深海
ミシェルリ
DONE8/18開催灰原の日オンリーイベント『シェリーに口づけ』
サークル:深海ルクスの展示小説です。
カップリング:降志
※カウントダウン企画『Witness』の続きではありますが、単品でも楽しめると思います。
※新蘭・京園も少し含まれています。
※一部コミック、アニメの内容に触れています。
※捏造多めです。みんな20歳越えの女子大生です。
この作品は8/25まで公開中。
『Liquor GIRLS NIGHT』「ちょ……っと、真純!」
「なんだよ、志保姉」
「どういうことなのよ、ボクと個人的に飲みに行こうって言ってたじゃない」
「1対1なんて一言も言ってないだろ」
「謀ったわね……!」
「なーにコソコソ話してんのよ、飲み物決まったの?」
「あ、じゃあボクはオレンジジュース」
「私はモスコー・ミュール……」
「オーケーオーケー。蘭は?」
「じゃあ私はピーチ・アイスティーにしようかな」
「蘭、ほんとそれ好きよね〜。おつまみは園子様に任せなさーい!すいませーん!」
園子が手元の銀のベルをターンと勢いよく叩けば、人の良さそうな若い女主人がにこにことしながら注文を取りに来た。
盛夏。時刻は17時半、杯戸町にて。
園子おすすめのカジュアルな小皿料理居酒屋。店内は木目調の家具で揃えられ、素朴な印象を受ける。切り盛りする女主人の趣味なのか、レトロな雑貨が多い。ピンクの公衆電話、ジュークボックス、壁に貼られた右向きから読むポスターなど。小皿の創作料理が家庭的で美味しく、お酒の種類も豊富。若女将と2人の女性従業員でに切り盛りされている、こじんまりとしたお店。そのテーブル席に4人が収まったのはつい先程だ。
10770「なんだよ、志保姉」
「どういうことなのよ、ボクと個人的に飲みに行こうって言ってたじゃない」
「1対1なんて一言も言ってないだろ」
「謀ったわね……!」
「なーにコソコソ話してんのよ、飲み物決まったの?」
「あ、じゃあボクはオレンジジュース」
「私はモスコー・ミュール……」
「オーケーオーケー。蘭は?」
「じゃあ私はピーチ・アイスティーにしようかな」
「蘭、ほんとそれ好きよね〜。おつまみは園子様に任せなさーい!すいませーん!」
園子が手元の銀のベルをターンと勢いよく叩けば、人の良さそうな若い女主人がにこにことしながら注文を取りに来た。
盛夏。時刻は17時半、杯戸町にて。
園子おすすめのカジュアルな小皿料理居酒屋。店内は木目調の家具で揃えられ、素朴な印象を受ける。切り盛りする女主人の趣味なのか、レトロな雑貨が多い。ピンクの公衆電話、ジュークボックス、壁に貼られた右向きから読むポスターなど。小皿の創作料理が家庭的で美味しく、お酒の種類も豊富。若女将と2人の女性従業員でに切り盛りされている、こじんまりとしたお店。そのテーブル席に4人が収まったのはつい先程だ。
じぇいの字
DONE人魚の恋愛ってエモだなあ…海って広いし深海ってめっちゃ深いよな…愛もきっと深いよな。🐙愛激重そう。あと恋愛下手そう、完全にややこしい男じゃん最高!って爆発して描きました。本当はミステリーが描きたかったけど初マンガで右手が力尽きました無念 17akr5656
DONE轟鳴大地(ゴウメイダイチ)26歳ロックバンドドラム
20220508CoC「誰がロックを殺すのか」HO1
20220625エモクロア「妖精の夜の夢」
20220815エモクロア「ロールシャッハシンドローム」DPC
20220821CoC「仰天遊戯」
20221001CoC「わくわく楽しいパフェ作り体験会」
20221001CoC「深海のノーチラス号」
20230128エモクロア「八尺様」 19
akr5656
DONE志操堅悟(シソウケンゴ)25歳消防士
名前は四字熟語の志操堅固(志や考え・主義などを堅く守り、何があっても変えないさま。)から
20220330「深海のノーチラス号」
20220513「仰天遊戯」
yo_lu26
MENUアズジェイwebオンリー『深海のステラート』2022年8月6日(土) 22:30~翌日22:00展示です。
2022/7/23「契約にゴールデンドロップ」の無配SSに加筆しました。
※夏なので微ホラー。まっっったく怖くはないけどジェイドがアレでヤバめな感じです。ただただ時事ネタをやりたかったので、深く考えずに読んでください。強引にアズジェイにしました。
みゃくみゃく様とオクタヴィネル「みゃくみゃくさま?」
少し発音しづらそうに、アズールはその言葉をゆっくりと声に出した。
「そ。今なんか噂になってるらしーよ」
フロイドがキャンディをがりごりと鋭い歯で削りながら、スマホをタップする。ほら、と見せられた画面には赤くて目玉のついたドーナツの失敗作のような代物が映っていた。
「みゃくみゃく様は、願い事をなんでも叶えてくれるらしいですよ」
話に入ってきたジェイドが、アズールよりもずっと滑らかに発音してみせると勝手にフロイドの見せてきた画面を二本指ですいっと拡大する。広がったその画像は余計に歪で薄気味悪いものになった。
「はっ。対価も無しにか?」
鼻で嗤うアズールはこの話題に取り合う気はない、ということを態度で表していた。現実主義を煮詰めて、合理性を突き詰めるタイプの彼は、こういう類の与太話は時間の無駄だとばかりに切って捨てることが多い。
3684少し発音しづらそうに、アズールはその言葉をゆっくりと声に出した。
「そ。今なんか噂になってるらしーよ」
フロイドがキャンディをがりごりと鋭い歯で削りながら、スマホをタップする。ほら、と見せられた画面には赤くて目玉のついたドーナツの失敗作のような代物が映っていた。
「みゃくみゃく様は、願い事をなんでも叶えてくれるらしいですよ」
話に入ってきたジェイドが、アズールよりもずっと滑らかに発音してみせると勝手にフロイドの見せてきた画面を二本指ですいっと拡大する。広がったその画像は余計に歪で薄気味悪いものになった。
「はっ。対価も無しにか?」
鼻で嗤うアズールはこの話題に取り合う気はない、ということを態度で表していた。現実主義を煮詰めて、合理性を突き詰めるタイプの彼は、こういう類の与太話は時間の無駄だとばかりに切って捨てることが多い。
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MENUアズジェイwebオンリー『深海のステラート』2022年8月6日(土) 22:30~翌日22:00
展示品です。
2022/7/23のアズジェイオンリー「契約にゴールデンドロップ」の無配SSに加筆修正したものです。7月のイベントで頒布したラブレター小説セットに付随する小噺です。
水溶性のラブレターにまつわる後日談 深海にまで熱が届きそうな熱帯夜の午前2時。ピュア・ノワールの封筒の中身は、まだ僕だけしか知らない。
※※※
拝啓 アズール
このような形で僕たちが今までやりとりをすることは滅多にありませんでしたね。でも、今回はどうしても手紙という形で貴方にお伝えしたいことがありまして、筆をとりました。この手紙で、最近の僕の態度についての釈明をさせてください。僕が貴方を避けたり、ミスが増えてきたことを、さぞや訝しく思っていることでしょう。絶対に僕が出るようにと言われていたアズールとの打ち合わせも、代わりにフロイドに行ってもらいましたし、数ヶ月前から約束していた市場調査の約束も僕は当日になって、キャンセルしてしまいました。貴方は、それはもう怒っていましたね。無理もありません。約束を違えることは、信用を失うことですから。結局、市場調査はリドルさんと行かれたのでしたっけ。リドルさんの勉強時間をなんとか少しでも削ろうとする貴方の涙ぐましい努力が伺えて、僕は感服いたしました。行かれたカフェやレストラン、雑貨屋はいかがでしたか?リドルさんとの時間が貴方にとって有意義な時間になっていることを願います。
6019※※※
拝啓 アズール
このような形で僕たちが今までやりとりをすることは滅多にありませんでしたね。でも、今回はどうしても手紙という形で貴方にお伝えしたいことがありまして、筆をとりました。この手紙で、最近の僕の態度についての釈明をさせてください。僕が貴方を避けたり、ミスが増えてきたことを、さぞや訝しく思っていることでしょう。絶対に僕が出るようにと言われていたアズールとの打ち合わせも、代わりにフロイドに行ってもらいましたし、数ヶ月前から約束していた市場調査の約束も僕は当日になって、キャンセルしてしまいました。貴方は、それはもう怒っていましたね。無理もありません。約束を違えることは、信用を失うことですから。結局、市場調査はリドルさんと行かれたのでしたっけ。リドルさんの勉強時間をなんとか少しでも削ろうとする貴方の涙ぐましい努力が伺えて、僕は感服いたしました。行かれたカフェやレストラン、雑貨屋はいかがでしたか?リドルさんとの時間が貴方にとって有意義な時間になっていることを願います。
emmmutian
DONE【奇人向】当小公主独自踏上拯救没用的王子之路风格:童话风
人物:朔间零(魔王)深海奏汰(人鱼)斋宫宗(帝王)日日树涉(王子)逆先夏目(公主)
ooc有 (咒语有参考)
浪漫戏剧社——五奇人限定版 3
くもり
INFO深海CPだよ/ベルチサお借りしました:茅暁(@hnbun_kikaku)
自 宅 :アベル
(敬称略)
暮れぬ暁亡く、明けぬ黄昏無し 店内にかけられた壁掛け時計の短針が文字盤のⅪを指す。時間通りに閉店したはずのペットショップは昼白色の室内灯に照らされて、昼時と同じくらいのにぎやかさが戻っていた。
隅の方で大きな体を小さくして眠っていたアベルも渋々といった様子で身じろぎ、ゆっくりと足を伸ばす。固まった筋肉が少しばかり悲鳴を上げたのでいつも通り、時間をかけて丸めていたからだを伸ばせば室内灯に照らされた鱗が鈍く輝き、同じ色をした長い髪がしゃらりと流れてノンスキッドが敷き詰められた床の上に散らばった。
窓の外を見れば黒と藍を良く混ぜ合わせた空に黄銅鉱を擦って散らしたような星たちが瞬いている。アベルの海の色をした瞳はそんな星あかりなどまるで見えないように嫌悪を映し、涼やかな目元を微かに歪ませた。
859隅の方で大きな体を小さくして眠っていたアベルも渋々といった様子で身じろぎ、ゆっくりと足を伸ばす。固まった筋肉が少しばかり悲鳴を上げたのでいつも通り、時間をかけて丸めていたからだを伸ばせば室内灯に照らされた鱗が鈍く輝き、同じ色をした長い髪がしゃらりと流れてノンスキッドが敷き詰められた床の上に散らばった。
窓の外を見れば黒と藍を良く混ぜ合わせた空に黄銅鉱を擦って散らしたような星たちが瞬いている。アベルの海の色をした瞳はそんな星あかりなどまるで見えないように嫌悪を映し、涼やかな目元を微かに歪ませた。
nmhm_genboku
MOURNING沈黙の深海魚愛を語らうこのお話は九条夏樹がタケミチ以外の人間と言葉を話さない、をコンセプトにした作品です。会話はタケミチと2人の時だけ行い、それ以外は無言でいると思ってください。キャラが嫌いではなく、自分の声が嫌いであるからこその結果だと思ってください。
この話はドラ→夏←エマ主体の、総受けで進みます。
タケミチといる時の夏樹の感覚
声を出さない
タケミチ以外といる時の夏樹の感覚
声を出せない
それでは!以下設定と内容。
九条夏樹(♂)
目線などで全てを終わらせる系男子
タケミチ以外の人間とは喋らないので、現時点声を聞くのは不可能に近い
喧嘩は強い。
魚と虎時空の2人。
あっくん達は九条夏樹マスター
(視線だけで何を言っているのかわかる)
『目線』
8420この話はドラ→夏←エマ主体の、総受けで進みます。
タケミチといる時の夏樹の感覚
声を出さない
タケミチ以外といる時の夏樹の感覚
声を出せない
それでは!以下設定と内容。
九条夏樹(♂)
目線などで全てを終わらせる系男子
タケミチ以外の人間とは喋らないので、現時点声を聞くのは不可能に近い
喧嘩は強い。
魚と虎時空の2人。
あっくん達は九条夏樹マスター
(視線だけで何を言っているのかわかる)
『目線』
nmhm_genboku
MOURNING沈黙の深海魚愛を語らうこのお話は九条夏樹がタケミチ以外の人間と言葉を話さない、をコンセプトにした作品です。会話はタケミチと2人の時だけ行い、それ以外は無言でいると思ってください。キャラが嫌いではなく、自分の声が嫌いであるからこその結果だと思ってください。
この話はドラ→夏←エマ主体の、総受けで進みます。
タケミチといる時の夏樹の感覚
声を出さない
タケミチ以外といる時の夏樹の感覚
声を出せない
それでは!以下設定と内容。
九条夏樹(♂)
目線などで全てを終わらせる系男子
タケミチ以外の人間とは喋らないので、現時点声を聞くのは不可能に近い
喧嘩は強い。
魚と虎時空の2人。
あっくん達は九条夏樹マスター
(視線だけで何を言っているのかわかる)
『目線』
11105この話はドラ→夏←エマ主体の、総受けで進みます。
タケミチといる時の夏樹の感覚
声を出さない
タケミチ以外といる時の夏樹の感覚
声を出せない
それでは!以下設定と内容。
九条夏樹(♂)
目線などで全てを終わらせる系男子
タケミチ以外の人間とは喋らないので、現時点声を聞くのは不可能に近い
喧嘩は強い。
魚と虎時空の2人。
あっくん達は九条夏樹マスター
(視線だけで何を言っているのかわかる)
『目線』
はねた
TRAINING斑奏のここが好き、というポイントを書きました。キャッチミー、イフユーキャン 宴はすでにたけなわだった。
あちらこちらでクラッカーの音がひっきりなしに、壁面には色紙の輪でつくられたテープがいくつもぶらさがり、フライドチキンやポテトの香ばしい匂いがあたりに漂う。
ソファの一角に陣取り、薫はちびちびとコーラをなめていた。目のまえを道化めいた格好の日々樹が過ぎていく。珍しいものだと目をやれば、いつのまにかグラスにちいさな花が添えられていた。サービス精神がすごいよね、と感心しつつ薫は花をテーブルの上に置く。
窓の外はとっぷりと暗い。ガラス越し、談話室の灯が夜の闇をすこしばかり明るませる。
そもそもは八月の終わり、仕事漬けだった夏にすこしでも思い出作りをと、トリックスターが暑気払いもかねての飲み食いを仲間内で企画したのがはじまりだった。それが次第に広まって、結局こうして寮全体でのばか騒ぎとなっている。もちろん揃って多忙の身、なかには都合がつかない者もいるといえ見渡した限りではそれなりに集まりはいい。
3962あちらこちらでクラッカーの音がひっきりなしに、壁面には色紙の輪でつくられたテープがいくつもぶらさがり、フライドチキンやポテトの香ばしい匂いがあたりに漂う。
ソファの一角に陣取り、薫はちびちびとコーラをなめていた。目のまえを道化めいた格好の日々樹が過ぎていく。珍しいものだと目をやれば、いつのまにかグラスにちいさな花が添えられていた。サービス精神がすごいよね、と感心しつつ薫は花をテーブルの上に置く。
窓の外はとっぷりと暗い。ガラス越し、談話室の灯が夜の闇をすこしばかり明るませる。
そもそもは八月の終わり、仕事漬けだった夏にすこしでも思い出作りをと、トリックスターが暑気払いもかねての飲み食いを仲間内で企画したのがはじまりだった。それが次第に広まって、結局こうして寮全体でのばか騒ぎとなっている。もちろん揃って多忙の身、なかには都合がつかない者もいるといえ見渡した限りではそれなりに集まりはいい。
BluePaperCrain
DOODLE深海棲艦戦争という殺し合い・破壊され沈む艦船・痛み・苦しみ・恐怖・絶望の記憶をもとに顕現した存在
あらゆる艦船の撃沈を目的とする
会話や歌のような言葉を発したり、仲間同士で連携めいた行動をとるが、人格は無い
外部からの刺激に対して決められた行動をしているだけである
ネギとキメラ
DONE #kmt夢ワンドロワンライ【ひらり】
🔥×🚺/現パロ/社会人/恋人同士/ネギ作
支部にて公開中の「深海と棘梨」の1年後のお話です。(本作のみでもお楽しみいただけます。)
白昼の白――真っ白い何かが、視界にひらめいた。
「こんにちは~~! 今年も遊びに来ましたぁ~~!」
うら若き乙女もかくやという華やいだ声音で宣言したのは、御年五十を疾うに超えたらしい我が社の社長である。
百六十センチに届くか届かないかという小柄で可愛らしい見た目に反して、中身は社内きっての男前であり、そして我が社の歩く最高意思決定機関なのだ。
「……どうも」
そんな社長の言葉に対して絶妙な間をもって返事を返したその人――キメツ商事の品質管理担当者である冨岡さんは、例によって人目を引くブースゲートの傍らに佇んで、僅かに頭を上下させながらごく短い歓迎の言葉を口にした。
冨岡さんの属するキメツ商事と、パワフルすぎる社長が率いる我が社とは、四年前の今日この日――年に一度催される大規模な化粧品関係の展示会をきっかけとして取引が始まった。
3391「こんにちは~~! 今年も遊びに来ましたぁ~~!」
うら若き乙女もかくやという華やいだ声音で宣言したのは、御年五十を疾うに超えたらしい我が社の社長である。
百六十センチに届くか届かないかという小柄で可愛らしい見た目に反して、中身は社内きっての男前であり、そして我が社の歩く最高意思決定機関なのだ。
「……どうも」
そんな社長の言葉に対して絶妙な間をもって返事を返したその人――キメツ商事の品質管理担当者である冨岡さんは、例によって人目を引くブースゲートの傍らに佇んで、僅かに頭を上下させながらごく短い歓迎の言葉を口にした。
冨岡さんの属するキメツ商事と、パワフルすぎる社長が率いる我が社とは、四年前の今日この日――年に一度催される大規模な化粧品関係の展示会をきっかけとして取引が始まった。
はねた
TRAINING百花のあとの斑さんと奏汰さん。斑奏かなあとおもいつつ自縄自縛片思いが業なので斑さんがそんな感じです。
はながたみ 甘い匂いがする。
陽を浴びて花々は白い。一面に広がる花の色、青空との境もおぼろにかすむ。
あたりはふしぎと凪いでいるから濃密な香りが溜まりこむ。
むせかえる花いきれ、見あげれば秋の空は青く澄んでいる。
花畑にはところどころ窪みができていた。えぐれて掘り起こされた、土のなかに花びらや葉が埋まる。なかには細かくちぎれているものもあって、それらをひとつずつ手でつまむのはなかなか難儀だった。面倒なものだなあ、とぼやきつつ斑はそれらをかたわらのごみ箱に入れてゆく。
草花をとりのぞき、スコップで地面を整える。じょうろで水をやり、花弁についた泥を流す。
ふとその手元、自分のものではない影がさした。
「……どうして君は来ちゃうかなあ」
5181陽を浴びて花々は白い。一面に広がる花の色、青空との境もおぼろにかすむ。
あたりはふしぎと凪いでいるから濃密な香りが溜まりこむ。
むせかえる花いきれ、見あげれば秋の空は青く澄んでいる。
花畑にはところどころ窪みができていた。えぐれて掘り起こされた、土のなかに花びらや葉が埋まる。なかには細かくちぎれているものもあって、それらをひとつずつ手でつまむのはなかなか難儀だった。面倒なものだなあ、とぼやきつつ斑はそれらをかたわらのごみ箱に入れてゆく。
草花をとりのぞき、スコップで地面を整える。じょうろで水をやり、花弁についた泥を流す。
ふとその手元、自分のものではない影がさした。
「……どうして君は来ちゃうかなあ」
はねた
TRAINING!のときの流星隊の3年生と1年生。噴水で泳ぐってどんなきもちかしら、と考えました。
ひとは愛を食べて育つ ひなたの水はすこしぬるい。
日にさらされたせいかどこか古ぼけていて、布越しの肌にゆったりとまとわりつく。
奏汰は池のなかにいる。
学院の中庭にある池だった。円形の水盤のまんなかには噴水があって、細かな飛沫がきらきらと青空を染めていく。
石造りの池の縁に頭をもたせかけ、ぼんやりと奏汰はそのさまを眺める。
耳元でちゃぷちゃぷと水が揺れる。噴水の音が地鳴りのようにそれに重なる。
夏も間近い時分、陽射しがじりじりと髪や首筋を灼く。このままだとひからびてしまいそうだったから、水のなかに顔の半分くらいまでをつけてみる。
みどろの匂いが鼻先をかすめた。
ひとの手によって整えられた水は、懐っこいわりにどこか肌には馴染まない。すくいあげてみても薄紙一枚隔てたように皮膚のうえを滑っていくばかりで、へんな感じだなあと奏汰はおもう。海の水ならもっとしっくりくるのにと、ぱしゃぱしゃと水面をたたいて感触を確かめていると、池のそばを通りがかった生徒がびくりとしてあとずさった。
4892日にさらされたせいかどこか古ぼけていて、布越しの肌にゆったりとまとわりつく。
奏汰は池のなかにいる。
学院の中庭にある池だった。円形の水盤のまんなかには噴水があって、細かな飛沫がきらきらと青空を染めていく。
石造りの池の縁に頭をもたせかけ、ぼんやりと奏汰はそのさまを眺める。
耳元でちゃぷちゃぷと水が揺れる。噴水の音が地鳴りのようにそれに重なる。
夏も間近い時分、陽射しがじりじりと髪や首筋を灼く。このままだとひからびてしまいそうだったから、水のなかに顔の半分くらいまでをつけてみる。
みどろの匂いが鼻先をかすめた。
ひとの手によって整えられた水は、懐っこいわりにどこか肌には馴染まない。すくいあげてみても薄紙一枚隔てたように皮膚のうえを滑っていくばかりで、へんな感じだなあと奏汰はおもう。海の水ならもっとしっくりくるのにと、ぱしゃぱしゃと水面をたたいて感触を確かめていると、池のそばを通りがかった生徒がびくりとしてあとずさった。