tukitatemochi
DONE本編のストーリーを核に嘘で塗り固めて生成したカピオロです。我が愛しき祝福について(或いは永遠の呪いについて) 風のない、星がよく見える夜だった。オロルンはファデイの隊長と、その部下たちと共に焚き火を囲んでいた。作戦中の束の間の休息だ。オロルンは火から離れた所で、彼らの何気ない世間話を聞くとはなしに聞きながらぼんやりと座っていた。
焚き火のパチパチと爆ぜる音が耳に心地良い。世界には、この音を録音して聴くことでリラクゼーション効果を求める人たちもいるらしい。果たして録音した音だけで期待したような効果は得られるのだろうか。火の暖かさ、不規則に揺れる影、時折飛び出しては消える火の粉、木の焼ける匂い。焚き火を構成する要素は一つでも欠ければ途端に薄っぺらになってしまうように思った。
隊員たちの話題の中心であるスネージナヤのことも、流行の歌も、何もわからないオロルンは会話に入ることができないので、こうして取り止めのない思考に身を任せている。だが決して排除されているというわけではなく、居心地は悪くない。さっきは炎水という、初めて飲む酒も分けてもらった。強いアルコールで少し火照った頭と身体にはむしろ、賑わいを外から眺めているくらいの方が丁度いい。
26320焚き火のパチパチと爆ぜる音が耳に心地良い。世界には、この音を録音して聴くことでリラクゼーション効果を求める人たちもいるらしい。果たして録音した音だけで期待したような効果は得られるのだろうか。火の暖かさ、不規則に揺れる影、時折飛び出しては消える火の粉、木の焼ける匂い。焚き火を構成する要素は一つでも欠ければ途端に薄っぺらになってしまうように思った。
隊員たちの話題の中心であるスネージナヤのことも、流行の歌も、何もわからないオロルンは会話に入ることができないので、こうして取り止めのない思考に身を任せている。だが決して排除されているというわけではなく、居心地は悪くない。さっきは炎水という、初めて飲む酒も分けてもらった。強いアルコールで少し火照った頭と身体にはむしろ、賑わいを外から眺めているくらいの方が丁度いい。
putyo218
PROGRESSカピオロ進捗テーマ:復活🧊と早逝🦇の子
注意書き
オロルンの独自設定が出てくる。
癖シュチュエーションモリモリ予定。
(脳内ではオチまで決まってるんですが、なんか長くて終わるんですかこれ)
壁打ちに近いので淡々とした文。
恋愛じゃないかも……
序章オロルンの薄くなった隈をなでる。
相変わらず太陽が昇っても眠っているが、前とは違って夜も夢の中にいる。
それはオロルンの魂が少しづつ、夜神の国に帰っているためだった。
不安な魂を持つ彼はもともと先の長くない人生だったことは周知の事実で、本人もそれを悲観することなく生を謳歌していたが終わりは淡々と近づいてきていた。
旅人が天理との戦いに勝ち、交渉という形でカーンルイアの血にかけられた不死の呪縛を解いた。そのため、夜神と同一化していた役目も終わろうとしていた。
カピターノはそのまま夜神の国のルールに従って魂が輪廻する時を待つつもりだったが、死を迎えたわけではない魂はその流れに乗ることはできなかった。
4489相変わらず太陽が昇っても眠っているが、前とは違って夜も夢の中にいる。
それはオロルンの魂が少しづつ、夜神の国に帰っているためだった。
不安な魂を持つ彼はもともと先の長くない人生だったことは周知の事実で、本人もそれを悲観することなく生を謳歌していたが終わりは淡々と近づいてきていた。
旅人が天理との戦いに勝ち、交渉という形でカーンルイアの血にかけられた不死の呪縛を解いた。そのため、夜神と同一化していた役目も終わろうとしていた。
カピターノはそのまま夜神の国のルールに従って魂が輪廻する時を待つつもりだったが、死を迎えたわけではない魂はその流れに乗ることはできなかった。
tukitatemochi
TRAININGカピオロです。 「モテる女のさしすせそ」という言葉があるらしい。カピターノは今まで知らなかったが、部下たちが夕食を取りながら雑談しているのを聞いていたら、そんな話題が出てきた。「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスある」「そうなんだ」の5つで、女性が意中の男性を立てて気分を良くさせるテクニックとして広まったものだそうだ。
「モテテク」というものの是非はともかく、相手の懐に入る手段としては普段からなかなか使える場面は多いのではないか、と部下たちは話している。異性であっても同性であっても、誰かに尊敬されて褒められるというのは嬉しいものだ。
「確かに、性別関係なく年下にこんなふうに慕われたら悪い気はしないかもな。俺、今日から隊長様と全部さしすせそで会話して出世しようかな」
2085「モテテク」というものの是非はともかく、相手の懐に入る手段としては普段からなかなか使える場面は多いのではないか、と部下たちは話している。異性であっても同性であっても、誰かに尊敬されて褒められるというのは嬉しいものだ。
「確かに、性別関係なく年下にこんなふうに慕われたら悪い気はしないかもな。俺、今日から隊長様と全部さしすせそで会話して出世しようかな」
tukitatemochi
TRAINING怪談のカピオロです。 そういえば、と天幕の中、ランプの灯りで本を読んでいた隊長が呟いた。
「ナタに来て暫く……お前と出会った頃に始まったことだと記憶しているのだが。夜、横になっていると見知らぬ女性が現れることがある。」
曰く、隊長が横になっていると急に意識ははっきりしているのに身体が動かなくなるときがあり、そんな時にはいつの間にか見知らぬ女性が、仰向けで寝ている隊長の身体の上に座っているのだそうだ。
「いつも深々と頭を下げて、『どうぞ宜しくお願い致します』と言う。何度も。」
どうぞ宜しくお願い致します。どうぞ宜しくお願い致します。どうぞ宜しくお願い致します。
傷のついたレコードが同じ箇所を繰り返すように、全く同じ調子で同じ言葉が繰り返される。隊長の腹に額を擦り付けるような深い深い礼とは裏腹に、その声には感情というものが感じられない。そして、朝方になってふっと隊長が意識を逸らした瞬間に跡形も無く消えるのだそうだ。延々と続く懇願に、最初こそ不気味に思った隊長であったが、ふとオロルンが近くにいる夜にそれは現れないことに気がついたのだそうだ。そして思い返してみれば、顔こそ見えないものの病的なまでに白い肌や青みがかった暗い色の髪はオロルンによく似ているのではないか?と思い至った。もしやあれは、オロルンの母親なのではないか、と。
1710「ナタに来て暫く……お前と出会った頃に始まったことだと記憶しているのだが。夜、横になっていると見知らぬ女性が現れることがある。」
曰く、隊長が横になっていると急に意識ははっきりしているのに身体が動かなくなるときがあり、そんな時にはいつの間にか見知らぬ女性が、仰向けで寝ている隊長の身体の上に座っているのだそうだ。
「いつも深々と頭を下げて、『どうぞ宜しくお願い致します』と言う。何度も。」
どうぞ宜しくお願い致します。どうぞ宜しくお願い致します。どうぞ宜しくお願い致します。
傷のついたレコードが同じ箇所を繰り返すように、全く同じ調子で同じ言葉が繰り返される。隊長の腹に額を擦り付けるような深い深い礼とは裏腹に、その声には感情というものが感じられない。そして、朝方になってふっと隊長が意識を逸らした瞬間に跡形も無く消えるのだそうだ。延々と続く懇願に、最初こそ不気味に思った隊長であったが、ふとオロルンが近くにいる夜にそれは現れないことに気がついたのだそうだ。そして思い返してみれば、顔こそ見えないものの病的なまでに白い肌や青みがかった暗い色の髪はオロルンによく似ているのではないか?と思い至った。もしやあれは、オロルンの母親なのではないか、と。
tukitatemochi
DONEオメガバースのカピオロです。それを心と呼ぶのなら その日のスラーインはひどく疲れていた。早朝から立て続けに数件の視察と商談を詰め込まれていたのだ。移動に次ぐ移動、そして商人のおべんちゃらと探りを聞き流しながら極端に細かい字で書かれた契約書を何枚も読み込む時間。この商人がまた、優秀なのだろうがいちいちナタを非文明的だと見下したような発言をする嫌な人間だったのだ。今日のストレスの八割くらいはこの男が原因である。
日も暮れた頃にやっと全ての仕事から解放されたスラーインは、そのまま恋人の暮らす謎煙の主の外れを目指した。連絡無しに行っても会えないかもしれないが、どうしても今日会いに行きたかった。オロルンの穏やかな声で頑張ったんだね、と褒められると疲れも吹っ飛ぶのだ。オロルンはまだガンには効かないが、そのうち効くようになると思う。
8314日も暮れた頃にやっと全ての仕事から解放されたスラーインは、そのまま恋人の暮らす謎煙の主の外れを目指した。連絡無しに行っても会えないかもしれないが、どうしても今日会いに行きたかった。オロルンの穏やかな声で頑張ったんだね、と褒められると疲れも吹っ飛ぶのだ。オロルンはまだガンには効かないが、そのうち効くようになると思う。
あかゆら
DONE同じマンションに住んているカピターノ社長と大学生オロルンの日常小話①会期中に頑張れたら2本目が上がります。
間に合わない場合は後日X(@akyr_gi)に投稿いたします。
パスワード:カピオロwebオンリーの開催日 890
watal_lll
DONEWebオンリーあと少しでーすというお知らせも兼ねて、展示作品で置いてるカピオロ俳優パロのグス視点ができたので上げておく。心残りの1つにグスとルンどうやって溶解したか書けなかったのでね。まだ認めてないからな「私がこの位置でいいのでしょうか……」
「普段ならこの位置だろう」
「それはそうですが」
「私のことなら気にしないでくれ。今日はただの観客だ」
カーンルイアグループに所属した頃に記憶を受け継いでから早うん十年。長官と再会してからは自分がやるべきことは芝居ではないとマネージャーに転向し、こうして専属になれたのは喜ばしい。だが本日初回公演の焔國戦記に連れて来られるとは思っていなかった。端とはいえ前方の席、通路側の左隣に長官、右隣にマーヴィカが座っていることで、恐らく長年の焔國戦記ファンだろう、視線が後頭部に突き刺さって仕方がない。悪辣な週刊誌共から長官を守るためには当然この配置になるのだが、俺を超えて交わされる会話は果たして聞いていて良いものか判断しかねる。
2698「普段ならこの位置だろう」
「それはそうですが」
「私のことなら気にしないでくれ。今日はただの観客だ」
カーンルイアグループに所属した頃に記憶を受け継いでから早うん十年。長官と再会してからは自分がやるべきことは芝居ではないとマネージャーに転向し、こうして専属になれたのは喜ばしい。だが本日初回公演の焔國戦記に連れて来られるとは思っていなかった。端とはいえ前方の席、通路側の左隣に長官、右隣にマーヴィカが座っていることで、恐らく長年の焔國戦記ファンだろう、視線が後頭部に突き刺さって仕方がない。悪辣な週刊誌共から長官を守るためには当然この配置になるのだが、俺を超えて交わされる会話は果たして聞いていて良いものか判断しかねる。
meleng_ggr
DONE※5.2以前のプロットで書いています。一話目はこちらです→https://poipiku.com/10798651/11372348.html
この話の続きは5.3以降とだいぶ剥離してるので書けないのですが、ハピエンにはなります。
DomSubカピオロ 二話目DomSubカピオロ 二話目
『行為』は二日後。隊長とオロルンはそう取り決めた。
倒れた当日はシトラリストップがかかり、そもそも隊長もあの状態で『行為』を行う気はなかった。
オロルンも体調は悪くないと自己報告していたのもある。
次の日もシトラリから念のため身体検査をするとのことで断念。
だからその次の日。
オロルンは自分の家で、と隊長に伝えていた。
『黒曜石の老婆』がオロルンを施術したあの場所から、隊長が立とうとした時に。
本来ならばダイナミクスの調整を行う施設は各部族に小さいながらも存在している。加えて競技場にある宿泊施設にも併設されている。
隊長はそのどれかを、と考えていたようだしシトラリもそうしなさいと言っていた。
6076『行為』は二日後。隊長とオロルンはそう取り決めた。
倒れた当日はシトラリストップがかかり、そもそも隊長もあの状態で『行為』を行う気はなかった。
オロルンも体調は悪くないと自己報告していたのもある。
次の日もシトラリから念のため身体検査をするとのことで断念。
だからその次の日。
オロルンは自分の家で、と隊長に伝えていた。
『黒曜石の老婆』がオロルンを施術したあの場所から、隊長が立とうとした時に。
本来ならばダイナミクスの調整を行う施設は各部族に小さいながらも存在している。加えて競技場にある宿泊施設にも併設されている。
隊長はそのどれかを、と考えていたようだしシトラリもそうしなさいと言っていた。
meleng_ggr
DONEhttps://x.com/shinkun009/status/1876531955845697789?s=46https://x.com/shinkun009/status/18754357
上記の考察からの三次創作
5.3のネタ含む
あらゆるものがふわっと解決した世界線でカーンルイアのこともふわふわ解決
旅人は「空」の方
自己解釈全開
彼と僕の人称だけで進行
pass隊長の本名5文字 3723
watal_lll
MOURNINGカピオロWebオンリーに出そうかと思っていた妊娠可能設定鬱版を5.3受けて書きたいとこだけ書くスタイルに変更した供養。支部の煙焔軸だけどこれだけでも読める仕様。カピオロ脳による個人的オロルン解釈のため注意。 2765watal_lll
DONE短文で恐縮ですが🌊📦でいただいたお題「何らかの影響で隊長の魂を感知出来なくなってしまったオロのカピオロ」を書き納めで書かせていただきました~!今年は後半急にカピオロに転げ落ちて楽しかった!けど震えに震えた年であった。皆様よいお年をお過ごしください🙇♂️カピオロ書き納め恋も何も始まってないカピオロで地脈異常か何かで隊長の魂の気配だけ感じ取れなくなったオロルンの話。
「おっ、見ろよあれ隊長じゃないか?おーい」
旅人に誘われ秘境に行った帰り、聖火競技場付近で隊長を見かけてパイモンが手を振った。
「競技場近くにいるなんて珍しいな。何かあったのか?」
「炎神と話を詰めなければならない件があってな」
こちらから近付いていくと、隊長は足を止めて答えてくれる。
「隊長……?」
だがその気配がいつもと違う。首を傾げてみたが、むしろ周りのみんなが不思議そうにしている。
「オロルン?どうしたんだ?」
「みんな、何も感じないのか」
「どうした」
隊長が心配そうに見下ろしてくる。この距離にいれば感じていた彼の魂の真っ直ぐさや心地良いずっしりとした重さが感じられない。思わずぎゅっと正面から抱き付いて、胸に耳をつけてみる。
1888「おっ、見ろよあれ隊長じゃないか?おーい」
旅人に誘われ秘境に行った帰り、聖火競技場付近で隊長を見かけてパイモンが手を振った。
「競技場近くにいるなんて珍しいな。何かあったのか?」
「炎神と話を詰めなければならない件があってな」
こちらから近付いていくと、隊長は足を止めて答えてくれる。
「隊長……?」
だがその気配がいつもと違う。首を傾げてみたが、むしろ周りのみんなが不思議そうにしている。
「オロルン?どうしたんだ?」
「みんな、何も感じないのか」
「どうした」
隊長が心配そうに見下ろしてくる。この距離にいれば感じていた彼の魂の真っ直ぐさや心地良いずっしりとした重さが感じられない。思わずぎゅっと正面から抱き付いて、胸に耳をつけてみる。
watal_lll
DOODLEオロルン妊娠可能設定で5.3怖すぎて鬱展開で書き始めたのだが、幸せなのは今しか書けない可能性ある!と書きたいとこだけ書いた代物。光焔万象一切幸を成す支部にあげた「煙焔~」の後日談の扱いだが、これ単体でも問題なく見れる仕様。なんやかんやあって隊長不死克服したし色々円満に解決したご都合設定。カピオロ頼むから幸せになれ。
その日は朝から隊長が部隊のみんなを集めた。
「ようやく落ち着いてきたと思ったけど、何かあったのか?」
「オロルンがいるのも珍しいな」
アビスの騒動も収まってみんな緊張が解れているのか、ぽそぽそと小さなさざめきが聞こえる。僕は隊長と一緒に一段高いところにいて、何人かの隊員が手を振ってくれたので振り返す。
「それいいな」
「俺も俺も」
それが連鎖して全員が手を振るのではというところで隊長が咳払いをした。途端に姿勢が正され静かになる。隊長からの連絡事項がいくつか述べられるが、みんなが集まるような内容だったか?と疑問符を浮かべているのがここからだとよくわかっておもしろい。
2813その日は朝から隊長が部隊のみんなを集めた。
「ようやく落ち着いてきたと思ったけど、何かあったのか?」
「オロルンがいるのも珍しいな」
アビスの騒動も収まってみんな緊張が解れているのか、ぽそぽそと小さなさざめきが聞こえる。僕は隊長と一緒に一段高いところにいて、何人かの隊員が手を振ってくれたので振り返す。
「それいいな」
「俺も俺も」
それが連鎖して全員が手を振るのではというところで隊長が咳払いをした。途端に姿勢が正され静かになる。隊長からの連絡事項がいくつか述べられるが、みんなが集まるような内容だったか?と疑問符を浮かべているのがここからだとよくわかっておもしろい。
watal_lll
DOODLE今のうち妄想する分にはなんでも許される理論で別世界線のカピオロとイフオロご都合秘境に入れたらを途中まで。イファ捏造注意。ご都合秘境「なっ、んできょうだいが二人いるんだ……?」
オロルンに育ての親である黒曜石の老婆からの届け物をしにいったときだった。目の前が白んだと思ったら急に景色が変わり、先程まで話していた特徴的な目と耳を持つ人物が、全く同じ出で立ちで二人いる。
「まさかミミックフローラか」
武器を構えてみるものの全く見分けがつかず、どちらを攻撃していいか判断できない。何か反応を見せてくれればいいのだが、二人のオロルンは互いに顔を見合わせて首を傾げている。
「武器を下ろせ」
すっと巨体が間に割り込んできた。黒いマントに特徴的な仮面。噂に聞くファデュイ執行官隊長かと当たりをつける。ファデュイに悪い印象しかなかった頃だったら引くわけにいかないが、かの大戦の功労者だと聞いているからにはおとなしく従うしかない。ひょっこりとその背後から左右同じ顔が覗く。改めて周りを見渡すと気味の悪い程真っ白な部屋には俺達四人以外はいないらしい。
1997オロルンに育ての親である黒曜石の老婆からの届け物をしにいったときだった。目の前が白んだと思ったら急に景色が変わり、先程まで話していた特徴的な目と耳を持つ人物が、全く同じ出で立ちで二人いる。
「まさかミミックフローラか」
武器を構えてみるものの全く見分けがつかず、どちらを攻撃していいか判断できない。何か反応を見せてくれればいいのだが、二人のオロルンは互いに顔を見合わせて首を傾げている。
「武器を下ろせ」
すっと巨体が間に割り込んできた。黒いマントに特徴的な仮面。噂に聞くファデュイ執行官隊長かと当たりをつける。ファデュイに悪い印象しかなかった頃だったら引くわけにいかないが、かの大戦の功労者だと聞いているからにはおとなしく従うしかない。ひょっこりとその背後から左右同じ顔が覗く。改めて周りを見渡すと気味の悪い程真っ白な部屋には俺達四人以外はいないらしい。
meleng_ggr
DONEこの話(https://poipiku.com/10798651/11172224.html)のおまけ。隊長視点。蛇足。趣味全開のためなんでも許せる人向け。
献身の小鳥はその手の中に。 年甲斐もなく、とはこのことだ。
腕の中で眠るオロルンの顔を間近に見ながら思いふける。
年甲斐もなく悋気どころか、年甲斐もなく振り回され、年甲斐もなく距離を保てず、年甲斐もなく手を出し、年甲斐もなく愛を抱き込んでいる。
手放せるよう距離を置くべきだ。
理性が告げてくる判断は正しい。間違いなくその行動するのが一番正しいのだろう。
だが行動できていたのならば、今ここに居ることはなかった。
本と土の匂いが混ざった空間も、男二人が寝るには狭過ぎる寝床も、ファデュイなどという存在の隣で安心して眠るオロルンの寝顔も。決して知ることはなかった。
いや寝顔は出会った当初も見せていたか、と脳裏に思い浮かぶ。
1314腕の中で眠るオロルンの顔を間近に見ながら思いふける。
年甲斐もなく悋気どころか、年甲斐もなく振り回され、年甲斐もなく距離を保てず、年甲斐もなく手を出し、年甲斐もなく愛を抱き込んでいる。
手放せるよう距離を置くべきだ。
理性が告げてくる判断は正しい。間違いなくその行動するのが一番正しいのだろう。
だが行動できていたのならば、今ここに居ることはなかった。
本と土の匂いが混ざった空間も、男二人が寝るには狭過ぎる寝床も、ファデュイなどという存在の隣で安心して眠るオロルンの寝顔も。決して知ることはなかった。
いや寝顔は出会った当初も見せていたか、と脳裏に思い浮かぶ。
meleng_ggr
DONE注意事項※ほのぼの謎時空
※隊長の仮面が当たり前のように外れている
※彼と僕だけの人称でほぼ進む
※旅人に関する辺り捏造
***
あなたはめれんげのカピオロで
【コレがいいんでしょ? / 気のせいじゃない】
をお題にして140字SSを書いてください。
でちょいエロのお題を書こうとして見事お題のちょいエロというところから外れた話。
前回のお題の名誉挽回をしようと思ったのに出来なくて無念。
特別は、特等席に座っている。 キラキラとして澄んだ魂と出会ったんだ。
そう伝えた時に気が付けばよかった。
でもその時の僕は全く気づけなかった。
そうか、と告げる声音がいつもより少しもたついていたのも、会話の先を促す優しさにためらいが混ざっていたのも。
あまり会えない彼と楽しかったことを共有したい気持ちが先走って、見えなかったんだ。
ようやく気づいたのはもっと後。
柔らかな夜が世界を包む頃。
僕のベッドの上に座り込んで、まだあまり慣れない『触れ合い』を始めた時だった。
「……っ…?」
彼とのキスは好きだ。
温かさに包まれて深くなっていくのが気持ちいい。
でも今日のは普段よりも早かった。
気持ちが昂っていたりするともっと早かったりもするけど、今日のはそういうのじゃない。
2233そう伝えた時に気が付けばよかった。
でもその時の僕は全く気づけなかった。
そうか、と告げる声音がいつもより少しもたついていたのも、会話の先を促す優しさにためらいが混ざっていたのも。
あまり会えない彼と楽しかったことを共有したい気持ちが先走って、見えなかったんだ。
ようやく気づいたのはもっと後。
柔らかな夜が世界を包む頃。
僕のベッドの上に座り込んで、まだあまり慣れない『触れ合い』を始めた時だった。
「……っ…?」
彼とのキスは好きだ。
温かさに包まれて深くなっていくのが気持ちいい。
でも今日のは普段よりも早かった。
気持ちが昂っていたりするともっと早かったりもするけど、今日のはそういうのじゃない。
meleng_ggr
DONE血吸いネタのカピオロ未満。オロルンの体質捏造。
山もオチも意味もないタイプのやおい。
甘い酒は果実の如く オロルンの唇を濡らしたのは赤い血。
切り裂かれた隊長の頬から風を切って懐にいたオロルンの顔へ落ちてきた。
かすかにオロルンは肩を揺らす。
しかし。
「オロルン」
呼ばれた瞬間弓を引き絞り、巨大なアビスを顎下から撃ち抜いた。
アビスは原型を留められず霧散していく。
ヒルチャール王者よりも大きな個体へと変化していたアビスは剣で仕留めることが難しく、何より通常の攻撃では特殊な鎧をまとっているようで刃が立たない。
そのため隊長が引きつける間にオロルンが撃ち抜く戦法になった。オロルンの視界ではアビスが纏う鎧の中で一番無防備だったのが顎下だったため、確実に狙うため咄嗟に足下へ座った。
だからこそ、隊長の頬を掠めた血飛沫が偶然にも口に触れた。
2262切り裂かれた隊長の頬から風を切って懐にいたオロルンの顔へ落ちてきた。
かすかにオロルンは肩を揺らす。
しかし。
「オロルン」
呼ばれた瞬間弓を引き絞り、巨大なアビスを顎下から撃ち抜いた。
アビスは原型を留められず霧散していく。
ヒルチャール王者よりも大きな個体へと変化していたアビスは剣で仕留めることが難しく、何より通常の攻撃では特殊な鎧をまとっているようで刃が立たない。
そのため隊長が引きつける間にオロルンが撃ち抜く戦法になった。オロルンの視界ではアビスが纏う鎧の中で一番無防備だったのが顎下だったため、確実に狙うため咄嗟に足下へ座った。
だからこそ、隊長の頬を掠めた血飛沫が偶然にも口に触れた。
watal_lll
MEMO隊長が本当にいなくなってしまった可能性について一人で考えていたら止まらなくなってしまったので妄想過多で吐き出しておく。カピオロだのイファオロだの要素一部含むのでご注意。 2242
watal_lll
PROGRESS前からそこまで進んでないが区切りいいので一旦週末進捗報告。前回の含めてるのでこれだけで読めるやつ。特に読まなくても支障はないが前作焔々の続き故隊長の糖度は高め。デートしようぜ!「隊長!デートにいこう!」
ファデュイ拠点。本来ここにいないはずのオロルンが背後から飛び付いてきた。気配はわかっていたから好きにさせていたわけだが、発した言葉が問題だ。まばらにいた部下達が一瞬で姿を消したので、目を輝かせている額を小突く。
「人前では?」
「……言わない約束。ごめん」
はっとして慌てて口を塞いでは耳を垂らす。耳の下に指を入れてみてもぺったりと張り付いていて、相当反省していることが伺える。結局絆されてしまうのだから誹りは甘んじて受けよう、と思っているが何故かどこからも聞こえて来ない。むしろオロルンはできることを見つけては隊員の仕事を率先して奪いにいくので、奪われまいと全体の士気が高まっている。今のも恐らく空気を読んだのもあるが、各々役目を果たしに行ったのだろう。
4614ファデュイ拠点。本来ここにいないはずのオロルンが背後から飛び付いてきた。気配はわかっていたから好きにさせていたわけだが、発した言葉が問題だ。まばらにいた部下達が一瞬で姿を消したので、目を輝かせている額を小突く。
「人前では?」
「……言わない約束。ごめん」
はっとして慌てて口を塞いでは耳を垂らす。耳の下に指を入れてみてもぺったりと張り付いていて、相当反省していることが伺える。結局絆されてしまうのだから誹りは甘んじて受けよう、と思っているが何故かどこからも聞こえて来ない。むしろオロルンはできることを見つけては隊員の仕事を率先して奪いにいくので、奪われまいと全体の士気が高まっている。今のも恐らく空気を読んだのもあるが、各々役目を果たしに行ったのだろう。
meleng_ggr
MEMO🎃ネタならやっぱ現パロかなって現パロのカピオロ(付き合ってる)の話。ひとつ目の呟き入ります。
🎃ネタカピオロ隊長がオロルンに会ったときにオロルンの格好が吸血鬼だったから「その格好は」って言った辺りでオロが「歯は自前だ」ってキリッとした顔で言ってくる。
あまりにもキリッとしてるから思わず隊長がふはって笑いこぼれる。
ムッてするオロルンに「随分とかわいい吸血鬼がいたものだ」って頭撫でる。(ここまで話しておいてなんだけど多分🎃パーティー的なやつだと思う)
オロルンはちょっと機嫌を直して片手を隊長に伸ばす。
「それなら血を吸わせるかお菓子をくれ」
「それは悪戯になるのか?」
「両方トリートでも僕は良い」
隊長はオロルンの頭をもうひと撫でしてから
「ならばどちらも渡そう」
と。オロルンは目をまたたかせてから少し顔をひそめる。
「君の悪戯は判断がつかない」
369あまりにもキリッとしてるから思わず隊長がふはって笑いこぼれる。
ムッてするオロルンに「随分とかわいい吸血鬼がいたものだ」って頭撫でる。(ここまで話しておいてなんだけど多分🎃パーティー的なやつだと思う)
オロルンはちょっと機嫌を直して片手を隊長に伸ばす。
「それなら血を吸わせるかお菓子をくれ」
「それは悪戯になるのか?」
「両方トリートでも僕は良い」
隊長はオロルンの頭をもうひと撫でしてから
「ならばどちらも渡そう」
と。オロルンは目をまたたかせてから少し顔をひそめる。
「君の悪戯は判断がつかない」