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    第56回七五ワンドロワンライ延長戦
    お題「慣れないこと」

    R18程ではないですけど性表現あります。
    R15くらい? 2022.11.27

    #七五
    seventy-five

    慣れないこと「今日は僕がお前を気持ち良くしてあげる」
    その日、ベッドの上で五条さんは宣言した。
    「…いつも気持ち良くさせていただいてますけど」
    「だからそーじゃなくて!」
    口元が上がる。そのまま赤い舌をチラリと覗かせ上唇を舐めるのはわざとやっているのかそうではないのか。
    「お前をあんあん言わせてやるからさ」

    悪い予感しかしない。大体この場に似つかわしくない程、目がキラキラとしすぎている。
    「慣れないことはしない方がいいですよ」
    「何言ってんの?僕を誰だと思ってんの?僕に出来ないことなんかこの世にないんだからね!」
    じゃーん!
    そう言って五条さんは手にした布をこちらに見せつけてきた。
    「…ネクタイですか」
    「そう!はい、ななみ、両手バンザイして」
    バンザーイと言いながら両手を上げさせる。色気も何もない。しゅるしゅると両手首に巻きキュッときつく縛ったそれは肌触りは悪くない。上質のものなのだろう。だが、
    「痛いですよ」
    「お前、上腕二頭筋が発達しすぎてんだよ。しなやかさに欠けるよね」

    しなやかさを求められてもと顰められた七海の眉は、五条がもう一本ネクタイを取り出すのを見てさらに顰められた。
    「それは?」
    「ふふふ、これはねぇ…」
    ほら、こうして…と七海の目が塞がれる。
    「…あなたが見えませんよ」
    「興奮するだろ?こういうのもさ」
    見えなくなったが、五条がウッキウキなのはわかる。さ〜て、どうされるかな〜?ななみく〜ん、などと言いながら、まずはちゅと口づけをされた。

    目の見えない中で五条の舌が入ってくる。なるほど、これはこれで…と思いながら七海はその熱く甘い舌を吸った。もう少し深くと思ったところで、だが舌は出ていってしまった。
    「五条さん」
    「しぃ〜……」
    たぶん唇に指でも寄せているのだろう。それは見えないが身じろぎの気配がして、今度は首筋に五条の口が付けられた。
    ちゅちゅと音がして五条の唇が這う。首筋から鎖骨へ、胸筋の上を這い
    「…いいなぁ。僕、お前のおっぱい大好き」
    そのまま含まれる。ペロペロと子犬がするように舐められ時々ちゅっと吸われるが、七海は先程から気持ちがいいというよりはくすぐったさの方が勝っている。
    「どう?気持ちいい?ななみ」
    「…擽ったいですよ」
    「またまたあ〜、そんなこと言ってそのうち気持ち良くなるんだからさ」
    自分がされて気持ちいいことは人もいいだろうと思っているらしい。だが感度には個人差があるものだし、強弱も…
    どうせなら別の場所に口づけて欲しい、と思うがやけに楽しそうな五条の様子に七海は逡巡する。

    唇は胸を離れ下に降りていった。しかし期待する場所へはたどり着かず臍のあたりを彷徨っている。七海は焦れてきた。貴重な二人の時間なのに。早くこの人を抱きたいのに。
    「五条さん」
    「う〜ん、ちょっとまって〜…」
    七海の腹を五条は押す。グリグリ、グリグリ、どうやら腹の上から前立腺を探しているらしい。
    「気持ちよくない?あん、とか言いたくならない?」
    我慢しなくていいんだよ?と五条さんは言うが、そろそろ別の我慢の方が限界だった。
    「とにかく目を、外してください」
    ええ〜と言うが、五条も焦れてきたのだろう、渋々と手を伸ばし七海の目隠しを解いた。

    七海の視界に五条が映った。それはそれは一生懸命に七海の性感を探したのだろう。顔は上気して薄っすら汗をかいた額にやわらかな白い髪が張り付いていた。唇はやはり使い過ぎたせいか、いつもよりぽってりと腫れ、自身の唾液でたらたらと濡れている。その唇を開け、「ななみ」と困ったような声を出した五条に、七海はブチ切った。
    そう、ブチ切った。何を。手首を戒めていたネクタイを。驚いて目を見開く恋人に「なな…」と最後まで言わせず七海は口づけ、体重をかけてベッドに押し倒した。





    「あ〜あ、このネクタイさあ、終わったらお前にあげようと思ってたのに」
    数時間の後、七海が差し出した水で喉を潤しながら布の残骸を拾い上げ五条は言う。あんなことに使ったものを?七海は内心どうかと思ったが
    「それはスミマセンでした」
    「まさかブチ切るとはさあ、お前ってほんとゴリラ」
    「目隠しにしていた方は大丈夫じゃないですか。…アイロンをかければ」
    「アイロンねえ〜…」
    再びゴロンとベッドに横になって、五条は拗ねたように唇を尖らせる。
    「…慣れないことなんてするもんじゃないかな…」
    眠くなったのか目をしばたかせ、でも…と繋げる。ふふ、ふふふ、と口角が上がる。
    「おもしろかったな。拘束されたななみ、すごくエロかった」
    ふふふ、ふふふふ、と目を閉じたまま笑う五条を七海はしばし見ていたが、ベッドに入ると身を近づけて精巧な造りもののような耳に口を寄せた。
    「次は私がやってみましょうか」
    「ん?」
    「拘束。あなた、目隠しは意味ないですよね」
    「んん?」
    「一本ならネクタイ、今ここにありますし」
    「へ??」
    五条は目を開けた。隣りには七海が何だかヤバい目をしてこちらを見つめている。
    いやいやいやいや!
    「きょ、今日はもう眠いからさ、えっと、次の機会に」
    「次っていつですか。明日ですか」
    「…!何でそんな性急なの??」
    とにかく次!今度ね今度!クルリと背を向けブランケットに顔を埋める。

    まあ僕は、最強だしね、ななみより体もしなやかだし。バンザイして両腕縛っても別にどこも痛くないと思うよ。てか、問題はそこじゃないよね?そこじゃない。…え。ななみは何をしてくれるの?…え。

    「僕、ネクタイは新しいのじゃなくて、いつもお前がしてるのがいいな…」
    振り返ると七海はシーツに頬をつけ静かな寝息を立てていた。寝てるのかよ!と小さく五条は憤慨したが、七海の寝息に誘われ自身も微睡んでいく。
    そうだね、僕は最強だし、可愛い後輩がどうしてもっていうんなら…七海が五条さんお願いしますって、五条さんどうしてもやりたいんですお願いしますって…
    ふふふ、ふふ、ふふ…五条は笑った。笑いながら眠りに落ちた。


    その五条が、もうやだもうやらない!と泣きながら言うのはそう遠い日ではなかった。




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    DONE紅のカラプラのお話は
    「きっと仕方の無いことなのだ」で始まり「本当に嬉しいとき、言葉よりも涙が出るのだと知った」で終わります。
    #shindanmaker #こんなお話いかがですか
    https://shindanmaker.com/804548
    (締めの文変えてます申し訳。発想だけ貰ったような形)
    (第1部読んだ人向け)
    (婚約者確定している)
    (文がド下手)
     きっと仕方の無いことなのだ。私は王族で彼は騎士。そもそも結ばれることすら難しかったはずの恋だもの。だから今こうして彼と密接な関係を持つことができているだけでもありがたいことだと。これ以上を望むのは浅ましいことだと。ざわつく心に何度も何度も言い聞かせる。
     でも。それにしたって。

    (そろそろハグくらいはしてみたい……!!)

     は、はしたないかしら!?こんなことを思ってしまう王女なんて。でもカラムと正式な婚約者になってもう一ヶ月になるのに!一緒にお茶をしたり散歩をしたりすることのみに留まっているのは流石に、流石にペースが遅いのでは!?
     もちろん、王族としてちゃんと弁えてはいるつもりだ。本当の夫婦になるまでは身体を、身体を!か、かっ……さねるところまでいくのは!よろしくないことだってわかっている。……でもハグくらいまでなら、もう進んでしまっても大丈夫なのではなかろうか……?うぅ、なんとなく落ち込んできた。カラムのことは信じているのに。私に魅力がないとか、そういうネガティブな理由で手を出してくれないわけではないことだって、わかっているのに。
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