greeneryいつもの交差点で、イルーゾォを待つ。
フーゴはいつになくそわそわしながらイルーゾォを待っていた。覚悟は決めてきたはずだが、どうしてもうわついてしまう。最近ではそれほど待つことはなく、フーゴの方がほんの一、二分ばかり早いだけだ。早く来てほしいような、少し遅く来てほしいような、自分でもどちらかわからない。落ち着かない気持ちでいると、イルーゾォの姿が見えた。心臓がどきりとする。
「あ、イルーゾォさん……、おはようございます」
「おはよう、フーゴ」
今朝ばかりは覇気のないフーゴの挨拶にいつものように答えてから、イルーゾォは訝しげにフーゴを見た。
「……どっか具合でも悪い? 元気がないような」
「いえ。僕は元気です。あの、もしよければ、日曜日僕に付き合ってくれませんか?」
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