しろ🐾
DONE🐑🔮冬眠をする🐻と🐈ワンドロの練習に加筆
お題『君を教えて』https://shindanmaker.com/978430
君を教えて 毎年毎年、寒くて憂鬱なだけだった冬が、最近好きになってきた。
一月に入って、三度目の買い出しから帰ってきて、家の主の為に貯蔵庫に日持ちのする食べ物を仕舞っていく。
「浮奇、帰ってきてたのか」
「ただいま、ふぅふぅちゃん」
のそりと自分の部屋から顔を出した家の主とは、何年か前に勤めていたカフェで会った人だった。コーヒーショップなのに、種類の少ないハーブティばかり頼むから、ちょっとだけ気になっていた。彼が読んでいる本が面白そうで、つい横目に見ていたら、目が合ってしまって、そこから時々話すようになった。
や、半分嘘かも。
顔と身体が格好良かったからちらちら見てたっていうのも、ちょっと――結構、ある。
「燻製も、木の実も、大体いるものは揃ったと思うよ」
2702一月に入って、三度目の買い出しから帰ってきて、家の主の為に貯蔵庫に日持ちのする食べ物を仕舞っていく。
「浮奇、帰ってきてたのか」
「ただいま、ふぅふぅちゃん」
のそりと自分の部屋から顔を出した家の主とは、何年か前に勤めていたカフェで会った人だった。コーヒーショップなのに、種類の少ないハーブティばかり頼むから、ちょっとだけ気になっていた。彼が読んでいる本が面白そうで、つい横目に見ていたら、目が合ってしまって、そこから時々話すようになった。
や、半分嘘かも。
顔と身体が格好良かったからちらちら見てたっていうのも、ちょっと――結構、ある。
「燻製も、木の実も、大体いるものは揃ったと思うよ」
途綺*
DONE🐑🔮//優しい瞳に満ちる狼男の🐑の話。ドッゴがたくさん出てきます。作中の🐑はほとんど狼です。
ふーふーちゃんには月に一度、
どこかへ出掛ける『特別な夜』がある。
定期的に訪れるその夜は彼曰く、義肢のメンテナンスを依頼しているらしい。欠かさずに行くドッゴの夜の散歩を俺に任せて、いつも日が昇る頃にようやく帰ってくる。家の周りはあまり人の気配も多くない穏やかで治安の良い地域なのに、彼は絶対に俺が夜に独りで出歩くことは許してくれない。だから散歩を頼まれる『特別な夜』は、俺とドッゴの束の間のデートとして楽しんでいる。
彼が帰ってくるのは夜更かし癖のある俺がまだ作業をしてる時間帯だから、シャワーを浴びた彼を捕まえて世話を焼くのが常だった。自身の世話を億劫がる彼にドライヤーかボディクリームのどちらを自分でやるかを選ばせるのは楽しみのひとつだった。俺に触れる許可を与える意味を正しく理解している彼とのちょっとした遊びでもある。
4494どこかへ出掛ける『特別な夜』がある。
定期的に訪れるその夜は彼曰く、義肢のメンテナンスを依頼しているらしい。欠かさずに行くドッゴの夜の散歩を俺に任せて、いつも日が昇る頃にようやく帰ってくる。家の周りはあまり人の気配も多くない穏やかで治安の良い地域なのに、彼は絶対に俺が夜に独りで出歩くことは許してくれない。だから散歩を頼まれる『特別な夜』は、俺とドッゴの束の間のデートとして楽しんでいる。
彼が帰ってくるのは夜更かし癖のある俺がまだ作業をしてる時間帯だから、シャワーを浴びた彼を捕まえて世話を焼くのが常だった。自身の世話を億劫がる彼にドライヤーかボディクリームのどちらを自分でやるかを選ばせるのは楽しみのひとつだった。俺に触れる許可を与える意味を正しく理解している彼とのちょっとした遊びでもある。
しろ🐾
DONE🐏🔮「おやすみ、ふぅふぅちゃん」・すごく眠い🔮と心配な🐏
・同棲してる
・物凄く暗い話
・死をほのめかす表現有
シュレーディンガーの箱庭―×日目―
「起きて、ふぅふぅちゃん」
柔らかい声に、意識が引っ張り上げられて、目を開ける。
「……また先を越されたな」
「ふふ……慣れてきたからね。負けないよ」
まだ寝癖がついた頭が寄ってきて、頬にキスをして離れていくので、身体を起こした。首を左右に傾けて固まっていた筋肉を伸ばす。
歯を磨いて、顔を洗って、キッチンでコーヒーを飲む浮奇の前で愛犬の朝食を準備をする。
浮奇が広げているハードカバーは随分と字が詰まっていて分厚い。
「難しそうな本を読んでるな」
「たまにはね」
最近の浮奇は随分と早起きをするようになった。ここのところ、いつも起こされている。それ自体は心地よくて何の不満もないが、早起きに慣れない彼が、日中眠そうにしていることが増えたのが、少しだけ心配だった。
6331「起きて、ふぅふぅちゃん」
柔らかい声に、意識が引っ張り上げられて、目を開ける。
「……また先を越されたな」
「ふふ……慣れてきたからね。負けないよ」
まだ寝癖がついた頭が寄ってきて、頬にキスをして離れていくので、身体を起こした。首を左右に傾けて固まっていた筋肉を伸ばす。
歯を磨いて、顔を洗って、キッチンでコーヒーを飲む浮奇の前で愛犬の朝食を準備をする。
浮奇が広げているハードカバーは随分と字が詰まっていて分厚い。
「難しそうな本を読んでるな」
「たまにはね」
最近の浮奇は随分と早起きをするようになった。ここのところ、いつも起こされている。それ自体は心地よくて何の不満もないが、早起きに慣れない彼が、日中眠そうにしていることが増えたのが、少しだけ心配だった。
おもち
TRAININGPsyBorg。寝坊・アイスクリーム・彼氏、がお題でした。友情出演ゆご。「浮奇から連絡来た?」
「いいや、まだ。どうせ寝坊だろうから適当に時間を潰すよ。ユーゴ、この後の予定は?」
「空いてるよ! 付き合う!」
「よし、カフェでも行こう。奢る」
「やったー!」
恋人とのデートの約束の前、昼までユーゴの買い物に付き合う予定だったけれど、昼を過ぎても浮奇と連絡が取れなかった。彼らが好む人の多いこの街が俺はあまり得意ではないからユーゴが一緒にいてくれるととても助かる。どこでも好きな場所を、と彼に店選びを頼むと、彼はあっという間に駅からあまり離れていないのに落ち着いた雰囲気で人の多くない店を探して俺をエスコートしてくれた。二人席に向かい合って座り、俺はレモネードを、ユーゴはアイスティーとショートケーキを注文する。
3475「いいや、まだ。どうせ寝坊だろうから適当に時間を潰すよ。ユーゴ、この後の予定は?」
「空いてるよ! 付き合う!」
「よし、カフェでも行こう。奢る」
「やったー!」
恋人とのデートの約束の前、昼までユーゴの買い物に付き合う予定だったけれど、昼を過ぎても浮奇と連絡が取れなかった。彼らが好む人の多いこの街が俺はあまり得意ではないからユーゴが一緒にいてくれるととても助かる。どこでも好きな場所を、と彼に店選びを頼むと、彼はあっという間に駅からあまり離れていないのに落ち着いた雰囲気で人の多くない店を探して俺をエスコートしてくれた。二人席に向かい合って座り、俺はレモネードを、ユーゴはアイスティーとショートケーキを注文する。
おもち
TRAININGPsyBorg。のんびりいちゃいちゃしてるだけ。ベッドの寝心地の良さに気がついたのはセックスをしないでただ手を繋いで眠った夜だった。いつもは目が冴えてなかなか眠れないのに、目を瞑ってからの記憶がほとんどないくらいすとんと眠りに落ちた。もちろん柔らかく心地好い布団のおかげだけでなく、俺を優しく抱き寄せてくれる彼の体温と心音の効果も大きかっただろうけど。この俺が夜と言える時間に眠って、昼になる前に自然と目が覚めるなんて。
開けられたカーテンから差し込む朝の眩しい陽の光を見つめ、まだ緩慢な動きでぽっかり空いた俺の隣のシーツをするりと撫でる。夜に感じた温もりが消えてしまった冷たさが少し寂しい。
「お、起きたなねぼすけ」
「……この時間に起きて寝坊なら、いつもの俺にはなんて思ってるの」
1983開けられたカーテンから差し込む朝の眩しい陽の光を見つめ、まだ緩慢な動きでぽっかり空いた俺の隣のシーツをするりと撫でる。夜に感じた温もりが消えてしまった冷たさが少し寂しい。
「お、起きたなねぼすけ」
「……この時間に起きて寝坊なら、いつもの俺にはなんて思ってるの」
🍲鍋🍲
DONE🐑🔮で🔮さんが飼われている人魚。横着の話です。めちゃくちゃ平和。別の話→ https://poipiku.com/5019856/7464769.html注意
・本当に何もかもが捏造
・🧜♂️🔮さんは人語を喋らない
この文章はこの世の何とも関係ありません 2450
おもち
TRAININGPsyBorg。別れない別れ話。「別れたい」
唐突にそう伝えられて、俺は飲もうとしていたコーヒーに口をつけることなくカップをテーブルに置き、思わず「え?」と返した。聞こえなかったわけでも、聞き取れなかったわけでもない。ただ頭の中が真っ白で言われたことを理解できなかった。
「俺と別れてくれ、浮奇」
丁寧に繰り返した目の前の男は、俺の恋人のふーふーちゃんは、混乱する俺を真面目な顔でまっすぐに見つめていた。
元来彼はおしゃべりで、隙間を埋めるように言葉を繰り出すことのできる人だけれど、実際は言葉よりも彼の表情がもっと多くを語ることを知っている。だけど今は俺に見られることを分かっているからか、仮面のように作られた真剣な顔で俺のことを見つめるだけだ。
3776唐突にそう伝えられて、俺は飲もうとしていたコーヒーに口をつけることなくカップをテーブルに置き、思わず「え?」と返した。聞こえなかったわけでも、聞き取れなかったわけでもない。ただ頭の中が真っ白で言われたことを理解できなかった。
「俺と別れてくれ、浮奇」
丁寧に繰り返した目の前の男は、俺の恋人のふーふーちゃんは、混乱する俺を真面目な顔でまっすぐに見つめていた。
元来彼はおしゃべりで、隙間を埋めるように言葉を繰り出すことのできる人だけれど、実際は言葉よりも彼の表情がもっと多くを語ることを知っている。だけど今は俺に見られることを分かっているからか、仮面のように作られた真剣な顔で俺のことを見つめるだけだ。
おもち
TRAININGPsyBorg。びっくりするから結婚する前に同棲したこと教えてください。キッチンは広い方がいい。水回りは綺麗で、収納もたっぷり。寝るのは一緒がいいけど個室も絶対必要。それと、駅から遠くなくて歩いて行けるくらいの場所がいい。
希望を教えてくれと言われたから思いつくままにそう伝えた俺は、ふーふーちゃんは?と質問を返した。
散歩に行きやすい自然の多い公園が近くにあってあまり交通量の多くない場所。彼らが歩き回れるように広々としたリビングと、日当たりのいい大きな窓も欲しい。
二人の希望がまとめて叶えられる家を探すのは難しいだろうと、まだひとつも物件を見ていないのに不安が胸に広がった。ふーふーちゃんはそんな俺の心の中が見えているみたいに、優しく力強い腕で俺の肩を抱き寄せて「きっと素晴らしい家が見つけられる」と頬をくっつけた。俺はうう〜と唸って、ふーふーちゃんの腰に手を回す。
1727希望を教えてくれと言われたから思いつくままにそう伝えた俺は、ふーふーちゃんは?と質問を返した。
散歩に行きやすい自然の多い公園が近くにあってあまり交通量の多くない場所。彼らが歩き回れるように広々としたリビングと、日当たりのいい大きな窓も欲しい。
二人の希望がまとめて叶えられる家を探すのは難しいだろうと、まだひとつも物件を見ていないのに不安が胸に広がった。ふーふーちゃんはそんな俺の心の中が見えているみたいに、優しく力強い腕で俺の肩を抱き寄せて「きっと素晴らしい家が見つけられる」と頬をくっつけた。俺はうう〜と唸って、ふーふーちゃんの腰に手を回す。
おもち
TRAININGPsyBorg。かぜっぴきうきとうきばかさいぼーぐ。コンコンと硬いノックの音が聞こえてスマホを伏せた。寝返りを打ち枕に顔を埋めて目を瞑るのと同時に扉の開く音がする。
「入るよ。……寝てるか」
俺が眠っていると思って声を潜めるのが可愛くて、毛布で隠れた口元を我慢できずににやっと緩めた。足音が近づいて来てベッドが軋み、冷たい手のひらが俺の額に触れる。顔を優しく撫でる手つきにとうとう耐えられなくなり、俺は体を捻ってふーふーちゃんを見上げた。
「まだちょっと熱があるかも」
「起きてたみたいだな。調子はどうだ? またスマホをいじってた?」
俺の枕元に置かれたスマホを視線で指され、なんのこと?と口角を上げて見せる。彼はクスッと笑って俺の目元を指先でなぞった。
「ちゃんと寝て、早く元気になってくれないと」
1527「入るよ。……寝てるか」
俺が眠っていると思って声を潜めるのが可愛くて、毛布で隠れた口元を我慢できずににやっと緩めた。足音が近づいて来てベッドが軋み、冷たい手のひらが俺の額に触れる。顔を優しく撫でる手つきにとうとう耐えられなくなり、俺は体を捻ってふーふーちゃんを見上げた。
「まだちょっと熱があるかも」
「起きてたみたいだな。調子はどうだ? またスマホをいじってた?」
俺の枕元に置かれたスマホを視線で指され、なんのこと?と口角を上げて見せる。彼はクスッと笑って俺の目元を指先でなぞった。
「ちゃんと寝て、早く元気になってくれないと」
途綺*
DONE🐑🔮//貴方と紡ぐ物語🔮のために🐑が物語を書く話。ラベンダーの花言葉は「あなたを待っています」
「ふーふーちゃんにお願いがあるんだけど。」
どんよりと重たい雲が広がる昼下がり。自室で作業していたところへ紅茶を差し入れに来た浮奇からマグカップを受け取ったファルガーは彼の言葉にふたつ返事で頷いた。
「もちろん、俺が叶えられるものなら。」
「ほんと?へへ、今夜が楽しみだなあ。」
「おぉ、どんなプレイをするつもりだ?」
「えっとね...じゃなくて!真面目なお願いをしにきたの!」
ころころと変わる表情に思わず笑いながら浮奇の腕を引き寄せ膝に乗せる。最近は容易く身を任せるようになった浮奇だが、付き合いたての頃はこちらを気にしてか簡単には座りたがらなかった事を不意に思い出して、幸福感に浸りながら弧を描く目元を優しくなぞった。
5331どんよりと重たい雲が広がる昼下がり。自室で作業していたところへ紅茶を差し入れに来た浮奇からマグカップを受け取ったファルガーは彼の言葉にふたつ返事で頷いた。
「もちろん、俺が叶えられるものなら。」
「ほんと?へへ、今夜が楽しみだなあ。」
「おぉ、どんなプレイをするつもりだ?」
「えっとね...じゃなくて!真面目なお願いをしにきたの!」
ころころと変わる表情に思わず笑いながら浮奇の腕を引き寄せ膝に乗せる。最近は容易く身を任せるようになった浮奇だが、付き合いたての頃はこちらを気にしてか簡単には座りたがらなかった事を不意に思い出して、幸福感に浸りながら弧を描く目元を優しくなぞった。
おもち
TRAININGPsyBorg。まだ同棲してないさいぼぐ。作業BGMにしていた配信の声が止まり静かな音楽だけが流れている。画面を見れば頭を傾けた浮奇が目を瞑ってしまっていた。チャット欄が彼の名前を呼んでいるが、残念ながらそれは届かないだろう。
すぐに起きる可能性もあるからそのままただ彼の配信の音楽を聴きながら待っていたけれど、どうやら中々起きそうにない。可愛らしい寝息まで聞こえて来たから、俺は笑い声を溢してスマホを手に取った。
メッセージをひとつ、ふたつ。通知音は消しているだろうけれどバイブに気がつく可能性はあるかもしれない。少し待って、今度は電話をかけてやる。配信画面をよく見ていればピクリと彼が震え、それからゆっくりと目を開けた。俺は電話を止めて、『寝るならベッドへ』とメッセージを送った。
1456すぐに起きる可能性もあるからそのままただ彼の配信の音楽を聴きながら待っていたけれど、どうやら中々起きそうにない。可愛らしい寝息まで聞こえて来たから、俺は笑い声を溢してスマホを手に取った。
メッセージをひとつ、ふたつ。通知音は消しているだろうけれどバイブに気がつく可能性はあるかもしれない。少し待って、今度は電話をかけてやる。配信画面をよく見ていればピクリと彼が震え、それからゆっくりと目を開けた。俺は電話を止めて、『寝るならベッドへ』とメッセージを送った。
しろ🐾
DONE🐑🔮「待て……!こ、ここで開けるのか?」「俺も🐑ちゃんのやつ食べたいんだけど!」・お弁当を交換している二人の続き
・高校生パロ(日本の学校)
・バレンタインの話
明日は、水曜日(二月) コートを畳んでロッカーに入れていると、後ろから大きな声で名前を呼ばれた。
「いた!ファルガー聞いてよ!浮奇マジでぶりっこなんだよ」
「は?」
振り向くと、アルバーンと浮奇が並んでいた。それも、肩が当たるくらいの距離で横並びに立っていて、随分と、近い。
一年の頃からの友人と、二年からの友人が一緒に登校しているのをみると未だに不思議な気持ちになる。アルバーンを浮奇に紹介してすぐの頃は、お互いに探り合いながらそっと言葉を交わす感じだったのに、最近は俺よりも遠慮無く言葉を交わすようになっている気がする。……良い気分なのか、良くない気分なのかはよくわからない。
「今そこで先輩に呼び止められたんだけどさ、すっごい綺麗な声の人で。チョコ渡してもいい?って」
7554「いた!ファルガー聞いてよ!浮奇マジでぶりっこなんだよ」
「は?」
振り向くと、アルバーンと浮奇が並んでいた。それも、肩が当たるくらいの距離で横並びに立っていて、随分と、近い。
一年の頃からの友人と、二年からの友人が一緒に登校しているのをみると未だに不思議な気持ちになる。アルバーンを浮奇に紹介してすぐの頃は、お互いに探り合いながらそっと言葉を交わす感じだったのに、最近は俺よりも遠慮無く言葉を交わすようになっている気がする。……良い気分なのか、良くない気分なのかはよくわからない。
「今そこで先輩に呼び止められたんだけどさ、すっごい綺麗な声の人で。チョコ渡してもいい?って」
しろ🐾
DONE🐑🔮 「お弁当、いいなぁ」「そう、かぁ?」※🐑が料理してる
・高校生パロ(日本の学校)
・付き合ってない
・三つのお題でなんか書くやつ
・お題:アスパラガス、弟子、蒲鉾
明日は、水曜日 最近、スーパーに行くと目に留まるものが増えた気がする。前までは気にもしなかった食材を手に取って考えるようになった。
入り口を抜けて、買い物カゴを手にとり、キャベツ、にんじん、タマネギ、ピーマン、エリンギ、しいたけ、と通り過ぎて少しだけ笑いそうになる。
三ヶ月前、気まぐれに年の離れた兄によって詰められた弁当の蓋を開けた時だった。
いつも通り前の席の椅子に横向きに座っていた浮奇が、スマホから顔を上げて、心の底から羨ましそうな声を出した。
「いいなぁ!」
「そう、かぁ?」
「あ、自分で作ったの?」
「いや……」
「いいなぁ……」
ため息でも聞こえてきそうな顔で、浮奇は弁当の中身を眺めている。別にめちゃくちゃ豪華だってわけでもない、ハンバーグがメインの普通の弁当だと思ったが、言葉には出さなかった。
6034入り口を抜けて、買い物カゴを手にとり、キャベツ、にんじん、タマネギ、ピーマン、エリンギ、しいたけ、と通り過ぎて少しだけ笑いそうになる。
三ヶ月前、気まぐれに年の離れた兄によって詰められた弁当の蓋を開けた時だった。
いつも通り前の席の椅子に横向きに座っていた浮奇が、スマホから顔を上げて、心の底から羨ましそうな声を出した。
「いいなぁ!」
「そう、かぁ?」
「あ、自分で作ったの?」
「いや……」
「いいなぁ……」
ため息でも聞こえてきそうな顔で、浮奇は弁当の中身を眺めている。別にめちゃくちゃ豪華だってわけでもない、ハンバーグがメインの普通の弁当だと思ったが、言葉には出さなかった。
しろ🐾
DONE🐏🔮「彼の手脚は誰が見たって最高に格好いい」三つのお題でなんか書く練習
お題:夕空、職人、スカーフ
『朝早くても、夜遅くてもだよ』 どうしても直るつもりのないらしい頑固な寝癖は、小さなパールがついたヘアピンで抑えることにした。
少しだけ袖が膨らんだ白シャツに、白地にブルーとゴールドの柄が入ったスカーフを合わせる。シルバーのスカーフリングに、つるりとした手触りの布を通して左右のバランスを整えてから、歩きやすい靴を選んだ。
玄関を抜けて鍵をかける。顔を上げると、すぐ上にはまだ青空が見える。遠くの白い雲に、ピンクやオレンジの色が入り始めたのを眺めながら、街に向かって足を進める。まだ充分に時間があるから、バス停は通り過ぎて、そのまま、暖かい色のグラデーションがかかっていく空を見ながら歩くことにした。手に持っている鞄をぶらぶらと揺らす。
1771少しだけ袖が膨らんだ白シャツに、白地にブルーとゴールドの柄が入ったスカーフを合わせる。シルバーのスカーフリングに、つるりとした手触りの布を通して左右のバランスを整えてから、歩きやすい靴を選んだ。
玄関を抜けて鍵をかける。顔を上げると、すぐ上にはまだ青空が見える。遠くの白い雲に、ピンクやオレンジの色が入り始めたのを眺めながら、街に向かって足を進める。まだ充分に時間があるから、バス停は通り過ぎて、そのまま、暖かい色のグラデーションがかかっていく空を見ながら歩くことにした。手に持っている鞄をぶらぶらと揺らす。
ReveViede
PROGRESS♥︎A problematic Renkyotto story♥︎Inspired by SZA’s song Kill Bill
♥︎Blood/Violence
♥︎Sonnyban&Psyborg mentioned
♥︎Sorry for the grammatical/spelling mistake English is not my first language
♥︎GO!♥︎ 1954
途綺*
DONE🐑🔮//君の知らない真夜中の攻防🐑が寝相の悪い🔮と夜な夜な戦う話。🐑の愛はこのベッドより広くて優しく🔮を包み込んでくれる。
気づくと暗闇にいた。
左右も上下も分からなくなるほどの暗闇に浮遊感を感じて、自分がちゃんと立てているのかさえ不安になる。辺りを見渡してもどこまでも闇が続いているだけで、出口は無さそうだ。
と、突然何かに体を強く押されて前のめりに倒れ込む。目を見張った瞬間に、ファルガーは硬いものに頭を打ちつけていた。
強い衝撃に目を開けると、そこは見慣れた場所だった。手脚の動きを確認して傍にあるベッドを支えにしながら起き上がる。部屋が夢と同じような暗闇に包まれている所をみるにまだ深い時間のようだ。どうやらベッドから落ちたらしいことを理解して、ファルガーは小さくため息を吐いた。
「ベイブ、やってくれたな」
ベッドの端からは浮奇の脚が見えている。自然と落ちたのではなく、浮奇に蹴落とされたのだろうことはよく分かっていた。
2473左右も上下も分からなくなるほどの暗闇に浮遊感を感じて、自分がちゃんと立てているのかさえ不安になる。辺りを見渡してもどこまでも闇が続いているだけで、出口は無さそうだ。
と、突然何かに体を強く押されて前のめりに倒れ込む。目を見張った瞬間に、ファルガーは硬いものに頭を打ちつけていた。
強い衝撃に目を開けると、そこは見慣れた場所だった。手脚の動きを確認して傍にあるベッドを支えにしながら起き上がる。部屋が夢と同じような暗闇に包まれている所をみるにまだ深い時間のようだ。どうやらベッドから落ちたらしいことを理解して、ファルガーは小さくため息を吐いた。
「ベイブ、やってくれたな」
ベッドの端からは浮奇の脚が見えている。自然と落ちたのではなく、浮奇に蹴落とされたのだろうことはよく分かっていた。
𝓪𝓶𝓾
DONEバレンタイン社会人ぱろ🐑🔮
書きたかったのはチョコを投げつけるゥ。
デートにこぎつけるふちゃです。
葛藤するゥと密かに気持ちを抱いていそうなふちゃの話がかけてよかった。
受け取って!どきどきと高鳴る胸を押さえながら、出勤したのが今朝。
どうせみんなからもらえるとしても義理チョコで、本命からは99%もらえないとわかってはいても。
一方通行が確定しているこの気持ちが口をついて出てしまいそうなのを抑えるのでいつだって精いっぱいだった。
もちろん、カバンの中には2週間前には買って、冷蔵庫に大切に保管していた小さなチョコレートの箱。甘いものが苦手な彼にと4粒のミルク味。いつか誰かとの会話で牛乳をよく飲む、なんて話を聞いたことがあったから。
でもきっと、このチョコレートも最終的には俺が食べることになるんだ。
分かっているから、渡すつもりは、ない。
出勤すると、いつも通り、ある人の周りに人が集まっている。
2961どうせみんなからもらえるとしても義理チョコで、本命からは99%もらえないとわかってはいても。
一方通行が確定しているこの気持ちが口をついて出てしまいそうなのを抑えるのでいつだって精いっぱいだった。
もちろん、カバンの中には2週間前には買って、冷蔵庫に大切に保管していた小さなチョコレートの箱。甘いものが苦手な彼にと4粒のミルク味。いつか誰かとの会話で牛乳をよく飲む、なんて話を聞いたことがあったから。
でもきっと、このチョコレートも最終的には俺が食べることになるんだ。
分かっているから、渡すつもりは、ない。
出勤すると、いつも通り、ある人の周りに人が集まっている。
おもち
TRAININGPsyBorg&mafiyamiの仲良し紫組です。ワードパレットの「クレークル」喉・帽子・木漏れ日、がお題でした。好き勝手書いてます。向かいの席の椅子が引かれ、スマホから顔を上げる。そこに座った男は当然のように店員さんを呼んでアイスコーヒーを頼んだ。黙ったままそれを見届け、よくやくこちらを向いた男に「このマイクどうかな?」と先ほどまで見ていたショッピングサイトをスマホの画面に表示させたまま彼に渡す。
「んー……あ、なんか見たことあるな。これ誰か使ってなかった?」
「え、本当? あとでみんなに聞いてみよ」
「うん、たぶん誰かいたはず。ていうか、さあ、聞いてよ」
挨拶もなく、僕たちの会話は転がっていく。たぶん、気が合うんだ。浮奇といる時の僕はすごく自然だ。それにたぶん浮奇も。お互いに話したい時に話して、話す気分じゃない時は黙って、そのタイミングがなんでかすごくピッタリ合う。僕に男兄弟はいないけどもしいたらこんな感じなのかなって浮奇に言ってみたら、兄弟っていうより幼馴染って感じと返ってきて、僕だけじゃなくて浮奇も同じ感覚を持っているということが嬉しかった。思わず笑ってしまった僕に、浮奇は何コイツって顔を向けてきたけど。
5270「んー……あ、なんか見たことあるな。これ誰か使ってなかった?」
「え、本当? あとでみんなに聞いてみよ」
「うん、たぶん誰かいたはず。ていうか、さあ、聞いてよ」
挨拶もなく、僕たちの会話は転がっていく。たぶん、気が合うんだ。浮奇といる時の僕はすごく自然だ。それにたぶん浮奇も。お互いに話したい時に話して、話す気分じゃない時は黙って、そのタイミングがなんでかすごくピッタリ合う。僕に男兄弟はいないけどもしいたらこんな感じなのかなって浮奇に言ってみたら、兄弟っていうより幼馴染って感じと返ってきて、僕だけじゃなくて浮奇も同じ感覚を持っているということが嬉しかった。思わず笑ってしまった僕に、浮奇は何コイツって顔を向けてきたけど。
おもち
TRAININGPsyBorg。リップチョコ使っていちゃついてる話。浮奇、と声をかけられて、ふわふわと意識が浮上する。俺の頭を優しく撫でる恋人に、それ余計眠くなるからやらないでと注意したくてもできないのは、彼に頭を撫でられるのがすごく好きだから。眠気に負けそうになりながら指先をパタパタと動かせば、彼は笑いながら俺の手を掴んだ。指を絡めて握って、もう一度「浮奇」と声をかけられ「ん〜……」と唸り声を返す。
「何か荷物が届いたから受け取っておいたよ。冷蔵とは書いてないけど食品って書いてあるからどうしたらいいか聞いた方がいいかと思って」
「んん……しょくひん……?」
「通販でお菓子でも買ったのか?」
「つうはん……、……あ」
「お、起きた」
パチっと目を開けば俺の顔を覗き込んでいたふーふーちゃんと目が合って、俺は咄嗟に布団の中に頭を隠した。彼はくすくす笑って繋いでいない方の手で布団越しに頭を撫でてくれる。
2290「何か荷物が届いたから受け取っておいたよ。冷蔵とは書いてないけど食品って書いてあるからどうしたらいいか聞いた方がいいかと思って」
「んん……しょくひん……?」
「通販でお菓子でも買ったのか?」
「つうはん……、……あ」
「お、起きた」
パチっと目を開けば俺の顔を覗き込んでいたふーふーちゃんと目が合って、俺は咄嗟に布団の中に頭を隠した。彼はくすくす笑って繋いでいない方の手で布団越しに頭を撫でてくれる。
おもち
TRAININGPsyBorg。🐱うきの初めてのバレンタインの話。🐱うきについては↓①https://poipiku.com/5487879/7185578.html
②https://poipiku.com/5487879/7188592.html 2218
おもち
TRAININGPsyBorg。いちゃいちゃチョコを食べてるいちゃいちゃさいぼぐです。人で溢れた会場内を何往復もして、俺が買い物に満足する頃には一緒に歩き回ってくれた彼は言葉にはしないけれど少し疲れた顔をしていた。付き合わせて悪いなぁが半分、それでも何も言わずに一緒にいてくれて嬉しいが半分で、会場を出てから道の端っこに引っ張って行きその顔を覗き込む。「うん?」と優しい笑顔を見せてくれてキスをしたくなったけど、外だから我慢だ。
「この後どうする? ごはん食べてから帰る? 家でのんびりでもいいよ」
「浮奇のしたいようにしていいよ」
「だめ。もう今日は俺にいっぱい付き合ってもらったから、次はふーふーちゃんに付き合うの。俺が好きそうなことじゃなくて、ちゃんとふーふーちゃんがしたいこと教えて」
「……俺は、浮奇といられれば、それで」
1857「この後どうする? ごはん食べてから帰る? 家でのんびりでもいいよ」
「浮奇のしたいようにしていいよ」
「だめ。もう今日は俺にいっぱい付き合ってもらったから、次はふーふーちゃんに付き合うの。俺が好きそうなことじゃなくて、ちゃんとふーふーちゃんがしたいこと教えて」
「……俺は、浮奇といられれば、それで」
おもち
TRAININGPsyBorg。学パロバレンタイン。いつもは暇さえあれば俺の席に来て声をかけてくれるその人は、今日は放課後になるまでこちらから声をかける隙すら一切なかった。六時間目の授業が終わった瞬間にブツの入った鞄を持ち上げたところでまだクラスメイトがたくさんいる空間でそれを渡す勇気は俺にはない。自分の席に座ったまま、もう少し人が減ってからにしようと考えているうちに、ガラッと開いた教室後方の扉から「浮奇、ちょっと来て」と今日何度も見たように彼を呼び出す声がかかる。ああ、もう、また彼を取られてしまった。落胆して肩を落とし、鞄をぎゅっと抱きしめた。
取られてしまった、などと思ったけれど、別に彼は俺のものではない。俺も今日彼を呼び出している女子たちと同じ、ただ彼に恋をしているだけの男だ。彼が甘いものを好きだと知ってからバレンタインにはチョコレートをあげようと考えていて実際こうしてチョコレートを学校まで持ってきたわけだけれど、渡すことができなければ持って帰って自分で食べることになるかもしれない。甘いものは得意じゃないけど。
3334取られてしまった、などと思ったけれど、別に彼は俺のものではない。俺も今日彼を呼び出している女子たちと同じ、ただ彼に恋をしているだけの男だ。彼が甘いものを好きだと知ってからバレンタインにはチョコレートをあげようと考えていて実際こうしてチョコレートを学校まで持ってきたわけだけれど、渡すことができなければ持って帰って自分で食べることになるかもしれない。甘いものは得意じゃないけど。
おもち
TRAININGPsyBorg。二人でチョコ作る(全然作ってない)話。キッチンカウンターの向こう側、リビングでソファーに座る彼がチラチラとこちらの様子を伺っているのには気が付いていた。それもそのはずで、だって俺が今作っているのは日常的に作るごはんじゃなくて、来る二月十四日、バレンタインに向けたチョコレートのお菓子だから。
チョコレートを湯煎で溶かしてからは甘い香りが部屋の中に充満していて、わざわざ今朝「バレンタインのお菓子作りの練習するからキッチン使うね」と宣言しなくともキッチンにこもっている理由は明白だっただろう。バレンタインの前日に作るのが本番で、今日はあくまで練習だ。彼にはまだあげられない。落ち着かない顔で読書にも集中できていない可愛い恋人には申し訳ないけど。
2047チョコレートを湯煎で溶かしてからは甘い香りが部屋の中に充満していて、わざわざ今朝「バレンタインのお菓子作りの練習するからキッチン使うね」と宣言しなくともキッチンにこもっている理由は明白だっただろう。バレンタインの前日に作るのが本番で、今日はあくまで練習だ。彼にはまだあげられない。落ち着かない顔で読書にも集中できていない可愛い恋人には申し訳ないけど。
おもち
TRAININGPsyBorg。喧嘩をするフリしてただいちゃついてるだけになっちゃった。「浮奇」と大好きな声が俺の名前を呼んだけれど、振り向くことなくほっぺを膨らませてスマホをいじり続けた。もう一度、今度は「うきき……」と抱きしめたくなる声で、彼が気に入って使う可愛らしい愛称が耳に届く。俺は唇を噛み、目に力を入れて後ろを振り返った。
「俺、いま怒ってるから」
「わかってる。でも、……いや、悪い、一人にしたほうがいいか? 顔を見たくないようならどこかに行ってくる」
「……」
「……買い物に行ってくるよ。夕食のデザート用に、なにか甘いものを買ってくる」
「ばか」
部屋を出て行こうとする彼に向けて、抱きしめていたクッションを投げる。驚いた顔をしながらそれをキャッチするからもっとムカついてもう一つのクッションも投げれば、彼はそれを顔で受け止めた。わざとそうしたんだって分かって、彼を睨みつける視界がわずかに滲む。
1463「俺、いま怒ってるから」
「わかってる。でも、……いや、悪い、一人にしたほうがいいか? 顔を見たくないようならどこかに行ってくる」
「……」
「……買い物に行ってくるよ。夕食のデザート用に、なにか甘いものを買ってくる」
「ばか」
部屋を出て行こうとする彼に向けて、抱きしめていたクッションを投げる。驚いた顔をしながらそれをキャッチするからもっとムカついてもう一つのクッションも投げれば、彼はそれを顔で受け止めた。わざとそうしたんだって分かって、彼を睨みつける視界がわずかに滲む。
おもち
TRAININGPsyBorg。いつも通りいちゃいちゃしているだけです。ソファーに並んで映画を見ながら繋いでいた手がふっと緩む。トイレにでも行くのかと思い寄りかかっていた頭を持ち上げたけれど、手は離れることなく、指の間をさするように不規則に動いた。思わず画面から視線を離し隣の男を見つめる。
「ん?」
にこっと、嬉しそうな笑顔を隠さないで、浮奇はふわりと首を傾げた。映画はまだ中盤で、クライマックスまでは程遠い。俺は息を吐いて、繋いだ手にぎゅっと力を入れた。浮奇はすこしだけ不満そうに甘えた顔をする。
「一緒に見るっておまえが言ったんだろ」
「んん〜……そうだけど、だって、いちゃいちゃしたくなっちゃったんだもん」
「……終わってから」
「キスしてもいい?」
「だめ」
「んんん、ふーふーちゃん……」
1289「ん?」
にこっと、嬉しそうな笑顔を隠さないで、浮奇はふわりと首を傾げた。映画はまだ中盤で、クライマックスまでは程遠い。俺は息を吐いて、繋いだ手にぎゅっと力を入れた。浮奇はすこしだけ不満そうに甘えた顔をする。
「一緒に見るっておまえが言ったんだろ」
「んん〜……そうだけど、だって、いちゃいちゃしたくなっちゃったんだもん」
「……終わってから」
「キスしてもいい?」
「だめ」
「んんん、ふーふーちゃん……」
おもち
TRAININGPsyBorg。深夜にドライブデートに行く話。夜更かしな恋人は今日もいつも通り、夜中の零時を過ぎてものんびりした様子でネットサーフィンに励んでいた。つい数時間前に配信を終えて遅い夕飯を食べていたからまだまだ眠るつもりはないのだろう。
いつもならそんな彼を横目に朝から配信がある俺は一人ベッドに入って眠りにつくけれど、数日連続で休みを取ったため今朝は浮奇と共に昼過ぎまで布団の中にいて、まだ眠気が来ていない。明日も起きる必要がないのだから珍しく夜更かしをしようという気にもなるものだ。
風呂から上がったばかりで濡れた髪をタオルで拭きながら、俺は彼が寛ぐソファーの隣に腰掛けた。何も言わずに俺に寄りかかってきてくれる、猫のような可愛い人。
「浮奇」
「んー……」
3285いつもならそんな彼を横目に朝から配信がある俺は一人ベッドに入って眠りにつくけれど、数日連続で休みを取ったため今朝は浮奇と共に昼過ぎまで布団の中にいて、まだ眠気が来ていない。明日も起きる必要がないのだから珍しく夜更かしをしようという気にもなるものだ。
風呂から上がったばかりで濡れた髪をタオルで拭きながら、俺は彼が寛ぐソファーの隣に腰掛けた。何も言わずに俺に寄りかかってきてくれる、猫のような可愛い人。
「浮奇」
「んー……」
らいか
DONE🐏🔮です。左右はどちらかと言えばです。宙さん(@sora____97)の素敵な企画に参加させていただきました。ありがとうございます。モブが出てきます。川村カオリの「神様が降りてくる夜」という曲がモチーフになっています。
神様が降りてくる夜 犬の散歩をしていると、少し先の道に男性が倒れているのが見えた。
「大丈夫ですか」
声を掛けたが反応がない。
「おい、じいさん!」
揺すらずに声だけを掛ける。
「う、うう…」
良かった、無事か。
「大丈夫ですか、どこか痛んだり具合が悪くは?」
「いえ…すみません、大丈夫です」
身なりがいいとはお世辞にも言えない、若干饐えた臭いが漂うボサボサの髪の毛の痩せた老人は、それでもどこか紳士的で話す言葉の端々にも知性があった。
事業が失敗し家族とも離散しホームレスになったが、風の噂で彼の妻だった女性が亡くなったらしい。その墓標に花を供えたくて歩いて向かっているのだと言う。
「場所はどこなんですか」
「フロリダです」
「フロリダ!?歩いて行こうだなんて正気じゃない、せめてヒッチハイクをしてはどうです?危険はありますが」
5088「大丈夫ですか」
声を掛けたが反応がない。
「おい、じいさん!」
揺すらずに声だけを掛ける。
「う、うう…」
良かった、無事か。
「大丈夫ですか、どこか痛んだり具合が悪くは?」
「いえ…すみません、大丈夫です」
身なりがいいとはお世辞にも言えない、若干饐えた臭いが漂うボサボサの髪の毛の痩せた老人は、それでもどこか紳士的で話す言葉の端々にも知性があった。
事業が失敗し家族とも離散しホームレスになったが、風の噂で彼の妻だった女性が亡くなったらしい。その墓標に花を供えたくて歩いて向かっているのだと言う。
「場所はどこなんですか」
「フロリダです」
「フロリダ!?歩いて行こうだなんて正気じゃない、せめてヒッチハイクをしてはどうです?危険はありますが」