差との連携を指導してもらっている。もとが太刀で刀種変更があってから戦い方を変えざるを得なかった大倶利伽羅だからこそ、言葉は少ないがつまづいた時に欲しい言葉をくれるから上達が早いらしい。
    だからつい大倶利伽羅に新人教育を頼んでしまうことが多かった。それがとうとう限界が来たのかもしれない。管理ができてない自分が情けないが反省は後でするとして、今は珍しく自分から甘えにきた恋びとを労うのが先だろう。
    「大倶利伽羅、ちょっと離してくれ」
    「…………」
    腹に回った腕をぽんぽん 1542

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    徹夜してたら大倶利伽羅が部屋にきた話
    眠気覚ましの生姜葛湯


     徹夜続きでそろそろ眠気覚ましにコーヒーでもいれるかと伸びをしたのと開くはずのない障子が空いたのは同時だった。
    「まだ起きていたのか」
     こんな夜更けに現れたのは呆れたような、怒ったような顔の大倶利伽羅だった。
    「あー、はは……なんで起きてるってわかったんだ」
    「灯りが付いていれば誰だってわかる」
     我が物顔ですたすた入ってきた暗がりに紛れがちな手に湯呑みが乗った盆がある。
    「終わったのか」
    「いやまだ。飲み物でも淹れようかなって」
    「またこーひー、とか言うやつか」
     どうにも刀剣男士には馴染みがなくて受け入れられていないのか、飲もうとすると止められることが多い。
     それもこれも仕事が忙しい時や徹夜をするときに飲むのが多くなるからなのだが審神者は気づかない。
    「あれは胃が荒れるんだろ、これにしておけ」
     湯呑みを審神者の前に置いた。ほわほわと立ち上る湯気に混じってほのかな甘味とじんとする香りがする。
    「これなんだ?」
    「生姜の葛湯だ」
     これまた身体が温まりそうだ、と一口飲むとびりりとした辛味が舌をさした。
    「うお、辛い」
    「眠気覚ましだからな」
     しれっと言 764

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    寒くなってきたのにわざわざ主の部屋まできて布団に潜り込んできた大倶利伽羅
    秋から冬へ、熱を求めて


    ひとりで布団にくるまっていると誰かが部屋へと入ってくる。こんな時間に来るのなんて決まってる。寝たふりをしているとすぐ近くまで来た気配が止まってしまう。ここまできたんなら入ってくれば良いのに、仕方なく布団を持ちあげると潜り込んできて冷えた足をすり寄せてくる。いつも熱いくらいの足を挟んでて温めてやると、ゆっくりと身体の力が抜けていくのがわかる。じわりと同じ温度になっていく足をすり合わせながら抱きしめた。
    「……おやすみ、大倶利伽羅」
    返事は腰に回った腕だった。

    ふ、と意識が浮上する。まだ暗い。しかしからりとした喉が水を欲していた。乾燥してきたからかなと起き上がると大倶利伽羅がうっすらと目蓋を持ち上げる。戦場に身を置くからか隣で動き出すとどうしても起こしてしまう。
    「まだ暗いから寝とけ」
    「……ん、だが」
    頭を撫でれば寝ぼけ半分だったのがあっさりと夢に落ちていった。寝付きの良さにちょっと笑ってから隣の部屋へと移動して簡易的な流しの蛇口を捻る。水を適当なコップに溜めて飲むとするりと落ちていくのがわかった。
    「つめた」
    乾きはなくなったが水の冷たさに目がさえてしまっ 1160

    Norskskogkatta

    MOURNING主くり
    たまには大倶利伽羅と遊ぼうと思ったら返り討ちにあう主
    とりっくおあとりーと


    今日はハロウィンだ。いつのまにか現世の知識をつけた刀たちによって朝から賑やかで飾り付けやら甘い匂いやらが本丸中にちらばっていた。
    いつもよりちょっと豪華な夕飯も終えて、たまには大倶利伽羅と遊ぶのもいいかと思ってあいつの部屋に行くと文机に向かっている黒い背中があった。
    「と、トリックオアトリート!菓子くれなきゃいたずらするぞ」
    「……あんたもはしゃぐことがあるんだな」
    「真面目に返すのやめてくれよ……」
    振り返った大倶利伽羅はいつもの穏やかな顔だった。出鼻を挫かれがっくりと膝をついてしまう。
    「それで、菓子はいるのか」
    「え? ああ、あるならそれもらってもいいか」
    「……そうしたらあんたはどうするんだ」
    「うーん、部屋戻るかお前が許してくれるなら少し話していこうかと思ってるけど」
    ちょっとだけ不服そうな顔をした大倶利伽羅は文机に向き直るとがさがさと音を立てて包みを取り出した。
    「お、クッキーか。小豆とか燭台切とか大量に作ってたな」
    「そうだな」
    そう言いながらリボンを解いてオレンジ色の一枚を取り出す。俺がもらったやつと同じならジャックオランタンのクッキーだ。
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