noa/ノア
DOODLE[Fengqing] 1111の日なので、ポッキーゲーム(らしきもの)をする风情。よくわかっていない武神二人がポリポリしてるだけ。
(よくわかってる武神も約一名いますが)
#Fengqing
1111の日「つまり……」
腕組みをした慕情が、厳かな顔で口を開いた。
「この細長い菓子を両端から同時に二人で食べる遊戯、とそういうことか?」
「あ、ああ」風信が頷く。
「……やってみるか」
「……そうだな」
数百年も生きていると、目新しいことというのはなかなか巡り会えない。向かい合いながら、不思議と二人とも「やってみても良いかもしれない」という気になったのだ――俗に「魔が差した」とも言うが。
「だがしかし」
慕情がチョコレートのかかった長細い一本を袋から取り出す。慕情の長い指に弄ばれていると、それはまるでスーパーの駄菓子ではなく、貴人の髪を結う櫛のように見えるから不思議だ。
「いくらお前の口がでかいといっても、この長いものの両端をいちどきに口に含むのは容易ではないのではないか?」
2288腕組みをした慕情が、厳かな顔で口を開いた。
「この細長い菓子を両端から同時に二人で食べる遊戯、とそういうことか?」
「あ、ああ」風信が頷く。
「……やってみるか」
「……そうだな」
数百年も生きていると、目新しいことというのはなかなか巡り会えない。向かい合いながら、不思議と二人とも「やってみても良いかもしれない」という気になったのだ――俗に「魔が差した」とも言うが。
「だがしかし」
慕情がチョコレートのかかった長細い一本を袋から取り出す。慕情の長い指に弄ばれていると、それはまるでスーパーの駄菓子ではなく、貴人の髪を結う櫛のように見えるから不思議だ。
「いくらお前の口がでかいといっても、この長いものの両端をいちどきに口に含むのは容易ではないのではないか?」
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MAIKINGX相互·雪さんのお話(https://x.com/yukigafutteruyo/status/1854816266617602171?t=SnrnXz61AfN6H9Nr-3Y0iw&s=19)の一場面のラフ正座花城🦊あざとカワイイ反省スタイル
noa/ノア
DOODLE[風信&南風✈️]いい…ぱいの日と聞いたので、パイロット風信&南風が🍎パイを食べるだけの現代AU。……あ、そのパイじゃない?
とりあえず、ぱいがいっぱい出てきます。
ぱいがいっぱい それにしても、キツいフライトだった。
降り注ぐシャワーの湯を浴びながら、風信はため息をついた。
数時間のフライトなのに、予想外の天候変化に乱気流に捕まること二回。ご丁寧に着陸間際にバードストライクまで。
だが、それほど機体も揺らさず、事故にもならず、安全にフライトをこなした自分を褒めたい。安全牌を適切に選んで無難に平穏なフライトをこなすのがどんなに難しいことか。だが、何事もなければ、何も起きなかったことを感謝されたりはしないのだ。事故を切り抜ければ英雄扱いされるのに、なんていう考えが頭をよぎることがあるなんて絶対に言えないが。
降りる乗客達は感謝こそしないが、忌々しげにちらりと見ていく乗客はいる。乱気流は俺のせいじゃない、と言いたい心をぐっと堪えるほかない。
2269降り注ぐシャワーの湯を浴びながら、風信はため息をついた。
数時間のフライトなのに、予想外の天候変化に乱気流に捕まること二回。ご丁寧に着陸間際にバードストライクまで。
だが、それほど機体も揺らさず、事故にもならず、安全にフライトをこなした自分を褒めたい。安全牌を適切に選んで無難に平穏なフライトをこなすのがどんなに難しいことか。だが、何事もなければ、何も起きなかったことを感謝されたりはしないのだ。事故を切り抜ければ英雄扱いされるのに、なんていう考えが頭をよぎることがあるなんて絶対に言えないが。
降りる乗客達は感謝こそしないが、忌々しげにちらりと見ていく乗客はいる。乱気流は俺のせいじゃない、と言いたい心をぐっと堪えるほかない。
noa/ノア
DOODLE妖魔慕情のいるフォンチンSSいちおうハロウィン風味。
仙楽妖魔むーちんにやられて、即興で書きました。
あの日の妖魔 ここはどこだろう。
ぼんやりとしていた視界が次第にはっきりとしてくる。慕情は目を瞬いた。
少し薄暗い室内に、窓から差し込む光。その窓の外には大きな楓が風に葉を揺らしている。
何百年もの時を隔てても忘れることのない部屋。殿下につき従っていたころの控えの間。
「懐かしいな」
不意に後ろから声が聞こえて慕情はさっと振り返る。この部屋の思い出とともにあったといっても差支えないであろう人物――。
「風信、いったい――」
だがそこで慕情の言葉が途切れた。その視線が自らに落ちる。
その身を包んでいるのは、いつもの自分の衣ではなかった。
烏が如き真っ黒な布地。腕の袖口を縛るのは濃い緑色の布。同じ色の帯が腰を囲み、その下には鎖のような装飾が弧を描く。
2130ぼんやりとしていた視界が次第にはっきりとしてくる。慕情は目を瞬いた。
少し薄暗い室内に、窓から差し込む光。その窓の外には大きな楓が風に葉を揺らしている。
何百年もの時を隔てても忘れることのない部屋。殿下につき従っていたころの控えの間。
「懐かしいな」
不意に後ろから声が聞こえて慕情はさっと振り返る。この部屋の思い出とともにあったといっても差支えないであろう人物――。
「風信、いったい――」
だがそこで慕情の言葉が途切れた。その視線が自らに落ちる。
その身を包んでいるのは、いつもの自分の衣ではなかった。
烏が如き真っ黒な布地。腕の袖口を縛るのは濃い緑色の布。同じ色の帯が腰を囲み、その下には鎖のような装飾が弧を描く。
noa/ノア
DONE[風信&南風] 南風の傷の手当をしながら話をする風信と南風。(カプなし)具体的な未邦訳ネタバレはないですが、過去編に思いを馳せながら書いてます。
風信と南風「待て、南風」
報告を済ませて部屋を出て行こうとしていた南風の背が、風信の声にぎくりと固まる。
「腕をどうした」
「いえ、何も……たいしたことじゃありません」
南風は振り返りながら腕にさっと手をやった。
南風の左側の二の腕、ちょうど中衣の短い袖に隠れるあたりだったが、机の前に座っていた風信の位置からはそこの衣が裂け血が滲んでいるのが見えた。
「座りなさい」
風信が言うと南風は眉間に皺を寄せ、小さく首を振った。
「大丈夫です。医官にでもみてもらいますので」
「たいしたことないんじゃなかったのか?」
風信が小さく笑うと、南風は眉間の皺をさらに深くしながらも、のろのろと戻ってきて座った。
「あの、本当に大丈夫ですから」
3149報告を済ませて部屋を出て行こうとしていた南風の背が、風信の声にぎくりと固まる。
「腕をどうした」
「いえ、何も……たいしたことじゃありません」
南風は振り返りながら腕にさっと手をやった。
南風の左側の二の腕、ちょうど中衣の短い袖に隠れるあたりだったが、机の前に座っていた風信の位置からはそこの衣が裂け血が滲んでいるのが見えた。
「座りなさい」
風信が言うと南風は眉間に皺を寄せ、小さく首を振った。
「大丈夫です。医官にでもみてもらいますので」
「たいしたことないんじゃなかったのか?」
風信が小さく笑うと、南風は眉間の皺をさらに深くしながらも、のろのろと戻ってきて座った。
「あの、本当に大丈夫ですから」
noa/ノア
DONE[FengQing] 中秋の満月の光のもと、初めて口づけを交わす風信と慕情。月の雫 これほど月の光が似合う顔を、風信は他に知らない。
窓から差し込む満月の光が、目の前の白い肌を照らす。そのすらりとした鼻梁、細いが意志の強い眉、そして、長く密度のある睫毛が縁どる双眸。
陽の光より冷たく淡い光が、それらに遠慮がちな陰影をつくる。どんな神像でも叶わないその美しさに溜息をつきたくなる。
だが、二人の間の空気は弓の弦のように張り詰めていた。
微かな息が掠めるほど顔を近づけ合って、二人がすることと言えば、いつものように舌戦を繰り広げるか、それとも――。
おそらく前者ではないとわかっていながらも、風信は身を固くすることしかできない。
何故なら――
他人と唇をくっつけるなんて気色の悪い――そう言い捨てた目の前の人物に思い切り跳ね除けられ、壁にヒビが入るほど背をぶつけて痛い思いをしたのは記憶に新しいからだ。
4404窓から差し込む満月の光が、目の前の白い肌を照らす。そのすらりとした鼻梁、細いが意志の強い眉、そして、長く密度のある睫毛が縁どる双眸。
陽の光より冷たく淡い光が、それらに遠慮がちな陰影をつくる。どんな神像でも叶わないその美しさに溜息をつきたくなる。
だが、二人の間の空気は弓の弦のように張り詰めていた。
微かな息が掠めるほど顔を近づけ合って、二人がすることと言えば、いつものように舌戦を繰り広げるか、それとも――。
おそらく前者ではないとわかっていながらも、風信は身を固くすることしかできない。
何故なら――
他人と唇をくっつけるなんて気色の悪い――そう言い捨てた目の前の人物に思い切り跳ね除けられ、壁にヒビが入るほど背をぶつけて痛い思いをしたのは記憶に新しいからだ。
noa/ノア
DONE[FengQing] 69さんの「風信ぬいを丁寧に揉み洗いして逆さづりで干す慕情」を書かせていただきました。揉まれて干されて「なんだあれは?」
任務を終えて村はずれの街道を歩いていた慕情は、道端に何か落ちていることに気づいて足を止めた。
「人形?」
拾い上げたそれは、布で作られていて、丸っこい頭に、頭と同じくらいの高さの小さな体がついている。慕情は手の中のそれをまじまじと見つめた。その姿にどことなく見覚えがあったからだ。
「……風信?」
ぐっと引き結んだ口。くりっと大きな目と太めの眉。衣装もちゃんと風信の茶色の着物に赤い胸当てと、見慣れた姿をしている。
だれかの落とし物だろうか。だが、すでにそこに持ち主の気は感じられない。泥や砂ぼこりで汚れた見た目からしても、随分長いことそこに打ち捨てられていたのだろう。よく見ると、荷車にでもひかれたのか片脚がつぶれ黒く汚れている。
2297任務を終えて村はずれの街道を歩いていた慕情は、道端に何か落ちていることに気づいて足を止めた。
「人形?」
拾い上げたそれは、布で作られていて、丸っこい頭に、頭と同じくらいの高さの小さな体がついている。慕情は手の中のそれをまじまじと見つめた。その姿にどことなく見覚えがあったからだ。
「……風信?」
ぐっと引き結んだ口。くりっと大きな目と太めの眉。衣装もちゃんと風信の茶色の着物に赤い胸当てと、見慣れた姿をしている。
だれかの落とし物だろうか。だが、すでにそこに持ち主の気は感じられない。泥や砂ぼこりで汚れた見た目からしても、随分長いことそこに打ち捨てられていたのだろう。よく見ると、荷車にでもひかれたのか片脚がつぶれ黒く汚れている。
noa/ノア
DONE[FengQing]Twitter/Xに上げてたやつ。謝憐にお薬を渡す時の慕情の「ん−っ」が良いという話になったので、色々なシーンを妄想してみた落書き。
文字では上手く表現出来なかったので、各自アニメむーちんの声で再生して下さい🙏
愛しき唸り声 静かなのに横柄なその足音が近づいて来たかと思うと、がらりと風信の執務部屋の扉が開いた。
「慕情、なんの用……」
「ンっ」
顔を上げた途端に、鼻先に巻紙を突きつけられ、風信は思わず顔を引きながら受け取る。
「この間の件の報告書だ。大筋はまとめておいたから、お前の方で書き足して提出しろ」
腕組みをし、窓の外を見ながら慕情が言う。
「もう出来たのか」
「お前に任せたら三百年はかかるからな」
当てつけがましい言葉は無視し、風信は巻紙を机に置いた。
「ああ、そういえばさっき殿下から受け取ったんだが、お前と分けろと……」
机の上の雑多な山をかき分け、箱を取り出す。
「何だそれは?」
慕情が警戒心もあらわに聞く。
「知らん。俺もまだ開けてない」
2124「慕情、なんの用……」
「ンっ」
顔を上げた途端に、鼻先に巻紙を突きつけられ、風信は思わず顔を引きながら受け取る。
「この間の件の報告書だ。大筋はまとめておいたから、お前の方で書き足して提出しろ」
腕組みをし、窓の外を見ながら慕情が言う。
「もう出来たのか」
「お前に任せたら三百年はかかるからな」
当てつけがましい言葉は無視し、風信は巻紙を机に置いた。
「ああ、そういえばさっき殿下から受け取ったんだが、お前と分けろと……」
机の上の雑多な山をかき分け、箱を取り出す。
「何だそれは?」
慕情が警戒心もあらわに聞く。
「知らん。俺もまだ開けてない」
ryo-t
DOODLE【香炉の夢】2024.9.3.⚠️殿下の女相あり⚠️花城の幼児姿あり⚠️全年齢向け
人を癒す不思議な香炉。
三郎の夢に迷い込んだ謝憐が見たものは?
私の見た幻覚なので、たまたまお好みに合えば幸いです。
とりあえずアップします。今後微調整があるかと思います。
感想いただけたら大変励みになります😊 23
noa/ノア
DONE[FengQing]神官が下界で暮らすようになった世界のFengQing現代AU。※未邦訳ネタバレなし
(未邦訳部分まだ全部読み終わっていないので、似たような展開があったらすみません)
神は何処に「それ、全部食べるのか?」
隣から投げかけられた玄真将軍の氷のように冷たい視線から護るように、風信はハンバーガーとポテトののったトレーを腕で引き寄せた。
「悪いか? 腹が減ったんだ。あんなに歩いたから」
風信のいつもの服装をみかねた慕情に街へ連れ出されて歩くこと数時間。
店から店へ、あっちの売り場からこっちの売り場へ。
風信も店に服を買いに行ったこともあるが、あまりに多すぎて何がなんだかわからなくなり、何も買わずに疲労だけ持って帰るのが常だった。
物心ついてからこれまでずっと、与えられた服、決まった数着を着ていればよかったのに。
だから慕情が見繕ってくれるとなって風信の心は踊ったが、しかしそれは思った以上にハードだった。
2915隣から投げかけられた玄真将軍の氷のように冷たい視線から護るように、風信はハンバーガーとポテトののったトレーを腕で引き寄せた。
「悪いか? 腹が減ったんだ。あんなに歩いたから」
風信のいつもの服装をみかねた慕情に街へ連れ出されて歩くこと数時間。
店から店へ、あっちの売り場からこっちの売り場へ。
風信も店に服を買いに行ったこともあるが、あまりに多すぎて何がなんだかわからなくなり、何も買わずに疲労だけ持って帰るのが常だった。
物心ついてからこれまでずっと、与えられた服、決まった数着を着ていればよかったのに。
だから慕情が見繕ってくれるとなって風信の心は踊ったが、しかしそれは思った以上にハードだった。
noa/ノア
DONE[FengQing]FengQingWeek2024のDay2のお題「Body Swap(入れ替わり)」を使わせていただきました。その術を使って同時に法力を交換すると、相手の能力も得られる、という術を試してみる二人です。
※ご都合主義と捏造満載です。
Body Swap「で、なんで俺たちなんだ?」
怪訝な顔をする風信に、慕情も不満げな表情を隠さない。
「帝君曰く、この術は力が強く法力も強い武神で試さないといけないらしい」
「それなら他にもいるだろ。裴将軍とか泰華殿下とか……」
「知らん! 帝君曰く、大体同じくらいの力で、その……気心が知れてる者同士がいいらしい」
後半部分に関して、帝君の認識ににわかに不安を抱いた風信は眉尻を下げた。
「き、危険はないんだろうな……?」
「私に聞くな! 帝君曰く……」不本意さを強調するかのように慕情は三たび繰り返す。「おそらくそれ程危険な事態にはならないだろうと」
「おそらく……それほど?」
「なんだその情けない顔は。とりあえず命令だ。さっさと片付けるぞ」
4273怪訝な顔をする風信に、慕情も不満げな表情を隠さない。
「帝君曰く、この術は力が強く法力も強い武神で試さないといけないらしい」
「それなら他にもいるだろ。裴将軍とか泰華殿下とか……」
「知らん! 帝君曰く、大体同じくらいの力で、その……気心が知れてる者同士がいいらしい」
後半部分に関して、帝君の認識ににわかに不安を抱いた風信は眉尻を下げた。
「き、危険はないんだろうな……?」
「私に聞くな! 帝君曰く……」不本意さを強調するかのように慕情は三たび繰り返す。「おそらくそれ程危険な事態にはならないだろうと」
「おそらく……それほど?」
「なんだその情けない顔は。とりあえず命令だ。さっさと片付けるぞ」
riku
MOURNINGラジドラのおだんご花城衣はわからなかったので妄想です笑
傘とか骨何本?ってなぐらい適当ですみません…
とりあえずおだんご花城が描きたくて!!
アップは充電5%で描いたもんだから…供養です🙏 2
noa/ノア
DONE[FengQing]花怜のアイスクリームCMが可愛かったので、風情の二人にも食べてみてもらいました。玄真将軍の舐め方がやけに色っぽくて困る風信がいるだけで、特に中身はありません。
※二人は神官ですが、地上は現代っぽいです。設定は適当です。
アイスクリーム「慕情」
自室での執務中、突然背後から聞こえた声に、慕情は筆を止めて溜息をついた。
「風信、なんだ。今忙しいのだが」
「ちょっと聞きたい事があるんだが」
「何だ? 用なら通霊で言えばいいだろう? 通霊では言えないようなことか?」
背を向けたまま慕情が尋ねるが、答えが返って来ない。
仕方なく振り返ると、部屋の入口に、風信が目を泳がせながら立っていた。
「なんだ。さっさと言え。私はお前と違って暇ではない」
いつもならこんな売り言葉でも食いついてくるところだが、今日は違うらしい。
「通霊で言えないような大事か? いったい……」
慕情の表情が怪訝になる。
風信は意を決したように口を開いた。
「ア……アイスクリームというのを知ってるか?!」
4775自室での執務中、突然背後から聞こえた声に、慕情は筆を止めて溜息をついた。
「風信、なんだ。今忙しいのだが」
「ちょっと聞きたい事があるんだが」
「何だ? 用なら通霊で言えばいいだろう? 通霊では言えないようなことか?」
背を向けたまま慕情が尋ねるが、答えが返って来ない。
仕方なく振り返ると、部屋の入口に、風信が目を泳がせながら立っていた。
「なんだ。さっさと言え。私はお前と違って暇ではない」
いつもならこんな売り言葉でも食いついてくるところだが、今日は違うらしい。
「通霊で言えないような大事か? いったい……」
慕情の表情が怪訝になる。
風信は意を決したように口を開いた。
「ア……アイスクリームというのを知ってるか?!」
noa/ノア
DONE[FengQing]映画ホビットで弓を折られた射手が息子の肩を借りて矢を射るシーンが大好きなので、風情にもやってほしくて書いてみました。慕情が風信の弓の一部になるという…弓 炎がすべてを焼き尽くしていく。
山を、町を、人々を。
黒煙に覆われた空に、黒光りする竜が長い体をくねらせる。その口から吐き出された炎が嘲笑うように大切なものたちを焼くのを、人々は身を振るわせて見ていることしかできない。
嗚呼、神よ、助けてくれ!
その幾千もの悲痛な叫びに呼ばれ降り立った神官たちも、竜の強大な力の前に散っていった。
もうだめだ―人々の心に絶望が広がったその時―
ひと際大きな雷鳴が響き、真っ黒な空を明るく照らすほどの稲妻が二本、空を走った。
その光の中、降りてくる二つの姿を見たのは国師達だけだったが、人々も思わず空を仰ぎ見る。
ひと際高い屋根の上に降り立った風信と慕情は、目を合わせて無言で一つ頷くと、身を翻して二手に分かれた。
2683山を、町を、人々を。
黒煙に覆われた空に、黒光りする竜が長い体をくねらせる。その口から吐き出された炎が嘲笑うように大切なものたちを焼くのを、人々は身を振るわせて見ていることしかできない。
嗚呼、神よ、助けてくれ!
その幾千もの悲痛な叫びに呼ばれ降り立った神官たちも、竜の強大な力の前に散っていった。
もうだめだ―人々の心に絶望が広がったその時―
ひと際大きな雷鳴が響き、真っ黒な空を明るく照らすほどの稲妻が二本、空を走った。
その光の中、降りてくる二つの姿を見たのは国師達だけだったが、人々も思わず空を仰ぎ見る。
ひと際高い屋根の上に降り立った風信と慕情は、目を合わせて無言で一つ頷くと、身を翻して二手に分かれた。
noa/ノア
DONE[仙楽トリオ]ハグの日というのを聞いて即興で書いた仙楽トリオ(遅刻)まだ原作読み終わってないけれど、すべて終わったあとの三人にこんな時間があってほしい。
[ハグの日] 仙楽三角「風信、慕情」
呼びかけた声に左右の姿が反応する。
君たちがいてくれて良かったと二人の肩に腕を回したあの時の感触を、幾百年たっても謝憐は忘れはしなかった。
謝憐の率直な言葉に、片方は体を揺らして笑い、もう片方は身を硬くして呆れた。
あの頃は、謝憐を頂点にして、そこから伸びる辺の先にはいつもこの二人がいた。三人を繋ぐ三角は、時に鋭角に尖り、時に鈍角に緩み、それでも常に離れることはなかった。
だが、二人の肩を抱いたあの感触を思い出す時、一緒に思い出すのは、あの後の苦しみと悲しみの記憶。
狂い始めた歯車はもとに戻ることなく、歪み、崩れ、離れていった。
時に相手を支える腕を伸ばすのを拒み、また時に、伸ばされた腕を取るのを拒み突き放した。どうしてこうなってしまったのかと問うても、答えはもう三人の間にはなかった。
1284呼びかけた声に左右の姿が反応する。
君たちがいてくれて良かったと二人の肩に腕を回したあの時の感触を、幾百年たっても謝憐は忘れはしなかった。
謝憐の率直な言葉に、片方は体を揺らして笑い、もう片方は身を硬くして呆れた。
あの頃は、謝憐を頂点にして、そこから伸びる辺の先にはいつもこの二人がいた。三人を繋ぐ三角は、時に鋭角に尖り、時に鈍角に緩み、それでも常に離れることはなかった。
だが、二人の肩を抱いたあの感触を思い出す時、一緒に思い出すのは、あの後の苦しみと悲しみの記憶。
狂い始めた歯車はもとに戻ることなく、歪み、崩れ、離れていった。
時に相手を支える腕を伸ばすのを拒み、また時に、伸ばされた腕を取るのを拒み突き放した。どうしてこうなってしまったのかと問うても、答えはもう三人の間にはなかった。