おいちゃ
PROGRESSめちゃ長くなる予定の万蛍ちゃん ──「死」。それはこのテイワットの理の外に座している蛍にも存在する概念であり、いずれ訪れる未来。遠ざけることは出来ても避けることは出来ないもの。数多の危機を乗り越えて来た蛍であるが、やはりその存在には身震いする。内側から破裂しそうなほどに沸騰する高熱をもたらす病、相手の剣の切っ先が己の喉へと差し迫る戦闘、──そして生涯共にあるだろうと信じて止まなかった半身との別れ。鳥肌立つ思い出を振り返ればキリがない。もし「死」がいつしか必ず直面する最大の恐怖であるならば、生きている今という時間は覚悟を決めるための猶予とでも言うのだろうか。そのために今日まで幾度も体験したくない出来事に身を置いてきたのだろうか。
25426まもり
DOODLE現パロ一話目。逆ハー乙女ゲーが書きたい欲望。恋するテイワット・カフェ「はー、疲れたぁ」
大学からの下校中、私は盛大な溜息をついた。本日何度目かはもはや分からない。
地獄の受験を乗り越え、念願のテイワット大学に入れたはいいものの…高校と違って一回一回が信じられないほどに長い授業、そして当然ながら内容は難しく。
(休みの数、逆にしてほしいなぁ)
入学して間もないというのに、早くも現実逃避をしてしまっているのだ。
折れた心を更に折るかの如く険しい坂道を進みつつ、私は商店街から漂ってくる揚げ物の匂いにまたもや溜息をつく。非常に、お腹が空いている。
立ち止まってゴソゴソとポケットを探り財布を取り出す。中身は案の定、百円玉が二枚だけ。
(無駄遣いは禁物、だよね)
海外で働いている両親からの仕送りは双子の兄・空と折半だ。そんなに沢山の額が振り込まれているわけではない。もちろん十分に感謝はしている。だからこそ、大事に大事につかいたいのだ。
4666大学からの下校中、私は盛大な溜息をついた。本日何度目かはもはや分からない。
地獄の受験を乗り越え、念願のテイワット大学に入れたはいいものの…高校と違って一回一回が信じられないほどに長い授業、そして当然ながら内容は難しく。
(休みの数、逆にしてほしいなぁ)
入学して間もないというのに、早くも現実逃避をしてしまっているのだ。
折れた心を更に折るかの如く険しい坂道を進みつつ、私は商店街から漂ってくる揚げ物の匂いにまたもや溜息をつく。非常に、お腹が空いている。
立ち止まってゴソゴソとポケットを探り財布を取り出す。中身は案の定、百円玉が二枚だけ。
(無駄遣いは禁物、だよね)
海外で働いている両親からの仕送りは双子の兄・空と折半だ。そんなに沢山の額が振り込まれているわけではない。もちろん十分に感謝はしている。だからこそ、大事に大事につかいたいのだ。
まもり
DONE万葉らしさを追求した作品です。雨の匂いを感じとってくださると幸いです。
雨あがりの番傘「うわ、また雨か」
蕎麦屋から出るなり髪を濡らした水滴に私はげんなりして声を漏らした。
スメールへ向かう日が決まるまで稲妻に滞在することとしたのだが、どうやら"梅雨"が訪れたらしいのだ。このジメジメした鬱陶しい気候はひと月ほど続くそうで、想像しただけで嫌気が差した。
慣れた様子で歩く稲妻人を見る。着物とやらは一見、さぞ暑かろうと思える格好なのだけれど。
『涼しいでござるよ、先人の知恵が詰まっておる』
のほほんとした、とある少年の台詞が蘇った。
稲妻での長旅に大いに関わりがあった男の子だ。年齢の割にどっしりと構えていて、剣の腕も頭脳も右に出る者はそういない。
とても頼りになる……が、時折真顔で嘘をつきからかってくる為油断は禁物だ。
11125蕎麦屋から出るなり髪を濡らした水滴に私はげんなりして声を漏らした。
スメールへ向かう日が決まるまで稲妻に滞在することとしたのだが、どうやら"梅雨"が訪れたらしいのだ。このジメジメした鬱陶しい気候はひと月ほど続くそうで、想像しただけで嫌気が差した。
慣れた様子で歩く稲妻人を見る。着物とやらは一見、さぞ暑かろうと思える格好なのだけれど。
『涼しいでござるよ、先人の知恵が詰まっておる』
のほほんとした、とある少年の台詞が蘇った。
稲妻での長旅に大いに関わりがあった男の子だ。年齢の割にどっしりと構えていて、剣の腕も頭脳も右に出る者はそういない。
とても頼りになる……が、時折真顔で嘘をつきからかってくる為油断は禁物だ。
まもり
DONE稲妻の魔神任務で万葉のムービーに感涙し、これらに万蛍要素があったならという妄想をした作品。指切り。嘘をついたその時は、稲妻に平和が訪れた次の日。
起きてから一時間が経過したというのに、私は未だふわふわとした感覚に包まれていた。
(当然か)
目狩り令の真実、淑女との死闘、そして影……。
現実感がまるでない体験をしたのだ。今日一日、ずっとこんな姿を晒しているかもしれない。
まあこれくらい許されるだろう。旅人は休憩、明日からまた頑張る。
寝転がり、煎餅の入った袋をズルズルとだらしなく引き寄せる。宵宮に勧められて中毒になっているお菓子だ。
(にしても、ほんと良かった)
外から聞こえてくる人々の明るい声に微笑んだ。これからの稲妻は見違えるほど素敵な国になる。確信があった。私は影と八重神子の邂逅をこの目で見たのだから。
(何度も死にかけたけどほんと良かった)
8244起きてから一時間が経過したというのに、私は未だふわふわとした感覚に包まれていた。
(当然か)
目狩り令の真実、淑女との死闘、そして影……。
現実感がまるでない体験をしたのだ。今日一日、ずっとこんな姿を晒しているかもしれない。
まあこれくらい許されるだろう。旅人は休憩、明日からまた頑張る。
寝転がり、煎餅の入った袋をズルズルとだらしなく引き寄せる。宵宮に勧められて中毒になっているお菓子だ。
(にしても、ほんと良かった)
外から聞こえてくる人々の明るい声に微笑んだ。これからの稲妻は見違えるほど素敵な国になる。確信があった。私は影と八重神子の邂逅をこの目で見たのだから。
(何度も死にかけたけどほんと良かった)
まもり
DONE万葉サンド。偽物と本物の違いに笑ってください。
おまけで「蛍がふたり」もあるよ!
万葉がふたりおはようのキス。
好きな人の口づけで目覚める……どんな感覚なんだろう。
バッサバッサと魔物を薙ぎ倒してきた私だが、密かに憧れる気持ちがあった。これでも一応女の子だし。
(……けど)
ここは稲妻のとある山林。やむを得ず野宿をした次の日の朝──何やら唇に柔らかい感触があり、私は瞼を開けた。……そこには。
「蛍、おはよう」
私に覆い被さる形で心底嬉しそうに笑う万葉がいた。眠気まなこが嫌でも覚めてきて……。
「あはは!寝ぼけているでござるか?……ならばもう一度起こそう」
ちょっぴり意地の悪い笑み。今、もう一度と言ったか?一体何を?あれ、そんなに顔を寄せたら唇が触れてしまう……。
「っわあああ!」
凄まじい勢いで突き飛ばしてしまった。草の中にどさりと落ちる万葉。はあはあ喘ぎながら身を起こす私。
7679好きな人の口づけで目覚める……どんな感覚なんだろう。
バッサバッサと魔物を薙ぎ倒してきた私だが、密かに憧れる気持ちがあった。これでも一応女の子だし。
(……けど)
ここは稲妻のとある山林。やむを得ず野宿をした次の日の朝──何やら唇に柔らかい感触があり、私は瞼を開けた。……そこには。
「蛍、おはよう」
私に覆い被さる形で心底嬉しそうに笑う万葉がいた。眠気まなこが嫌でも覚めてきて……。
「あはは!寝ぼけているでござるか?……ならばもう一度起こそう」
ちょっぴり意地の悪い笑み。今、もう一度と言ったか?一体何を?あれ、そんなに顔を寄せたら唇が触れてしまう……。
「っわあああ!」
凄まじい勢いで突き飛ばしてしまった。草の中にどさりと落ちる万葉。はあはあ喘ぎながら身を起こす私。
まもり
DONE少女漫画第二弾。頑張る蛍と小悪魔押せ押せ万葉が見どころ。
今日、告白します「え、いいの!?」
稲妻に平和が訪れ、抵抗軍が解体されてから一週間後の元屯所にて。
次なる目的地は決まっているのだが、まだ私にはどうしてもここにいなければならない理由があった。
「うむ。明日であろう?構わぬよ」
少年が朗らかに笑いながら持っていた荷物を地面に置く。解決したとは言え国家レベルで大規模な問題だったのだ、色々と後片付けが残っているらしくゴローの手伝いをしているのだそう。
彼の名は楓原万葉。稲妻を巡る旅で知り合い共に戦った仲間だ。とにかく優しい男の子で、惹かれていくのにそう時間はかからなかった。
率直に言う。私は彼が大好きだ。
(だから……)
新天地に向かう前に気持ちを伝えたい。これからは会う機会もあまりないだろうし、思い出が風化してしまわぬ内に告白、しなければ。そう考えて勇気を出し、彼を買い物に誘ってみたのだ。
8350稲妻に平和が訪れ、抵抗軍が解体されてから一週間後の元屯所にて。
次なる目的地は決まっているのだが、まだ私にはどうしてもここにいなければならない理由があった。
「うむ。明日であろう?構わぬよ」
少年が朗らかに笑いながら持っていた荷物を地面に置く。解決したとは言え国家レベルで大規模な問題だったのだ、色々と後片付けが残っているらしくゴローの手伝いをしているのだそう。
彼の名は楓原万葉。稲妻を巡る旅で知り合い共に戦った仲間だ。とにかく優しい男の子で、惹かれていくのにそう時間はかからなかった。
率直に言う。私は彼が大好きだ。
(だから……)
新天地に向かう前に気持ちを伝えたい。これからは会う機会もあまりないだろうし、思い出が風化してしまわぬ内に告白、しなければ。そう考えて勇気を出し、彼を買い物に誘ってみたのだ。
まもり
DONEキーとなるのは和歌。万蛍でしか書けない話だと思っています。一番お気に入り(激重だけど)。
五月雨の「ワカ?」
「うむ、字はこう書くでござるよ」
和、歌。
難しい言葉だ。
万葉が木の枝で地面をざりざりと削って書いたその文字はとても難解で、十分後には忘れてしまいそうだと思った。
──抵抗軍に迎え入れられた私は、幕府軍との激突に備えて軍議に参加したり鍛錬に励んだりしていた。
雷電将軍……たった一度相見えただけで絶望的な力の差を思い知った。生半可な覚悟では到底敵わないだろう。九条裟羅の存在も忘れてはならない。
とは言えど、二十四時間気を張っているなど不可能で。
折れてしまった木の枝を残念そうに埋葬してあげている彼を見る。
白銀の髪の少年・楓原万葉。
まさかの再会を果たした私たちはすっかり仲良くなり、毎日こうして話をしている。
9624「うむ、字はこう書くでござるよ」
和、歌。
難しい言葉だ。
万葉が木の枝で地面をざりざりと削って書いたその文字はとても難解で、十分後には忘れてしまいそうだと思った。
──抵抗軍に迎え入れられた私は、幕府軍との激突に備えて軍議に参加したり鍛錬に励んだりしていた。
雷電将軍……たった一度相見えただけで絶望的な力の差を思い知った。生半可な覚悟では到底敵わないだろう。九条裟羅の存在も忘れてはならない。
とは言えど、二十四時間気を張っているなど不可能で。
折れてしまった木の枝を残念そうに埋葬してあげている彼を見る。
白銀の髪の少年・楓原万葉。
まさかの再会を果たした私たちはすっかり仲良くなり、毎日こうして話をしている。
まもり
DONE万葉→→→→→蛍くらいの矢印。万葉のカッコ良さと可愛さ両方を出せるよう頑張りました。トーマにジェラる姿に萌えてください。
万葉くんのジェラシー稲妻へと航海中の死兆星号。
激しい嵐をどうにか乗り越え、永遠の国まであと一歩という所まで到達していた。
穏やかな潮風が髪をなびかせる。昼食を済ませた私は甲板に座って、流浪の少年・楓原万葉の声に耳を傾けていた。
「…といった、画期的な作戦で彼は見事自軍を勝利に導いたでござるよ」
「すごい!賢い!!」
今聴いていたのは昔に稲妻で起きた戦の話。機転をきかせて劣勢をひっくり返し、城を落とした凄腕軍師とやら……らしい。万葉は難しい言葉を沢山知っていて最初はちんぷんかんぷんで頷いていたのだが、そんな私に気付いて途中からは噛み砕きながら説明してくれた。彼の頭の良さが窺える。
「そこまで思い通りに進んだら気持ちいいだろうね、面白い〜!」
8500激しい嵐をどうにか乗り越え、永遠の国まであと一歩という所まで到達していた。
穏やかな潮風が髪をなびかせる。昼食を済ませた私は甲板に座って、流浪の少年・楓原万葉の声に耳を傾けていた。
「…といった、画期的な作戦で彼は見事自軍を勝利に導いたでござるよ」
「すごい!賢い!!」
今聴いていたのは昔に稲妻で起きた戦の話。機転をきかせて劣勢をひっくり返し、城を落とした凄腕軍師とやら……らしい。万葉は難しい言葉を沢山知っていて最初はちんぷんかんぷんで頷いていたのだが、そんな私に気付いて途中からは噛み砕きながら説明してくれた。彼の頭の良さが窺える。
「そこまで思い通りに進んだら気持ちいいだろうね、面白い〜!」
まもり
DONE両片想いのもどかしさは正義だと思って書いた作品です。甘い鎖生まれて初めて恋をした。
(か、かっこいい……)
死兆星号から少し離れた所の浜辺。
船を訪ねてみると彼がいなかったもので、ならおそらくこの辺りだろうと駆け足で来た。頻繁に遊びに来ているせいか彼の行動範囲が何となく分かってきて勝手にひとり鼻を高くする。
お目当ての少年は既に見つけていて、木の後ろからこそりと眺める。どうやら鍛錬中らしく真剣な表情で刀を振っていた。
永遠の国・稲妻から来たという彼の名は、楓原万葉。
きめ細かく真っ白な肌は雪のよう。その中で輝く緋色の瞳は、コントラストも相まって目を合わせると一瞬射抜かれたかのような錯覚に陥ってしまう。
優美だが凛とした強さも感じられる……そんな少年に、私は恋心を抱いている。
11101(か、かっこいい……)
死兆星号から少し離れた所の浜辺。
船を訪ねてみると彼がいなかったもので、ならおそらくこの辺りだろうと駆け足で来た。頻繁に遊びに来ているせいか彼の行動範囲が何となく分かってきて勝手にひとり鼻を高くする。
お目当ての少年は既に見つけていて、木の後ろからこそりと眺める。どうやら鍛錬中らしく真剣な表情で刀を振っていた。
永遠の国・稲妻から来たという彼の名は、楓原万葉。
きめ細かく真っ白な肌は雪のよう。その中で輝く緋色の瞳は、コントラストも相まって目を合わせると一瞬射抜かれたかのような錯覚に陥ってしまう。
優美だが凛とした強さも感じられる……そんな少年に、私は恋心を抱いている。
まもり
DONE少女漫画全開。キュンとしてくださると幸いです。付き合いたての蛍ちゃん「おまえ、最近おかしくないか?」
璃月港で買い物をしていると、突然パイモンがそう聞いてきた。
「おかしい?」
キョトンとして、新作の棚に置いてある化粧品を持ったまま聞き返す。
「ソワソワし出したかと思えばほっぺた赤くしてブンブン頭振って。今持ってるそれもそうだが、服だの靴だの気にも留めてこなかったような物買い出して」
「……!」
「気のせいだよ」、そう言って化粧品を棚に戻し、そそくさと依頼されていたヒルチャール退治に向かう。
(パイモン、変なところで鋭いんだから……)
思うと同時に、そんなに分かりやすかったのかと恥ずかしくなる。
パイモンの言う通りろくに着飾ることに興味のなかった自分が近頃女の子に人気の店をリサーチして通うようになったのは明確な理由がある。
5065璃月港で買い物をしていると、突然パイモンがそう聞いてきた。
「おかしい?」
キョトンとして、新作の棚に置いてある化粧品を持ったまま聞き返す。
「ソワソワし出したかと思えばほっぺた赤くしてブンブン頭振って。今持ってるそれもそうだが、服だの靴だの気にも留めてこなかったような物買い出して」
「……!」
「気のせいだよ」、そう言って化粧品を棚に戻し、そそくさと依頼されていたヒルチャール退治に向かう。
(パイモン、変なところで鋭いんだから……)
思うと同時に、そんなに分かりやすかったのかと恥ずかしくなる。
パイモンの言う通りろくに着飾ることに興味のなかった自分が近頃女の子に人気の店をリサーチして通うようになったのは明確な理由がある。
まもり
DONE万葉視点。IFルート・奮起前の万葉としてお楽しみください。
銀世界での誓いいつから自分はこんなにも脆くなってしまったのであろうか。
「あ、万葉みっけ」
海辺の崖下にある木陰。
潮風が吹き、植物の匂いに包まれて静かに過ごすことができる、ちょっとした穴場。
定期的に訪れるこの場所で今日も寝転んでいると、彼女がやって来た。
「蛍……。おはよう」
「あはは、寝起きの顔だ」
からからと笑いながら横に座ってくる蛍。
目を擦り、ゆっくりと身を起こした。
「あのね、さっきパイモンがね…」
笑いを我慢できないといった風に話し始める彼女。
(随分と長い付き合いのような気がするが……)
この少女と知り合ってからまだ三月(みつき)も経ってはいない。
「稲妻へ行きたい」と言い突如として現れた彼女は、強い決意を秘めたその瞳から受けた印象通りの勇敢さを持っていた。
5366「あ、万葉みっけ」
海辺の崖下にある木陰。
潮風が吹き、植物の匂いに包まれて静かに過ごすことができる、ちょっとした穴場。
定期的に訪れるこの場所で今日も寝転んでいると、彼女がやって来た。
「蛍……。おはよう」
「あはは、寝起きの顔だ」
からからと笑いながら横に座ってくる蛍。
目を擦り、ゆっくりと身を起こした。
「あのね、さっきパイモンがね…」
笑いを我慢できないといった風に話し始める彼女。
(随分と長い付き合いのような気がするが……)
この少女と知り合ってからまだ三月(みつき)も経ってはいない。
「稲妻へ行きたい」と言い突如として現れた彼女は、強い決意を秘めたその瞳から受けた印象通りの勇敢さを持っていた。
まもり
DONE愛され蛍の三角関係。魈→蛍←万葉。レスバ強そうな万葉くんになりました。
蛍取り合い合戦(なんでこんなことに……)
目の前でバチバチと火花を散らす少年2人に溜息をつく。
どうすればいいのか皆目見当もつかなかった。
──事の発端は万葉からのお誘いだ。
ある昼下がり。
モラ不足の為、璃月港でトレジャーハントをしていると。
「蛍」
独特な落ち着きのある声がした。
確信を持って振り向くと、案の定そこには。
「か、万葉!なんでここに」
流浪の少年・楓原万葉が立っていた。
取りこぼした聖遺物を探して乙女らしからぬ四つん這いっぷりを晒していたもので、慌てて飛び起きる。
「たまには拙者から声を掛けてお主を驚かすのも一興と思ってな」
あまりにもレアな光景に脳内スパークを起こしてしまい百面相する。
基本的に超・自由人な彼は、何処で何をしているのか誰も把握していない。
4445目の前でバチバチと火花を散らす少年2人に溜息をつく。
どうすればいいのか皆目見当もつかなかった。
──事の発端は万葉からのお誘いだ。
ある昼下がり。
モラ不足の為、璃月港でトレジャーハントをしていると。
「蛍」
独特な落ち着きのある声がした。
確信を持って振り向くと、案の定そこには。
「か、万葉!なんでここに」
流浪の少年・楓原万葉が立っていた。
取りこぼした聖遺物を探して乙女らしからぬ四つん這いっぷりを晒していたもので、慌てて飛び起きる。
「たまには拙者から声を掛けてお主を驚かすのも一興と思ってな」
あまりにもレアな光景に脳内スパークを起こしてしまい百面相する。
基本的に超・自由人な彼は、何処で何をしているのか誰も把握していない。
まもり
DONE初めて書いた、記念すべき小説作品です。恋の始まりがテーマの万蛍。
この気持ちは…「万葉!」
璃月港近くのとある森。
大きく手を振りながら駆け寄ると、汗を拭いながら彼がこちらを向いてくれた。
楓原万葉。
どこか浮世離れした空気感のある、大人びた少年。
知り合ってひと月が経過し、気が付くとこうして会いに来るようになっていた。
(穏やかで、一緒にいると何だか落ち着くんだよね)
「おはよう、蛍」
「おはよう!……あ、えっと、お邪魔した?」
彼の足元を見ると、縄や木材、斧が置かれていた。よく分からないが作業中なのだろう。
「構わぬ。丁度休憩しようと思っていたでござる」
「良かった。なら、ご一緒しちゃおうかな」
持参したバスケットを見せて笑いかけると万葉が控えめな笑みを返してくれた。
(万葉のこういう表情、好きだなぁ)
4149璃月港近くのとある森。
大きく手を振りながら駆け寄ると、汗を拭いながら彼がこちらを向いてくれた。
楓原万葉。
どこか浮世離れした空気感のある、大人びた少年。
知り合ってひと月が経過し、気が付くとこうして会いに来るようになっていた。
(穏やかで、一緒にいると何だか落ち着くんだよね)
「おはよう、蛍」
「おはよう!……あ、えっと、お邪魔した?」
彼の足元を見ると、縄や木材、斧が置かれていた。よく分からないが作業中なのだろう。
「構わぬ。丁度休憩しようと思っていたでござる」
「良かった。なら、ご一緒しちゃおうかな」
持参したバスケットを見せて笑いかけると万葉が控えめな笑みを返してくれた。
(万葉のこういう表情、好きだなぁ)