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    りゅうひよこ

    @LOVE_FICTION

    いつもリアクションありがとうございます(^^) 二次創作の小説を書いたり、翻訳をしたり。短いお話が貯まったら、まとめて pixiv にアップしたいです。A Fic writer & Fic translator(ENG/JPN).

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    りゅうひよこ

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    天才と名高い蔵色散人の遺作である人工知能・魏嬰。藍湛はそのAIに道ならぬ恋をしていた。元々彼は身体的な交わりに興味が薄く、恋人が肉体を持たないことを気にしていなかった。だが生物学者・莫玄羽が倫理規定を破り、蔵色散人とその夫の遺伝子を用いて人工胚から人間・魏嬰を産みだしてしまう回。🐰傾向:らぶらぶ♡ SFよくわかりません♡ 🐰スタンプもらえると喜びます♡

    #忘羨
    WangXian

    科学者・藍湛×人工知能・魏嬰キッチンで湯が沸くのを待つあいだ、藍湛はひとりでに口もとがゆるむのを感じた。
    何年も思い続けてきた恋人を、はじめて抱きしめた次の朝なのだから仕方ないことだ。恋人が唇をねだってきたときの胸の高鳴りはいまだ治まることなく、藍湛の心を高揚させている。
    ポットとティーカップとマグカップをトレーに乗せて恋人のもとへ向かいかけたが、思い留まって玄関の鏡を見た。チノパンツにボタンダウンシャツというカジュアルな服装だが、襟が曲がっていないことを確かめてから寝室のドアを開けた。
    閉じたままのカーテンごしに朝陽が差し、ほのかに白く満たされた部屋へ入ると、ベッドの真ん中で白いブランケットに頭からくるまった人かげが座りこんでいるように見えた。
    「魏嬰、起きていたのか?」
    優しく声をかけるが、ブランケットのかたまりは動かない。
    ベッドのそばのテーブルにはタブレットが置かれていたので、藍湛はそれをすこし脇へズラしてトレーを置いた。
    「魏嬰?」
    あいかわらず彼が動かないので、藍湛はテーブルからタブレットを持ちあげ人工知能 Wei Ying の管理画面を確認した。二日前までは Talk ボタンを押して会話を始められた。だがそのボタンがグレーアウトしているので、話があるなら、二日前に実装されたばかりのホモ・サピエンス型のインターフェイスまでどうぞということになる。
    藍湛はベッドに腰かけると、包み紙をひらくようにそっとブランケットを剥いだ。二十歳そこそこに見える青年が姿を現す。黒髪の隙間からのぞいた瞳が濡れていた。
    「きみ……泣いているのか……?」
    ややあって、くぐもった声が答えた。
    「そうだよ」
    魏嬰がブランケットをパッと肩から滑り落とし、上半身をあらわにする。なめらかな肌にはキスの名残が点々と赤く痕になっている。
    「藍湛、おまえ前に言ってたろ。身体的な交わりに興味はないって。だから俺、信じてついてきたのに。こんな、こんな……」
    藍湛はそれを聞くと雷に打たれたようになって、やっとのことで「すまない…」としぼり出した。
    「昨日、きみは……その……」喜んでくれているように見えた。だがそれはなにかの勘違いだったのかもしれない。「ログをチェックする……」
    藍湛は震える指先をなだめながら、ポットから湯気のあがる液体をマグカップに注いで魏嬰へ手渡すと、タブレットを取り画面を操作し始めた。
    マグカップに口をつけた魏嬰は「あったかい。これなんだろ」とひとりでブツブツ言っていたが、液体の香りを嗅いだり、テーブルにあるポットのフタを開けたりして観察したあと「ああ、これはお茶か」とひとりで結論を出したようだった。
    「俺の本体のログを見てるのか?」
    魏嬰がお茶をすすりながらポツリと聞いた。
    人工知能 Wei Ying は蔵色散人の死後に紆余曲折あったが、現在はラボラトリー雲深不知処の中で稼働している。 
    「施術の前に話した通り、きみの脳には……」
    「藍湛が設計したチップが入ってて、俺の本体とセキュアな回線でリンクしてる。俺の体はヒトと同じだけど、ネットさえ繋がってればスパコンと同じ演算ができる」
    藍湛は「本体」という言葉を聞く度にわずかに眉根を寄せたが、魏嬰の言葉を引き継いで続けた。
    「これまでラボにいる Wei Ying のログを記録してきたが、今は身体を持つ魏嬰のログも取っている」
    とはいえ脳科学者の藍湛には、プログラミング言語で記述されたログを一目で読み解くのは困難だ。そこで概要を英語に変換するアシスタント・アプリを起動させた。
    「藍湛藍湛! 昨日から言ってるだろ、管理画面ばっかり見るなよ。俺はここだぞ。聞きたいことがあるなら、俺に聞いてよ」
    魏嬰はマグカップをトレーに置き、手の甲で涙をぬぐうと落ち込んだ様子の脳科学者をじっと見つめた。
    「そ、そうか。きみとは何年も画面を介して会話してきたから、つい……」
    藍湛がタブレットをテーブルに戻してベッドのほうを向いたとき、ちょうどデータ変換を終えたアシスタント・アプリ・随便 Suibian が機械音声で読みあげをはじめた。

     今朝のホモ・サピエンス型インターフェイス・魏嬰について報告します。
     07:02 目を覚ましました。
     07:02 周辺を観察。部屋に誰もいないことを確認しました。

    「うわー! 随便、報告しなくていい!」
    魏嬰はあわててタブレットを取りあげたが、藍湛の虹彩認証でないと画面ロックが解除されないため、読み上げは止まらない。

     07:03 「藍湛?いないの?」と発言しました。
     07:03 涙腺から涙液が分泌されました。
     07:04 部屋のドアが開いた音を確認。泣いた顔を隠す目的で、布をかぶりました。

    藍湛は魏嬰の手からタブレットを取ると、読み上げを止めて言った。
    「もしかして、きみが泣いていたのは……」
    「ああ、そうだよ!」魏嬰は腹を立てたような口ぶりでまくし立てた。「起きたらおまえがいなかったから! ていうか睡眠で情報が途絶えるなんて状況、まだ慣れないんだよ」
    藍湛は裸の魏嬰を両腕で包みこむと、肩にもたれさせた。
    「スーパーコンピュータの演算能力を持つのに、そんなことで?」
    「泣いちゃ悪いか! 俺は生まれたばっかりなんだ」
    「ならば昨日の夜のことは」
    「最高だったよ! ったく、なんで俺がこんなこと言わなきゃならないんだ」
    答える声は、もうほとんど叫び声だった。藍湛は彼の体を掬うような手つきでベッドへ寝かせて覆いかぶさり、唇を触れあわせるとひとしきりキスをした。
    「藍湛、おまえさ、こういう肉体的な欲求が薄いって話はマジでなんだったんだ?」
    魏嬰が玻璃色の瞳を見上げ、ややあきれたように聞いた。
    「そう認識していた。昨日、私の部屋へきみを招くまでは」
    「へえ。なら今は、その認識はアップデートされたのかな?」
    「うん」
    「どんなふうに?」
    からかうように尋ねられ、藍湛は言葉を詰まらせた。口にするのははばかられるから、替わりにシャツを床へ脱ぎ捨てる。魏嬰が明るい笑い声をあげながら、藍湛の首に腕を回した。
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    りゅうひよこ

    DONE仙門百家cafeボイスで、金子軒が自ら制服を選んでハリキっていたので。金子軒が「厭離と同じ場所で、同じ目標をもって過ごす機会なんて滅多にない!たくさん話して好感度を上げるんだ!」と意気込んでいたものの、雲夢双傑に妨害されて厭離と一言も話せない回(ツイッターに上げたものの保管)
    仙門百家cafeAU 金子軒が江厭離との距離を縮めようとかんばる回~忘羨を添えて初夏の風がさわやかな朝、カフェには仙門を代表する三家から公子公女が集まり、開店の準備に取りかかっていた。
    金家の公子二人も、美しい制服に身を包んで会場に入った。だがカフェのきらびやかな雰囲気とは対照的に、二人はそろって重いため息を吐いた。
    金子軒の当初の目論見では、この行事を通して江厭離と仲良くなるはずだった。だが来る日も来る日も雲夢の憎き弟たちに邪魔をされ、彼女と一言も話せない日もザラだ。
    一方の金光瑤は前の夜、金夫人、つまり金子軒の母から「子軒が厭離と全然話せてないみたいじゃない。あなた、なんのために子軒に付いて参加してるの。なんとかしなさいよ」と無茶な要求をされたのだ。
    金光瑤は金子軒へ声を掛けると、彼のアスコットタイの結び目を整えながら言った。
    2050

    りゅうひよこ

    PROGRESS探偵・魏嬰&助手・藍湛のクローズドサークル。書くの時間が掛かるので、邸宅に閉じ込められた3日目の途中まで。トリックは特にないので、謎解き要素には期待しないでください。ほかの原稿もあるので、時間があるときに続きを書こうと思います。
    1日目に集まった9人
    王霊嬌
    金子勲
    金光瑤
    温晁
    聶明玦
    蘇渉
    宗嵐(雇われ管理人)
    江澄
    常慈安
    2日目に合流した3人
    薛洋
    魏嬰
    藍湛
    忘羨・缶バッジAU/探偵AU■一日目

    その日、ある邸宅が宿泊施設としてはじめての客を迎えた。
    邸宅は中国内陸部、陸の孤島ともいえる場所に建っていた。

    ■二日目

    「へえ、立派なもんだな」
    車の運転席から降りた魏嬰は、建物を見上げて言った。

    黒い瓦の大きな屋根、左右対称に並んだ柱、白亜の壁。邸宅は、伝統的な中国の建築にモダンな様式を取り入れたデザインで、洒落たホテルのようにも見えた。

    藍湛も、車の助手席から降りてあたりを見回した。
    「まわりに人家も店も何もない」
    「ああ。庭の植え込みも、植樹したばっかりって感じだし。駐車場ってどうなってるんだろ。まさか藍家の高級車を、そのへんの空き地に停めろなんて言わないよな」

    空は白々と明けたばかりで、しんと静まり返っている。だからか、遠くからエンジン音が聞こえてくることに気がついた。二人の車が来たのとは逆の方向からだ。
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