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    🐱🐱🐱の猫の日に書きました☺️
    2024.2.22

    #七五
    seventy-five

    猫の日「にゃ~ん」
     ソファに座っていたら後ろから長い腕が伸びてきて胸の前で交差する。顔が近づきひと声鳴かれたあと、耳元で囁かれた。
    「今日、猫の日なんだって」
     七海はカレンダーを見た。二月二十二日。なるほど。
    「なるほど」
     素っ気ないなぁ! 五条は言って、お前、猫、好きだろ?
    「だから猫ちゃんプレイでもいかがかなぁ~と思ってぇ~」
     七海は振り向いた。が、予想に反して五条はいつもの格好だった。
    「あ。今、なんか期待したでしょ?」
    「してませんが」
     しかし、イベント好きの五条のことだ。そう言うからには何か小物でも身につけているのかと思ったのだ。そんな七海の視線に五条は少しきまり悪そうに唇を尖らせ、仕方ないだろと言った。
    「僕も今日が猫の日って知ったの、帰りの車の中だもん」
     知ってたらもっと前もってさ、いろいろ準備したのにさ~
    「でもほら? 気は心って言うからさ」
     拳を握って招き猫のようなポーズを取りもう一度、にゃーんと鳴く。
    「大体あなた、猫のことあまり知らないでしょう」
    「ええ~、ちんこに棘がついてることとか?」
    「…何でそんなことばかり知ってるんです」
     五条はソファの前に回ってきて七海の隣にポスンと腰を下ろした。何だよ、ノリ悪いなぁ…言いながらずるずると腰を前にずらし、ソファの背もたれに頭を置く。脱力した猫みたいだなと七海は思った。
    「私も、猫のことはそう知らないんですよ」
    「そうなの? だってよく動画とか見てんじゃん」
    「…癒されますからね」
     それに動きが面白いですし。優美かと思えばちょっと間が抜けていたり、甘えてくるかと思えば急に機嫌が悪くなったり。五条の白い髪を指ですきながら七海は言った。
    「飼い主に撫でられて気持ち良さそうにしている顔は可愛いですよ」
     んん…? 目を細めていた五条は七海の方を向く。
    「五条さん」
     七海は手を離し、自分の膝をぽんぽんと叩いた。
     んん~…? 五条は真顔で、ゆるゆると身を起こし、続いて膝を股越して七海の方を向いて座った。
    「……違うでしょう」
     七海は言った。
    「膝枕で、頭を撫でてあげようと思ったんですよ」
    「猫は膝枕しないでしょ」
    「いきなり跨ったりもしませんよ」
     フーっ、七海はため息をつき、両手で五条の太腿をがっちり掴んでソファから立ち上がった。
    「うわ」
    「…にゃんこプレイ、してくれるんでしょう?」
     はは、にゃんこだって、五条は笑ったあと、
    「お前のちんこに棘ついてるか確かめてやるよ」
    「下品なこと言ってると、鳴かしますよ?」
     言い返してくるかと思ったのに、五条が黙っているので、七海は恋人の顔を見上げた。
     白い頬が朱に染まっているので、この猫はすぐ赤くなる、七海は微笑んでリビングを後にした。






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    もなかのれおまれさんには「終わりが見えない」で始まって、「君の名前を呼んだ」で終わる物語を書いて欲しいです。季節を感じる話だと嬉しいです。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/828102
    終わりが見えない。
    嫌われているのに、これ以上相手に嫌われるのは・・・・。
    いつからこの思いが自分の胸を甘い痛みとなって身体を蝕んでいるのかもう忘れた。
    自覚なんてしたくなかった。こんなに苦しいなら。
    諦めようと何度もひと目がつかない場所で、静かに涙を流してしまうというのに。
    「それも青春のひとつじゃ」
    リリアに相談したが、楽しそうに微笑まれて何も解決もしなかった。

    月夜が学園に振り注ぐ。
    マレウスは日課である廃墟巡りに向かうため、寮をこっそりと抜け出した。
    静寂に包まれた目的の廃墟までの道のりで、今日も一人物思いに耽る。
    今日こそは、歪み合わずに話をしようと決めていたのに駄目だった。
    どうやったら、普通に話すことが出来るのか。ほんの少しでいいから歪み合わずに話すことはできないか。
    そんな考えが頭を駆け巡り、答えがなかなか出てこない。簡単に相談出来る内容でもない。
    ひとりで考えても答えが出ないとわかっている。気軽に相談出来る友がいないのであれば、相談することも難しいだろう。
    悩んでいるマレウスを嘲笑うかのように、月の光は闇夜を照らす。
    溜息を一つ零すと、目的の廃墟まで向かっていた足が 1215