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    mona5770

    Twitterに投げたネタをちょっとまとめたメモ置き場
    燭へしと治角名が混じっています。ご注意ください。

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    mona5770

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    (治角名)オメガバ大好きだけど、プロにならんとする角名をΩにすることにひっかかったまま幾星霜(大げさ)その末にならばΩであるリスクを減らすために「ねえ番になって」と治に告げる角名はどうであろうという妄想のメモ。

    (治角名)「俺の番になって。引退したあと捨てていいから」 ひらりひらりと白い花びらが舞い落ちる校舎のまえ。
     動けずにいる俺を登校する生徒たちが迷惑気な顔をして通り過ぎていく。
     ふわりというには強すぎる香りに足が動かない。
     身体は早くなかに進めと、この香りを放つ人間のもとへと急げとうるさいくらいだけど、このまま進んでいいのか心は決まらない。
     今までに感じたことがない初めての香りなのにわかった。
     これは……

     逃げ出したい。
     ろくでもない相手だったら、バレーをするために続けるためにここに来たのに。
     ぶわりと香りが強くなり、それとともに周囲がわずかにざわめいた。
     ぎゅっと握った手が冷たくなる。
    「なんや腹減るにおいすんなあ」
    「はあ?何言うとんねん。なんも匂わんやろ」
    「え?嘘やん。ツム鼻おかしなったんちゃうん?」
    「おかしいのはお前やろ!こんなとこで飯に匂いするわけないやろう。お前の鼻がおかしんじゃ!」
    「えーめっちゃ甘い匂いしとる……で」
     ざあっと吹いた春の風に舞い上がった花びらが、目の前を白く染める。
     幕が下りるように花が落ちた先に、こちらをまっすぐに見つめる瞳が見えた。
     薔薇灰色の眠たげな大きなそれが獲物を見つけたかのように細められた。
     見つかった。
     けれど男から向けられる気配はふわりと俺を柔らかく包み込んだ。
     優しい枷。
     これが俺、角名倫太郎と、宮治との出会いだった。
     高校一年の春。
     逃れられない運命の糸がぐるりと体に巻きつきたような気がした。

     ・・・

     運命の番であるゆえにひかれたのだだけなのだと自分に言い聞かせる。
     こちらを見つめる薔薇灰色の柔らかい笑みも、優しい枷のような声で紡がれる声もどれもこれも角名倫太郎という人間に向けられたものではないのだ。
     ただ運命の番という本能によるもので、それ以外の何物でもない。
     番を解消すれば塵となって消えてしまうものだろう。
     でもそれでいい。ただ今しばらく自分が跳べるのであれば。
     この先歩くために、自分の望みを手にするために使えばいい。
     それが叶ったあとはどうなってもいい。
     心も身体も失ったものに悲鳴をあげるだろうが、その時はこの身体ごとすべてを捨てればいいのだ。
     だから。

     わずかに目を細め、愛おしいものをみる瞳。
     何か言わんと開いた口が言葉を紡ぐ前に声を放つ。
     余計な言葉はいらない。
     それは枷になるだけだ。
    「ねえ、わかってるんでしょ。ちょうどいいから番になって」
    「え?」
    「どうやら運命のやつみたいだから、ほかに目は向かないでしょ。俺はバレーがやりたいの。バレーをやりとげたら捨ててもいいよ。だから」
     好きになんてならなくてもいいよ。
     心は好きにすればいい。身体だけちょうだい。

    「ええよ。角名がええようにしよ」
     自分から言い出したことなのに、心にひやりとした手が当てられたような気がした。
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    しらい

    MEMO角名は老舗呉服問屋の一人息子で、治は廻船問屋の息子。
    まだ、っていうかこの二人はまだ両片想いにすらなってない。
    治角名和装パロ 和装パロの治角名は時代的には江戸くらいなんで、男色にもそこそこ理解があったと思うんですよね。だから女物みたいな派手な着流し着てる角名のことを歌舞伎役者みたいな塩顔も相俟って伊達男みたいに見て女は見惚れるし、男は男娼みたいな色気垂れ流してるのを見てあてられる。治は顔がいいのはもちろんのこと身体もいいんで女が騒ぐのは当然だけど、男らしい身体つきなのにちょっとぽやっとしてるからそのギャップであてられる男もいる。

     角名は普段は店の宣伝も兼ねて派手な着流し着てて、食事のために町に来てた治も「えらい歌舞伎もんやな」くらいにしか思ってなかったんだけど、何度目かの仕事終わりの食事の後に甘味が食べたくなって団子屋に入ったら満席で、たまたま相席したのが角名。雰囲気で気取ってるやつかと思ったら、団子屋に来てるのにうどんを頼んでるのを見て「は?うどん?」と零してしまう。「なに知らないの?ここ、うどんも美味しいんだよ」って言って一口くれて食べたら美味しかったから追加でうどんも頼む治。なんやこいつ、ええやつやんって認識を改めて、そこから少しずつ話すようになる。
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