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    現代パロディの略称。

    phnoch

    DONE10/8まだまだ叫信のペーパーラリー企画に参加したお話です。
    はんぺ~た坊ちゃまとボディガードのたなかくんが節分の豆まきをします(季節感の死)
    坊ちゃまがたなかくんのことを犬として扱ってたりちょっと性の目覚めがあったりします。助けてください。
    鬼がくるいつもと同じ能天気な音でチャイムが鳴って、本日の授業はおしまいになってしまった。いつものようにお支度をして、お帰りの会をして、ご挨拶をして、帰らなくてはならない。帰りたくないのに。いつもと違って、家になんか全然、これっぽっちも帰りたくなかった。
    二月三日だ。国語のノートにも、算数のノートにも、連絡帳にも2/3と書いた。給食には小袋入りの炒り豆がついてきた。生活科では行事と節句について習った。今日が二月三日であることは、どう足掻いても変えられない決定事項であるらしかった。
    古い家柄のせいもあってか、武市家は年中行事を疎かにしない家である。姉の八段飾りは雛祭りが終われば速やかに片付けられるし、端午の節句が近づけば五月人形だけでなく本物の鎧兜まで蔵から出てきて飾られる。当然、節分ともなれば、一家総出でまくのだ、豆を。今朝、升に入った福豆が神棚にお供えされていたのも確認済みだ(どこからか美味しいお菓子をいただくとまず神棚にお供えされるので、半平太にはしょっちゅう神棚を確認する習慣があった)。
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    ポイピクミッシェルさん

    DONE月イチ企画の第七弾です。

    サイチくんが一人で🚬吸ってるだけのお話です🤭
    2023年7月 パンツごわごわ あー、煙草吸いたい。
     普段はあんまりそんなこと思わないのに急にそれはやってきた。なんだかすごく煙草が吸いたかった。俺は隣で眠る尾形を起こさないようにそっとベッドから抜け出した。

     尾形は多分、俺のことがすごく、すごーく好きなんだけど基本態度には出ないから。だから今も俺に背を向けて眠っていた。それがたまに無性に淋しいと思う時もあるけど今はそれがありがたかった。尾形に一ミリも怪しまれず俺は立ち上がり、真っ暗な部屋の中から脱ぎ捨てたシャツとパンツとズボンをかき集め、玄関先でそれを着て、スニーカーを履いて外へ出た。


     今日は夕方に雨が少し降ってアスファルトが冷めて、だから外へ出ても昼間の暑さが和らいでいた。ちょっとだけ涼しくて俺は嬉しくなった。俺のアパートの階段は鉄でできているから歩くとカンカンと音がする。ズボンの右ポケットに入っているスマホをチラッと見たら午前二時で。俺の部屋から階段までは距離があるけどもしかして、ひょっとしたら足音で尾形が起きてしまうかも。時間も時間だし、俺はゆっくり、踵から柔らかく一段ずつ踏みしめながら階段を下りた。
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