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    ご飯

    はるち

    DONEルナカブの戦闘終了台詞を受けて。
    作戦後にご飯を食べるお話。
    Dinner is ready.「ふぁ……疲れたぁ。お前が言ってたことは全部片づけたぞ、もうご飯食べていいか? 今日のメニューはなに?」
     
    「今日は油淋鶏ですよ」
     同じ隊に編成されていた男の言葉に、ルナカブは大いにはしゃいだ。先程まで疲れたと言っていたのが嘘のように明るい表情で、兎のように男の周囲を跳ね回る。
     あれは数えて七つ前の任務の時だった。おれも同行必須ですかあ? とげんなりとした表情で隊列に加わり、はいはい行きますよ、と嘆息して天を仰いでいた。ルナカブが隊長らしく、一生懸命やらないやつに獲物は分けん、と宣言すると、男は苦笑した。
     その態度に反して男は優秀な狩人で、そして料理人だった。ルナカブは調理といえば焼く、といった素朴なものしか知らなかったが、男はそれらを魔術のように組み合わせて奇跡的な料理を作っていた。男が現れる時の食堂が祝祭のように沸き立つのも納得だ、とルナカブは男特製の、赤くてたっぷり肉とトマトの入ったもの――ミートソーススパゲッティ、というらしい――を食べながら深く頷いた。こんなにおいしいものは、エクシア達が言う「パーティ」に参加したときに食べた植物の種を爆発させてできた丸いやつや、甘くてなめらかなミルクのふわふわしか――いや、それよりもっと美味しいかもしれない。
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