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    #ブレワイ

    brawley

    四 季

    DONEリンクが姫様に自分の家を譲ったことに対する自分なりの考えを二次創作にしようという試み。(改題前:『ホームカミング』)
    帰郷「本当に、良いのですか?」
     ゼルダの問いかけに、リンクははっきり頷き、「はい」と言葉少なに肯定の意を示した。
     リンクのその、言葉少ないながらもゼルダの拒絶を認めない、よく言えば毅然とした、悪く言えば頑ななその態度が、百年と少し前の、まだゼルダの騎士だった頃の彼の姿を思い起こさせるので、ゼルダは小さくため息を吐いた。

     ハイラルを救った姫巫女と勇者である二人がそうして真面目な表情で顔を突き合わせているのは、往時の面影もないほど崩れ、朽ち果ててしまったハイラルの城でも、王家ゆかりの地でもなく、ハイラルの東の果てのハイリア人の村・ハテノ村にある、ごくありふれた民家の中だった。
     家の裏手にあるエボニ山の頂で、いつからか育った桜の樹の花の蕾がほころび始め、吹き下ろす風に混じる匂いや、ラネール山を白く染め上げる万年雪の積もり具合から春の兆しを感じたハテノ村の人びとが、芽吹の季節に向けて農作業を始める、ちょうどそんな頃のことだった。ゼルダの知らないうちに旅支度を整えたリンクが、突然、ゼルダにハテノ村の家を譲り、しばらく旅に出かける──そう告げたのは。
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    四 季

    MAIKINGブレワイの話を書き終えていないのにティアキンが発売してしまって書きかけになってしまったものを少しずつ出していこうと思います(ティアキン何回かクリアしてブレワイに戻ったらまた続きを書くかも……)
     支部に掲載している『旅路』シリーズ、平原外れの馬宿の話。
    旅路(平原外れの馬宿) 馬宿には色々な人が通る。
     多くはハイリア人の旅人や行商人で、「馬宿」とはいうものの、馬を所有している人間がそれほど多くない今のハイラルにあっては、その大半の人びとの交通手段は徒歩であり、今の馬宿はどちらかといえば、そういった、徒歩で旅するハイリア人の宿屋としての役割が大きい。
     馬を所有している人間が少なくなってしまったのは、ひとえに馬を捕まえるのが大変だからだ。百年前のハイラルであれば、マリッタ地方などにあった牧場で馬が育てられていたが、大厄災で主を失った馬たちはその後野に放たれ、彼らの子孫も多くが野生馬となってしまった。
     馬の主人となるためには、警戒心の強い馬に近づき、彼らを宥めた上で馬宿に連れて来なければならない。馬宿の周辺に野生馬が多い──というより、野生馬の多い場所に馬宿が建てられているのは、そういった理由による。
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    四 季

    DOODLE●ブレワイリンゼルが幼い頃に出会っていたら凄く可愛い(姫と騎士ごっこしていたらたまらん) ※『Amulet』と『花冠』も同じく
    ●コログの寸劇可愛い
    ●リンゼル舞踏会なんて素敵な催し(タグ)があったのね……😭

    そんな想いをぶち込みました!
    最近妙に忙しいので、下旬になったらもう少しちゃんとまとめてupしたいですが、とりあえず骨子だけでも!(あと1か月でtotk発売するけど)
    the harvest「もうすぐ、収穫祭ですね」
     姫君はそう言って、庭の色づき始めた樹々の葉が織りなす木漏れ日のタペストリーの下で微笑んだ。
     姫君の小さな騎士は、姫君の話に耳を傾けながら、頬張っていたリンゴの最後の一口、リンゴの芯を飲み込んだ。

     収穫祭は、ハイラルの秋の豊穣を願って催されるお祭りだ。その規模や内容は、開催される町や村によってさまざまだが、基本的には農耕を行うハイリア人のお祭りである。
     最も華やかな収穫祭が催されるのは、言うまでもなくハイラル城下町で、色々な食べ物の屋台がずらりと広場を埋め尽くし、道行くすべての人に麦酒(子どもにはジュース)が振る舞われる。収穫祭は、これから冬へと向かうハイラルの人びとにとって、冬の厳しさに耐えるための心のよりどころであり、またハイラルの実りの秋を象徴する祭りでもあった。
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    四 季

    DOODLE百年前リンゼル(割とリン→ゼル風味)。
     リンクに、「姫様は自分にとって月のようなひと」と言わせたかっただけの読み物。

     (以下、長い蛇足)
     最近某番組で「星は自分を燃やしながら輝く存在」というのを聞いて(「地○の星」に対するコメント)、太陽も同じ恒星で、その輝いている太陽が実は苦悩多い存在だと気づいたからこそ、姫はリンクにとって特別な存在になったんだろうなあと思いながら書きました。
    THE SUN AND THE MOON「姫様は自分にとって、空に浮かぶあの月のようなひとです」

     ──リンクのその言葉に、私は黙って彼の視線のその先にある、夜空に浮かぶ月を見上げた。

    【THE SUN AND THE MOON】

     ──王妃様はさながら太陽、姫様はまるで月のようですね。

     幼い頃、周囲からそんな言葉をかけられるたび、大好きな母が褒められているのだと感じて、嬉しかったのを覚えている。
     自分にとっての母は、優しく、時に厳しい、大好きな母親であると同時に、その存在そのものがハイラルに安寧をもたらしてくれる、尊い存在だった。
     ハイラルから厄災の影が消えて久しいが、それでも民たちは母を、ハイラルを守る姫巫女として敬い、慕ってくれた。そして、母とともにハイラルの各地に赴けば、誰もがその血筋を、そして「ゼルダ」という母のその名を褒め称えた。
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    四 季

    MAIKING「コログからの贈り物(https://poipiku.com/4663883/6648540.html)」の本題として書いている話。半年くらい書いているのですが終わる気配がないので、とりあえずきりのいいところまで。この後リンクが馬でハイラル中を旅に出ます。
     実際にゲームで「馬でハイラル一周」しているのですが、結構大変。
     でも、色々な景色が見られて、ますますハイラルが好きになりました。
    雲霧披きて青天を観る① リンクは困っていた。
     厄災との戦いを終え、一月ばかりの時が流れたが、ゼルダの体調が思わしくなかったためだ。
     一月前、戦いが終わったその足で、二人は自然にカカリコ村に向かった。カカリコ村はいまだハイラル王家に忠誠を誓うシーカー族の暮らす村であり、何よりゼルダの解放を待ちわびているインパの待つ場所である。まずはそこへ向かうのが自然なように思えた。
     百年前はともに越えられなかったハテノ砦を、厄災討伐を終えた今、ゼルダとともに越えることの感慨を噛みしめながら、リンクはまだ足元がおぼつかず、一人で騎乗することのできないゼルダを抱き抱えて馬に乗った。
     馬を駆るのは人馬一体と評されるほど慣れているリンクだが、このときはいつもと少し様子が違った。ハイラルで最も尊いひとをその身に任されているのだという緊張感とともに、どういうわけか、寄りかかるゼルダの重みと温もり、規則正しい呼吸に、リンクは限りない安堵と、ほのかな胸の高まりまでも覚えていた。
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    四 季

    DOODLE突然降ってわいたおにロリリンゼル(百年前設定で、近衛騎士と姫だけど、騎士の性格は回生)です。
     いずれこの設定で、ダイジェスト版の話を書いてみたい😃(他にもおにロリとおねショタの書きかけの話がある人の発言)
    おにロリリンゼル(百年前の近衛騎士と姫だけど騎士の性格は回生という謎設定) ぷくーっ。

     ──と、音が出そうなくらいに白く、柔らかそうなほっぺたをふくらませて拗ねた顔をする幼い姫君を苦笑いで見つめながら、姫君より十歳ばかり年上の近衛騎士はその場にしゃがみこんだ。
     足をやや広げてしゃがんだその姿勢は、一国の姫君の前でするにはあまりにも不敬な格好だったが、地面に座り込んでしまった姫君と目線を合わせて話をするにはちょうど良かった。幸い、今、城の庭には近衛騎士と姫君の二人きり。常日頃から姫様に礼を尽くしなさいと口うるさく言ってくる執政補佐官も、古代研究で姫の興味を奪ってしまう王立古代研究所の研究者も、今ここにはいない。
     のだ、が。
    「おとうさまはうそつきです」
     太く可愛らしい眉を吊り上げて、肩をいからせているその姿は、小動物が必死に威嚇してきているようにしか見えず、ただひたすら「可愛い」という感想しか出てこない。ふくらんだほっぺたなどは、まるで白いパンのようで、むしろ美味しそうで口に含んでみたくなってしまう。
    2028