僕の居場所 まだ両親がそろってた頃、家は何よりも安心できる場所だった。同じく学校や、友達の側にもいろいろな形でそれは存在し、それを当たり前だと思っていた。
だけど最初に父さんが、次に母さんが。そして麻里まで逝ってしまうかもとなった時、僕の足下は穴があいたようだった。孤独で、寒くて……誰も味方がいなくなってしまったような感覚。
もちろん今考えると友人たちは心配して側にいようとしてくれてたのがわかるし、つまりは僕が勝手にひねくれてたってのもあるんだけど。
それでもそんな時に文字通り側にいてくれたKKの存在が、どれだけ救いになっただろう。
……出会いは最悪だったけど。二回ほど首絞められたけど。
「オマエ……褒めてんのか、くさしてんのかどっちだよ」
あ、KK照れてる? それぐらいは、今でもわかるよ。
そう言ってそっぽ向きながら煙草を吸う姿を見れるのも、あの日があったからだよね。
僕の居場所はあんたの隣だって言い切れるよう、精進するよ。