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    hagi_pf

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    雨クリワンドロお題:優しく触れる
    昨日書けなかったのでお題だけ借りました。
    n番煎じのやつを煎じた感じの、ただイチャついてる雨クリです。

    #雨クリ
    raincoatClipper

    「古論」
     二人きりの部屋の中。低い声に呼ばれてそちらを向けば、穏やかな薄紫と目が合う。そっと頬に大きな手が触れて、その目が慈しむように細められた。
     それだけで、きゅっと胸が締め付けられるような、甘やかな感覚がする。
     ゆっくりと雨彦が顔を寄せてきて、クリスは静かに目を閉じた。柔らかいものが唇に触れる。ほんの数秒の触れ合いの後、クリスはそろりと目を開く。雨彦は間近でクリスの顔を覗き込んでいて、再び視線が絡み合うと、じわりと体温が上がるのがわかった。
    「雨彦」
    「駄目かい?」
    「いえ、もっと、してください」
     ほんの少し体温の低い指先が、する、と頬を撫でる。声も、表情も、手も、クリスに向けられる何もかもが優しい。
     雨彦はいつだって、壊れ物を扱うみたいに優しくクリスに触れるのだ。時折何かを躊躇うような、自分の中の何かを抑え込むような気配を滲ませながら。
    「そんなに優しくせずとも、壊れたりなんてしませんよ」
    「お前さんのことを大事にしたいだけさ」
     そう微笑まれてしまうと、クリスは弱い。
     雨彦の思うように求めてくれたって構わないのに。雨彦になら、どうされたって構わないのに。
     だからクリスは自ら雨彦の首に腕を回して、雨彦の唇に自分のそれを重ねる。
    「それでも私は、もっとあなたが思うままに、触れてほしいのです」
    「古論……」
    「それとも、そう考えてしまうのは、私の自惚れでしょうか」
     随分と狡い言いようになってしまったと思う。けれどクリスは難しい駆け引きが苦手なのだ。だから思うまま、素直な言葉を伝えることしかできない。
     クリスの言葉を聞いた雨彦は、何か言おうと口を開いて、閉じる。それからふっと笑みを浮かべて、クリスはぐい、と引き寄せられた。
    「あめ……っん、ん……!」
     先程の優しいキスとは違う、少し強引な口づけ。難なくクリスの口内に侵入してきた舌先が、歯列をなぞり、上顎を擽る。咄嗟に引っ込めてしまったクリスの舌も、あっという間に絡め取られて、耳に届いた水音に羞恥心を煽られた。
    「っふ、ぅ……ん……っ」
     ほんの少しの息苦しさと気持ち良さの中で、次第に頭がぼうっとしてくる。息を止めるのは得意なはずなのに、雨彦とのキスの最中は、水中のようにはいかなかった。
     それはまるで、溺れていくみたいだ、と思う。
    「こんな風にかい?」
     長い長い口づけの後、雨彦はそう言って笑った。
     クリスはそんな雨彦を、乱れた呼吸のままぼうっと見上げることしかできない。雨彦はクリスの唾液に濡れた口元を親指で拭って、また頬を撫でる。雨彦はやはり、どこまでも優しいのだ。
    「止めてやれるのも今のうちだが、どうする?」
    「いいえ、やめないでください」
     ふわふわと熱に浮かされるような感覚のまま、クリスはそう呟く。雨彦から与えられるものは、何だって取りこぼしたくなかった。
     クリスの答えに雨彦はまた一つ笑みを浮かべる。クリスの耳元へと顔を寄せた雨彦は、後悔するなよ、と低く囁いた。
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    sy_leg

    MEMOノイくんにマウント取る大人気ない暁さんの話。
    暁理のつもりで書いたのだけれど暁さんも理人さんも殆ど出てこない上にそもそもコレは暁理なのか自信がなくなりました。
    「あーーーー終わんない!!」
     時空警察庁にある一室、特殊部隊に割り振られている事務室で真白ノイは大声をあげた。目の前にある端末には書きかけの報告書が表示されている。出動1回につき1通の報告書を提出する決まりになっているが、出動が続き未提出の報告書が溜まってしまっていた。今表示されているものが5つ目で、まだ残り6件分の報告書がある。
     ノイが報告書に追われているということは、バディである理人もまた同量の報告書に追われているということでもあった。大声をあげたことで理人に叱られるかと思ったが、声すらかけられないのでノイは拍子抜けする。
    「気が済んだなら報告書の作成に戻れ」
     ノイの視線に気付いたらしい理人はそこでやっと声をかけて来た。既に既定の勤務時間は過ぎてしまっているのだから理人の言うようにすぐ報告書の作成に戻るべきなのだが、ノイの気は重いままだし集中力も切れてしまっている。これらの報告書の提出期限は今日の2359までだが、まだ2000を少し過ぎたところなので余裕はあった。
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