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    下町小劇場・芳流

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    2023.3.18ダイ&ヒュンケルオンリーイベント「一秒、一瞬」合わせ
    「硝子瓶に眠る銀砂」サンプル

    #ダイの大冒険
    daiNoDaiboken
    #ヒュンケル
    hewlett-packard
    #ダイ
    die

    「硝子瓶に眠る銀砂」サンプル テランでの激しい戦いの後、いったんパプニカに戻った一行であったが、その中で、ヒュンケルは、ひとり、修行に出る支度をしていた。
     これまで愛用していた鎧の魔剣は、もう、ない。
     新しく相棒となった鎧の魔槍を使いこなすには、ヒュンケルは、槍の扱いがあまりにも不得手であった。
     パプニカ城で、彼にあてがわれた一室には、もともと最低限の家財道具しかなかった。
     ヒュンケル自身の私物もほとんどなかったことから、部屋を片付けるのは容易であった。
     不要なものは捨て、ヒュンケルは、着替えや、わずかな生活道具をリュックに詰めた。テントと寝袋は、クロコダインと旅をしていた時から使っていたものがあった。この数日間の間に、痛んでいたところは修理をした。
     そうしてすっかり身支度を整えたヒュンケルは、殺風景な部屋の中を見回した。
     壁際に、彼がまとめた荷物が置かれており、その隣に、鎧の魔槍が立てかけられていた。
     そろそろ出るかと鎧の魔槍を手にしようとした、そのときだった。
     廊下をばたばたと走る音が聞こえた。
     そして、すぐにけたたましく、ドアが開かれた。
    「ヒュンケルっ!!」
     駆け込んできたのはダイだった。
     ダイは、部屋の中にヒュンケルの姿を認めると、安心したように息を吐いた。
    「よかった・・・。まだいた。」
    「ダイ。俺に何か用だったのか?」
     ヒュンケルの問いかけに、ダイはうなずいた。
    「うん・・・修行に出るって聞いたから、その前に会いたいと思って。」
     ダイは、ヒュンケルの部屋の中を見回した。
     片付けられ、もともとあった最低限の家財道具のみとなった殺風景な部屋には、生活感はまるでなかった。
     始めから、誰も住んでいなかったかのように。
     ダイは、その部屋を見回し、そして、長兄を見上げると、その面に、わずかな寂しさをよぎらせながら、彼に尋ねた。
    「修行に行くんだね。」
    「ああ。俺は、槍は使いこなせないからな。このままでは戦力にならん。」
     そう言うと、ヒュンケルは、壁に立てかけられた鎧の魔槍に視線をやった。ダイもその視線の先を追い、ヒュンケルと同じものをその大きな瞳に写した。
    「魔槍を使うんだ・・・。」
    「ああ。」
     ためらいなくうなずくヒュンケルに、ダイは、聞きにくそうに、尋ね返した。
    「・・・剣は、もう使わないの?」
    「いずれ、また使うときが来るかもしれんが、それはまだ先のことだ。いまは、魔槍を使いこなせるようになりたい。それが、この魔槍を俺に託してくれたラーハルトの思いに応えることでもある。」
     ヒュンケルの答えに、ダイはそのまま、考え込んだように黙ってしまった。
     何か、言いたいことがあるような、そんなそぶりをしつつも、なかなか言葉が上ってこない。
     だがヒュンケルは、ダイを急かそうともせず、ただ黙って、ダイの前にたたずんでいた。
     しばしの沈黙が、二人の間に降り立った。
     やがて、意を決したように、ダイは顔を上げると、ヒュンケルに尋ねた。
    「あのさ、ヒュンケル。
     ヒュンケルに最初に剣を教えてくれた人って、誰なの?」
     話の流れが急に変わった。
     意外な問いかけに、ヒュンケルは一瞬、目を丸くした。だが、ふっと穏やかな笑みを浮かべると、その声に懐かしそうな色を添え、ヒュンケルはダイに答えた。
    「父だ。」
     その答えを予想していたのだろうか、ダイには驚いた様子はなかった。だが、代わりに、ダイは眉根を寄せた。どこか、泣き出しそうにも見える表情だった。
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    ムーンストーン

    DONEメガンテを巡るポップとダイの攻防戦。(ダイは籠城戦です。外から友軍が来ないと敗ける…)R-18は念の為。
    ほぼ会話オンリーです。ダイが弱々で、アニメ58話冒頭の戦意喪失ダイにキュンとなって衝動的に(略)
    別の話になる予定だったので後で統合するかもしれません。
    魔法契約設定も含めて捏造だらけですが、ダイ大の「メガンテは魔法が使える人ならだれでも使用可能」設定だと契約なしで使えるかも?と妄想しました。
    The Point of No Return 回帰不能点〜ダイ酒場兼宿屋は夜になってもざわめきが消えない。
    人里離れたデルムリン島育ちのダイが人の気配の濃厚さに気疲れしているのを悟ったポップはダイに先に風呂へ入れと促した。
    カラスの行水ですぐ部屋に戻ったダイと入れ替わりにポップが一階の風呂に行くと、ダイは寝る前の準備として二人の荷物をすぐ持ち出せるようにそれぞれのベット上の足元に置いた。
    それは二人がデルムリン島から冒険の旅にでたときからの習慣だった。

    不思議なことに魔王軍に夜襲をかけられたことはほとんどないが、野生動物や凶暴化したモンスターに襲われたことは何度もある。

    ダイが相手を剣で切り払えば返り血で服や荷物が汚れるし、ポップがうっかり最近出力が上がり続けているメラを放とうものなら山火事になりかねない。
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