来年もまた晴れたら 夜明け前の町を二人で歩く。
くぁ、と眠たげにあくびをする杉下に釣られるように桜からも小さなあくびがこぼれ出た。
かなり眠たい。
初日の出を見に行くつもりで、桜はともかく杉下は一度眠ってしまえばなかなか起きられないからと二人揃ってずっと起きたまま夜を過ごしていたせいだ。
空はまだとっぷりと暮れて夜の様相を呈している。
明け方が近づくにつれどうにも眠気に耐えきれなくなって、このままでは寝落ちしかねないと外に出てきたが些か日の出には早すぎたようだと桜はそっとため息を吐いた。
「…これ、どこ向かってんの」
寒さでも拭いきれない眠気を紛らわそうと杉下に話しかけると、杉下は杉下で眠気でうまく頭が回っていないらしく答えの代わりに小さくむずかるような声を漏らす。
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