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    oki765

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    oki765

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    第13回ksbr版ワンドロワンライ参加作。
    【好きなシチュエーションのksbr】
     次の日の朝

    #キスブラ
    kissBra

    ゆめうつつ体が揺れたような気がして目が覚めた。

    (あれ……)
    まだ半分眠りの世界に意識を残したままキースは瞼を開く。どこかぼやりとしたままの視界で真っ先に目に入ったのは夜空――ではなく。
    (ああ、ブラッドの頭か……)
    夜を共にし隣で眠っていたブラッドが、今はキースに背中を向けた姿勢になっている。そのせいでキースの視界を占める大半は藍鉄色の後頭部越しの、まだ薄暗い部屋。先程の揺れはおそらくブラッドが寝返りを打ったせいで、そのせいで目が覚めて――思う間にとろりと眠気が忍び入ってくる。その前に。
    室内にライムグリーンの光が揺れる。ほぼ無意識の、ブラッドに意識があったなら確実に叱られる横着さでブラッドの体を反転させて腕に閉じ込める。
    (――これで、よし)
    オレのだ。充足感とともにキースはすう、と眠りに落ちた。

    体が浮いたような気がして目が覚めた。
    (なんだ……?)
    ばちりと開けた視界に入って来たのは間近にあったキースの顔。コンタクトを外していても問題ないほどの至近距離、どこか幸せそうにすやすやと眠っている。室内の様子からするとまだ夜明け前だ。
    先ほどの感覚は何だったのだろうか。思いながらブラッドは身じろぎをしようとして。
    「うん?」
    かすかに声を漏らす。――動けない。
    認識してブラッドは眉根を寄せた。昨夜の情交の後、互いに何も身に着けずに寝ているせいで触れた部分の素肌が暑い。せめて少し距離を取りたいのだが、肩にも腰にもがっちりとキースの腕が回っている。何とか体をずらそうとしても、眠ったままのキースの腕に引き戻されてしまう。
    なるほど、体が揺れたような感覚はこれか。思いながらもう一度距離を取ろうとしたが。
    「んん〜〜」
    子供がむずがるような声を上げながら、キースが逆にのしかかってくる。起こすのも悪いという遠慮もあり――なんせ本当に幸せそうな寝顔だったから――結果、下敷きにされた状態にブラッドは重く息を吐いた。
    頬のあたりにキースの髪が触れてくる。癖毛の感触や耳元にかかる寝息がくすぐったい。どうしたものかと思いながら、けれど起こすのは忍びなく。
    (……まあ、いいか……)
    暑くなったらいずれキースの方が退くだろう。結論付けて目を閉じる。小さな頃のフェイス相手のように、癖毛を撫でてやりながら。
    そうしてしまえば規則正しく響いてくるキースの心音も呼吸も心地よく、いつしかブラッドもゆるゆると再び眠りに落ちていった。

    アラームが鳴って再び目覚めるまでの、互いが知らない互いの話だ。
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    みぃ☆

    DONE2020→2021 甘々キスブラで始まります♡

    第8回キスブラワンライ「年の瀬」からお読みいただけると、より楽しめると思います!
    『3・2・1……Happy New Year!!』

    おめでとう。
    今年もよろしく!

    タワー内のあちらこちらで新年を祝う声が聞こえてくる。

    「夜勤をしている者もいるというのに……はしゃぎすぎだ」
    けしからんと言わんばかりに眉間に皺を寄せたブラッドも、今夜はグラス片手に談話室で皆の輪から外れたところに佇んでいる。
    先ほどまで、ジェイやリリーと新年の挨拶を交わしていたが、二人もセクターのメンバーや教官仲間たちの元へと戻り楽しそうに酒を酌み交わしていた。
    ブラッドはサウスメンバーと挨拶を交わした後、持て余し気味のグラスを片手に皆の輪から抜けたところだった。
    狭い会場の中心では、お祭り騒ぎの大好きなディノが、2021の形をした眼鏡をかけ、人々の間を楽しそうに歩き回っているのが見え、苦笑と共に小さなため息を尽いた。
    「まったく……明日、いやもう今日か。任務がある者もいるだろうに」
    そう零すブラッドの口元は緩いカーブを描き、言葉とは反対に穏やかな表情でパーティー会場を見つめていた。
    一人壁の花に扮するブラッドを気にするオスカーの視線を感じたが、今夜くらいはオスカーも楽しむべきだと、敢えてその視 3894

    ohoshiotsuki

    MAIKING死神ネタでなんか書きたい…と思ってたらだいぶ時間が経っていまして…途中で何を書いているんだ…?って100回くらいなった。何でも許せる方向け。モブ?がめちゃくちゃ喋る。話的に続かないと許されないけど続き書けなかったら許してください(前科あり)いやそっちもこれから頑張る(多分)カプ要素薄くない?いやこれからだからということでちゃんと続き書いてね未来の私…(キャプションだとめちゃくちゃ喋る)
    隙間から細いオレンジ色の空が見える。じんわりと背中が暖かいものに包まれるような感覚。地面に広がっていくオレの血。ははっ…と乾いた笑い声が小さく響いて消える。ここじゃそう簡単に助けは来ないし来たところで多分もう助からない。腹の激痛は熱さに変わりそれは徐々に冷めていく。それと同時にオレは死んでいく…。未練なんて無いと思ってたけどオレの本心はそうでも無いみたいだ。オレが死んだらどんな顔するんだろうな…ディノ、ジェイ、ルーキー共、そしてブラッド―アイツの、顔が、姿が鮮明に思い浮かぶ。今にもお小言が飛んできそうだ。
    …きっとオレはブラッドが好きだったんだ
    だから―
    ―嫌だ、死にたくない。

    こんな時にようやく自覚を持った淡い思いはここで儚い夢のように消えていく…と思われたのだが――
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