ことにゃ
DONEバーベナ本用に描き下ろしたやつ絶望の笑顔「あれ、あの子」
「……先輩?」
「エリスくんにフローリーさん! 今日のペア、君だったんだね!」
寮対抗のマジックモートゥス大会も終わって、学校内のお祭りムードがだんだんと引けて来た頃。先輩――赤寮の、フィービー・マレット先輩と任務の集合場所で鉢合わせたのは、朝の冷たい空気にすっかり慣れてきた一一月の末のことだった。
嬉し気な笑顔でこちらへ駆け寄ってくる先輩に、こちらに対する敵意や悪意なんかは全く感じない。それが、ありがたい反面複雑だった。……俺は、一年前までこの人に対してひどい対応をしていたから。一年の頃、任務で一緒になった彼女に、俺はひどい言葉をいくつも投げた。生家で刷り込まれていた純血主義と、赤寮所属ということに対する嫉妬。生きていくためには欠片も役に立たないそんな感情を、俺は彼女に突き刺していた。あまりにも情けない話だ。そうして、愚かだった俺はそんな対応をしばらくの間続けていたのだ。
9684「……先輩?」
「エリスくんにフローリーさん! 今日のペア、君だったんだね!」
寮対抗のマジックモートゥス大会も終わって、学校内のお祭りムードがだんだんと引けて来た頃。先輩――赤寮の、フィービー・マレット先輩と任務の集合場所で鉢合わせたのは、朝の冷たい空気にすっかり慣れてきた一一月の末のことだった。
嬉し気な笑顔でこちらへ駆け寄ってくる先輩に、こちらに対する敵意や悪意なんかは全く感じない。それが、ありがたい反面複雑だった。……俺は、一年前までこの人に対してひどい対応をしていたから。一年の頃、任務で一緒になった彼女に、俺はひどい言葉をいくつも投げた。生家で刷り込まれていた純血主義と、赤寮所属ということに対する嫉妬。生きていくためには欠片も役に立たないそんな感情を、俺は彼女に突き刺していた。あまりにも情けない話だ。そうして、愚かだった俺はそんな対応をしばらくの間続けていたのだ。
ことにゃ
DONEバーベナ本用に書き下ろしたやつ咲 それは、なんでもない、日常のある日だった。二十人程度の大規模任務の募集が出ていたから習慣的に申し込みをして、事前準備物や現場の規模、想定されるエネミーの数なんかのお知らせが来たのが数日前。そして、今日はその大規模任務の当日である。
大規模任務と言っても、一斉に二十人が同じ場所で戦うわけではない。指揮を執るのが大変になるし、乱戦では味方を傷つけてしまう可能性があるから。たいていは、二人から五人ぐらいずつに分かれて戦場に出る。
そんなわけで、今日私が一緒に戦うのは、みんな別の寮の人たちだった。
「先ほどもあったように、本日こちらのチームのリーダーを務めさせていただくことになりました。クロコディールス・ウィリディス寮四年監督生、アマーリエ・ラニウスと申します」
13014大規模任務と言っても、一斉に二十人が同じ場所で戦うわけではない。指揮を執るのが大変になるし、乱戦では味方を傷つけてしまう可能性があるから。たいていは、二人から五人ぐらいずつに分かれて戦場に出る。
そんなわけで、今日私が一緒に戦うのは、みんな別の寮の人たちだった。
「先ほどもあったように、本日こちらのチームのリーダーを務めさせていただくことになりました。クロコディールス・ウィリディス寮四年監督生、アマーリエ・ラニウスと申します」
ことにゃ
PASTリアリアSS木漏れ日の影で 授業が終わって、お昼時の休み時間。なんとなく人口密度の高い食堂で食べる気にはならなかったから、軽食を買って外に出ることにした。目指す先は、日当たりのいい広場である。眩しい日差しに目を眇めながら、どこか良い場所は無いかと広場内に視線を走らせていると、木陰に、愛おしい青を見つけた。読書中なのだろう、いつも通りきれいな姿勢のまま、本に視線を落としているそのひとに近づいて行って、声を掛ける。
「珍しいですね、リア寮長」
ぱちり、瞬きを一つ。それから視線が、本から私の顔に上がってきた。鮮やかな青と目が合う。
「リア……これから昼食かしら?」
首を傾げながら問われる。さらりと彼女の前髪が崩れて、一房垂れた。
「ええ。隣、良いです?」
1835「珍しいですね、リア寮長」
ぱちり、瞬きを一つ。それから視線が、本から私の顔に上がってきた。鮮やかな青と目が合う。
「リア……これから昼食かしら?」
首を傾げながら問われる。さらりと彼女の前髪が崩れて、一房垂れた。
「ええ。隣、良いです?」
ことにゃ
PAST白羽さんへの誕生日プレゼントに書いたやつ クルア君お借りしました!!クルア君とアメリアの、結婚式がおわったあとのはなしです
手を伸ばした背は、やはり男性のそれだった。 今日の朝初めて入ったばかりのはずなのに、どこか懐かしささえ感じる控え室。その扉を閉めて、ふうと一つ息を吐いた。
式が終わり、披露宴が終わり、来てくださった方々への見送りも終えた。今日ずっと手伝ってくれた両家親族や式場スタッフの方々にもそれぞれ挨拶をしてあとは着替えて帰るだけ。もちろん式はとても良いものだったし、私自身も良い経験ができたと思っている。けれど、それはそうとして、普段はしないような装いで一日過ごすのは……純粋に疲れた。はやくいつも通りの服装に戻ってしまおう、と披露宴用に仕立てたブルーのドレスを脱いでいく。着る時ほどではないものの脱ぐ時もそれなりに手順を踏まなければいけないこのドレスは、彼――今日から夫となった、クルアと一緒に選んだものだった。
2052式が終わり、披露宴が終わり、来てくださった方々への見送りも終えた。今日ずっと手伝ってくれた両家親族や式場スタッフの方々にもそれぞれ挨拶をしてあとは着替えて帰るだけ。もちろん式はとても良いものだったし、私自身も良い経験ができたと思っている。けれど、それはそうとして、普段はしないような装いで一日過ごすのは……純粋に疲れた。はやくいつも通りの服装に戻ってしまおう、と披露宴用に仕立てたブルーのドレスを脱いでいく。着る時ほどではないものの脱ぐ時もそれなりに手順を踏まなければいけないこのドレスは、彼――今日から夫となった、クルアと一緒に選んだものだった。
ことにゃ
DONE11/15のいい遺言の日に乗っかって考えたうちの子たちの今際の際の言葉さいごのことばとおもいミキ
→?
「やっと、あえるのかな」
テディ
→?
「なぁ、お前の繋いだ俺の命で、たくさんの人が助かったぜ」
だから、もう、いいだろう?
→ターニャちゃん(あやみさん宅)
「はは、らしくないぞ、タチアナ。……大丈夫、お前は、強いんだから」
お前を生かせて、それだけでも良かったと、俺は思えたよ
エリス
→フローリー
「……最後の命令だ、フローレンス。自由に、生きろ」
最後にわがまま言って、ごめんな
→アマーリエちゃん(すふちゃん宅)
気に病まないで、って言っても、どうせアンタは無理だろうから、せめて。
「先輩、敵討ち、お願いします」
フローリー
→エリス
「よかったぁ、間に合って……ねぇ、エリス。ちゃんと、見返してやるんだよ」
フェデ
541→?
「やっと、あえるのかな」
テディ
→?
「なぁ、お前の繋いだ俺の命で、たくさんの人が助かったぜ」
だから、もう、いいだろう?
→ターニャちゃん(あやみさん宅)
「はは、らしくないぞ、タチアナ。……大丈夫、お前は、強いんだから」
お前を生かせて、それだけでも良かったと、俺は思えたよ
エリス
→フローリー
「……最後の命令だ、フローレンス。自由に、生きろ」
最後にわがまま言って、ごめんな
→アマーリエちゃん(すふちゃん宅)
気に病まないで、って言っても、どうせアンタは無理だろうから、せめて。
「先輩、敵討ち、お願いします」
フローリー
→エリス
「よかったぁ、間に合って……ねぇ、エリス。ちゃんと、見返してやるんだよ」
フェデ
ことにゃ
DONEクルアくんとアメリアの結婚式当日、式本番直前のはなしいつかのように、彼女の前で泣くのだけは御免だった「幸せになってください」
美麗なウエディングドレスに身を包んだ彼女がそう言ったのは、結婚式本番直前、控え室での出来事だった。
「……それは、どういうことだ?」
少し考えたものの、言葉の意図がいまいち掴めなくて聞き返せば、「すいません、言葉が足りませんでしたね」とすぐに謝罪が返ってきた。
「私とあなたは、傍から見れば政略結婚だと、そう思われるでしょう。実際、貴方からしたらそうでしょうし」
彼女から発せられる言葉達が、とても式直前に話す内容ではなくて少し困惑する。思わず首を傾げた俺に、彼女は薄く笑ってからまた口を開いた。
「けれど、私が望むのは形だけの家族ではありません。私とともに努力し、家を守り育てて行ける婿が望ましかった」
914美麗なウエディングドレスに身を包んだ彼女がそう言ったのは、結婚式本番直前、控え室での出来事だった。
「……それは、どういうことだ?」
少し考えたものの、言葉の意図がいまいち掴めなくて聞き返せば、「すいません、言葉が足りませんでしたね」とすぐに謝罪が返ってきた。
「私とあなたは、傍から見れば政略結婚だと、そう思われるでしょう。実際、貴方からしたらそうでしょうし」
彼女から発せられる言葉達が、とても式直前に話す内容ではなくて少し困惑する。思わず首を傾げた俺に、彼女は薄く笑ってからまた口を開いた。
「けれど、私が望むのは形だけの家族ではありません。私とともに努力し、家を守り育てて行ける婿が望ましかった」
ことにゃ
DONEバーベナ七夕創作ミーナちゃん、キースくん、ユリウスさん、カザミ先輩お借りしました。
わたしのねがいごと 己の出身国である日本の風習の一つ、七夕の話を寮の談話室で話題に出したのは、本当に何気なくだった。……いや、本当は、少しだけ、故郷や家に対する懐かしさたいなものはあったのかもしれないけど、それでもほとんど無意識下のそれだった。
同郷であるキースやゼン先輩とその話題で盛り上がり、そこにミーナとロゼッタさんが加わり「七夕」の説明を三人でして、そうこうしているうちに気づけばその場に全員の白寮寮生と、どこから聞きつけたのか、知り合いの他寮生の何人かまで集まっていた。
そうして、気づけば我がアングレス・アルブス寮の好奇心と行動力を兼ね合わせる寮長によって短冊を飾るための笹が用意されていたのだった。
「お待たせしました」
2800同郷であるキースやゼン先輩とその話題で盛り上がり、そこにミーナとロゼッタさんが加わり「七夕」の説明を三人でして、そうこうしているうちに気づけばその場に全員の白寮寮生と、どこから聞きつけたのか、知り合いの他寮生の何人かまで集まっていた。
そうして、気づけば我がアングレス・アルブス寮の好奇心と行動力を兼ね合わせる寮長によって短冊を飾るための笹が用意されていたのだった。
「お待たせしました」
ことにゃ
DONEす麩ちゃんに贈ったクリスマスプレゼント。クルール君お借りしました。
バーベナ派生作品です。
クルール・ドレイパーという少年は、「あっ、やっほー、元気してた?」
一瞬、それが自分に対して掛けられた声だと気づかなかった。一瞬遅れてでも反応が出来たのは、その声が聞き覚えのあるものだったからだ。
「……クルール君?」
確かめるように名前を呼べば、彼はくしゃりと笑う。それは、私の良く知る笑い方だった。
「なになに?オレのこと忘れちゃったわけ?寂しいなーもう」
「違うよ、あんまり久しぶりだったからびっくりしただけ」
「えー、本当?無理やり誤魔化しただけじゃない?」
首を傾けたクルール君に、疑うように下から覗き込まれる。それに反論するより早く、クルール君が「ま、どっちでもいいけど」なんて言ってからりと笑った。その冷たいんだかなんだか良く分からない温度感に、なんだか懐かしさを感じる。そうそう、彼と言えばこんな感じだった。
2167一瞬、それが自分に対して掛けられた声だと気づかなかった。一瞬遅れてでも反応が出来たのは、その声が聞き覚えのあるものだったからだ。
「……クルール君?」
確かめるように名前を呼べば、彼はくしゃりと笑う。それは、私の良く知る笑い方だった。
「なになに?オレのこと忘れちゃったわけ?寂しいなーもう」
「違うよ、あんまり久しぶりだったからびっくりしただけ」
「えー、本当?無理やり誤魔化しただけじゃない?」
首を傾けたクルール君に、疑うように下から覗き込まれる。それに反論するより早く、クルール君が「ま、どっちでもいいけど」なんて言ってからりと笑った。その冷たいんだかなんだか良く分からない温度感に、なんだか懐かしさを感じる。そうそう、彼と言えばこんな感じだった。
ことにゃ
DONE深夜、ふと目が覚めてしまったテディの話幻影 ふと、意識が浮上した。視界に移る世界は薄暗い。どうやら妙な時間に目が覚めてしまったらしい。
ベッドから体を起こすと、思ったより肌寒くてぶるりと体が震えた。
「さむ」
音にはならなかった呟きを零して、ガウンを羽織る。それから同室の連中を起こさないように、足音を消して自室から抜け出した。
寮の談話室を出て、気の赴くまま、夜のモーンストロムを歩く。図書館、食堂、購買を通り過ぎて、気付けば辿り着いた先は中庭だった。
ぶるり、屋外に出たことによって下がった気温に、また身体が震える。羽織ったガウンの前を合わせた。
昼間は魔法の練習をする生徒や休憩に来た生徒で明るく賑わうそこも、今は月の光が静かに照らすばかりだ。
1169ベッドから体を起こすと、思ったより肌寒くてぶるりと体が震えた。
「さむ」
音にはならなかった呟きを零して、ガウンを羽織る。それから同室の連中を起こさないように、足音を消して自室から抜け出した。
寮の談話室を出て、気の赴くまま、夜のモーンストロムを歩く。図書館、食堂、購買を通り過ぎて、気付けば辿り着いた先は中庭だった。
ぶるり、屋外に出たことによって下がった気温に、また身体が震える。羽織ったガウンの前を合わせた。
昼間は魔法の練習をする生徒や休憩に来た生徒で明るく賑わうそこも、今は月の光が静かに照らすばかりだ。
ことにゃ
DONEスターチスを求めて(バーベナの花が咲く頃にの派生作品)のシナリオとりあえずこれで完成
スターチスを求めて/P.1/
期末試験も終わって、後はダンスパーティーが残るばかりのモーンストロム魔法学校。僕は、この魔法学校に所属する4年生だ。寮は、黄寮なんて呼ばれるオウィス・フラーウム寮。成績だって平均程度で、特に目立つこともないような、一般的な生徒だ。
そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。
29820期末試験も終わって、後はダンスパーティーが残るばかりのモーンストロム魔法学校。僕は、この魔法学校に所属する4年生だ。寮は、黄寮なんて呼ばれるオウィス・フラーウム寮。成績だって平均程度で、特に目立つこともないような、一般的な生徒だ。
そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。
ことにゃ
PROGRESSバーベナの花が咲く頃にの派生作品のシナリオ これで終わりですスターチスを求めて⑤
/P.27/
*翌日へ/三日目/
その日の授業を全て受けたあと、僕はまた寮長会議に呼び出されていた。けれど、数日前に呼び出された時以上の不安感は無かった。フェデリーコ先輩にも手伝って貰ったし、情報を集めるだけは集めた。僕が犯人ではないことは証明できなくとも、僕以外にも怪しい生徒が居ることぐらいは伝えられるはずだ。
「……よし」
いつものように、一人呟いてこぶしを握る。それから、コンコンコンと目の前を扉をノックした。
「どうぞ」
あっ、今回はアメリア寮長だ。思いながら、扉を開けて「失礼します」と声を張った。
「それで、どうでしたか。この三日間。何かと、調べていたようですが」
入って早々、アメリア寮長にそう問われる。それに、「はい」と返して話し始めた。
1813*翌日へ/三日目/
その日の授業を全て受けたあと、僕はまた寮長会議に呼び出されていた。けれど、数日前に呼び出された時以上の不安感は無かった。フェデリーコ先輩にも手伝って貰ったし、情報を集めるだけは集めた。僕が犯人ではないことは証明できなくとも、僕以外にも怪しい生徒が居ることぐらいは伝えられるはずだ。
「……よし」
いつものように、一人呟いてこぶしを握る。それから、コンコンコンと目の前を扉をノックした。
「どうぞ」
あっ、今回はアメリア寮長だ。思いながら、扉を開けて「失礼します」と声を張った。
「それで、どうでしたか。この三日間。何かと、調べていたようですが」
入って早々、アメリア寮長にそう問われる。それに、「はい」と返して話し始めた。
ことにゃ
PROGRESSバーベナの花が咲く頃にの派生作品のシナリオ④スターチスを求めて④
/P.20/
*もう調べることが無いので、一度寮に戻り情報をまとめる
昨日アメリア寮長から得た情報に関しては、調べつくしてしまった。けれど、まだ真犯人に関してや僕が犯人ではないという事に関して、決定的な証拠を得ることは出来ていない。肩を落とし、トボトボと歩きながら寮に戻る。談話室を通り抜けて、自室に戻ってベットに転がった。幸いと言うかなんというか、他の三人はちょうど今ここには居ないみたいだった。
「どうしよう……」
いつかのように一人呟く。自分の両目を腕で覆って、黒くなった視界で考えた。
アメリア寮長は、目撃証言についてはクルールくんに、証拠品に関してはエミリア・ロンサール先輩に聞くように言った。その通りに彼と彼女の元に行ったけど、得られた情報は多いとは言えない。クルール君から、僕らしき人が図書館の西側、つまり赤寮と緑寮側に走って行ったという情報を得ることはできたけれど、でもよくよく考えたら人が来たから反対方向に逃げて行っただけかもしれない。
6814*もう調べることが無いので、一度寮に戻り情報をまとめる
昨日アメリア寮長から得た情報に関しては、調べつくしてしまった。けれど、まだ真犯人に関してや僕が犯人ではないという事に関して、決定的な証拠を得ることは出来ていない。肩を落とし、トボトボと歩きながら寮に戻る。談話室を通り抜けて、自室に戻ってベットに転がった。幸いと言うかなんというか、他の三人はちょうど今ここには居ないみたいだった。
「どうしよう……」
いつかのように一人呟く。自分の両目を腕で覆って、黒くなった視界で考えた。
アメリア寮長は、目撃証言についてはクルールくんに、証拠品に関してはエミリア・ロンサール先輩に聞くように言った。その通りに彼と彼女の元に行ったけど、得られた情報は多いとは言えない。クルール君から、僕らしき人が図書館の西側、つまり赤寮と緑寮側に走って行ったという情報を得ることはできたけれど、でもよくよく考えたら人が来たから反対方向に逃げて行っただけかもしれない。
ことにゃ
PROGRESSスターチスを求めて ①~③まとめ ゲームブック形式/P.1/
期末試験も終わって、後はダンスパーティーが残るばかりのモーンストロム魔法学校。僕は、この魔法学校に所属する4年生だ。寮は、黄寮なんて呼ばれるオウィス・フラーウム寮。成績だって平均程度で、特に目立つこともないような、一般的な生徒だ。
そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。
19569期末試験も終わって、後はダンスパーティーが残るばかりのモーンストロム魔法学校。僕は、この魔法学校に所属する4年生だ。寮は、黄寮なんて呼ばれるオウィス・フラーウム寮。成績だって平均程度で、特に目立つこともないような、一般的な生徒だ。
そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。
ことにゃ
PROGRESSバーベナ花が咲く頃にの派生作品のシナリオ情報収集パート①改スターチスを求めて③*①クルール・ドレイパーのところに行く
*②エミリア・ロンサールのところに行く
*③一度フェデリーコ先輩の元へ戻る
/*フェデリーコの元へ行くと情報をまとめて、今後するべきことを教えてくれる。ショートカットしても良い選択肢*/
①クルール・ドレイパーのところに行く
クルール・ドレイパーは、どうやらこの時間飛行訓練だったらしく外に居た。自寮以外の、関わったことも無い先輩に声をかけるのは正直怖い。……けど、これを乗り越えなければ、僕はもっと大変な目に合ってしまうかもしれないんだ。
よし、と小さく呟いて顔を上げると、さっきまでそこに居たはずのクルール・ドレイパー先輩は居なくなっていた。あれ!?どうして、さっきまでそこに居たのに!慌てて辺りを見回そうとしたところで、背後からぽんと手を肩に置かれた。
4703*②エミリア・ロンサールのところに行く
*③一度フェデリーコ先輩の元へ戻る
/*フェデリーコの元へ行くと情報をまとめて、今後するべきことを教えてくれる。ショートカットしても良い選択肢*/
①クルール・ドレイパーのところに行く
クルール・ドレイパーは、どうやらこの時間飛行訓練だったらしく外に居た。自寮以外の、関わったことも無い先輩に声をかけるのは正直怖い。……けど、これを乗り越えなければ、僕はもっと大変な目に合ってしまうかもしれないんだ。
よし、と小さく呟いて顔を上げると、さっきまでそこに居たはずのクルール・ドレイパー先輩は居なくなっていた。あれ!?どうして、さっきまでそこに居たのに!慌てて辺りを見回そうとしたところで、背後からぽんと手を肩に置かれた。
ことにゃ
PROGRESSバーベナの花が咲く頃にの派生作品のシナリオ情報収集パート②スターチスを求めて③*①クルール・ドレイパーのところに行く
*②エミリア・ロンサールのところに行く
*③一度フェデリーコ先輩の元へ戻る
/*フェデリーコの元へ行くと情報をまとめて、今後するべきことを教えてくれる。ショートカットしても良い選択肢*/
①クルール・ドレイパーのところに行く
クルール・ドレイパーは、どうやらこの時間飛行訓練だったらしく外に居た。自寮以外の、関わったことも無い先輩に声をかけるのは正直怖い。……けど、これを乗り越えなければ、僕はもっと大変な目に合ってしまうかもしれないんだ。
よし、と小さく呟いて顔を上げると、さっきまでそこに居たはずのクルール・ドレイパー先輩は居なくなっていた。あれ!?どうして、さっきまでそこに居たのに!慌てて辺りを見回そうとしたところで、背後からぽんと手を肩に置かれた。
4670*②エミリア・ロンサールのところに行く
*③一度フェデリーコ先輩の元へ戻る
/*フェデリーコの元へ行くと情報をまとめて、今後するべきことを教えてくれる。ショートカットしても良い選択肢*/
①クルール・ドレイパーのところに行く
クルール・ドレイパーは、どうやらこの時間飛行訓練だったらしく外に居た。自寮以外の、関わったことも無い先輩に声をかけるのは正直怖い。……けど、これを乗り越えなければ、僕はもっと大変な目に合ってしまうかもしれないんだ。
よし、と小さく呟いて顔を上げると、さっきまでそこに居たはずのクルール・ドレイパー先輩は居なくなっていた。あれ!?どうして、さっきまでそこに居たのに!慌てて辺りを見回そうとしたところで、背後からぽんと手を肩に置かれた。
ことにゃ
PROGRESSバーベナの花が咲く頃にの派生作品のシナリオ情報収集パート①
スターチスを求めて②「どうしよう……」
僕は現在、寮の談話室で頭を抱えていた。元気に「はい!」と返事をしたはいいけど、そんな、本を持ち出した犯人捜しだなんて。探偵の真似事のようなこと、冷静に考えて僕にできるんだろうか。考えれば考えるほど、僕がやってないことを証明するなんて無理な気がしてしまう。本当に、どうすればいいんだろう。はぁ、と一つため息を吐いた、その時だった。
「どうかしたの?俺で良ければ、話を聞こうか?」
話しかけれて、顔を上げる。けれど、声だけでそれが誰かは分かっていた。我が黄寮監督生の一人の、フェデリーコ先輩だ。彼は、心配そうな顔でこちらを見ていた。
「実は……」
僕は、さっき寮長会議に呼び出されたこと、そこで、図書室の持ち出し禁止の本を持ち出したという疑いが僕に掛けられたこと、それを否定したら、自分で真犯人を探して来いと言われたことを説明した。
2596僕は現在、寮の談話室で頭を抱えていた。元気に「はい!」と返事をしたはいいけど、そんな、本を持ち出した犯人捜しだなんて。探偵の真似事のようなこと、冷静に考えて僕にできるんだろうか。考えれば考えるほど、僕がやってないことを証明するなんて無理な気がしてしまう。本当に、どうすればいいんだろう。はぁ、と一つため息を吐いた、その時だった。
「どうかしたの?俺で良ければ、話を聞こうか?」
話しかけれて、顔を上げる。けれど、声だけでそれが誰かは分かっていた。我が黄寮監督生の一人の、フェデリーコ先輩だ。彼は、心配そうな顔でこちらを見ていた。
「実は……」
僕は、さっき寮長会議に呼び出されたこと、そこで、図書室の持ち出し禁止の本を持ち出したという疑いが僕に掛けられたこと、それを否定したら、自分で真犯人を探して来いと言われたことを説明した。
ことにゃ
PROGRESSバーベナの花が咲く頃にの派生作品のノベルゲームのシナリオ 導入パートスターチスを求めて① 期末試験も終わって、後はダンスパーティーが残るばかりのモーンストロム魔法学校。僕は、この魔法学校に所属する4年生だ。寮は、黄寮なんて呼ばれるオウィス・フラーウム寮。成績だって平均程度で、特に目立つこともないような、一般的な生徒だ。
そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。
2155そんな僕は何故か、寮長会議の場に呼び出されていた。一体、何が原因で呼び出されたんだか、僕には全く見当がついていなかった。
どぎまぎしながら、コンコンコンとノックをする。
「入れ」
中から聞えたこの高圧的な声は、赤寮のラディム・バルトシーク寮長だろうな。思いながら、ドアを開ける。
「失礼します」
扉を閉めて、言ってから一礼。なんだか普段よりも、寮長達から注がれる視線が鋭い気がして心臓が痛い。