Young ,younger ,youngest 若さとは資源だ。いずれ失うことを宿命付けられている、有限の。
あんな配置を許したのは誰だ、眼の前の光景にドクターは歯噛みした。手にしているカップの中に入っていたアイスコーヒーはとっくに底が尽きており、苛立ちをぶつけられているストローは噛み跡でべこべこに歪んでいる。勿論その許可を出したのが自分であるということをドクター自身も理解しており、だからこそ行き場のない苛立ちばかりが募る。
今日はロドス・アイランドの企業説明会だった。
ロドスは未だに知名度の低さに喘ぐ人材不足の企業だ。どういう企業で、どんな活動をしているかを知ってもらうというのが、本会の目的である。そしてその一環として、ロドスで働いているオペレーターと直接話せるブースを設けた、というところまではドクターも把握していた。連日広報部から滝のように送られてくる書類に対して右から左にサインをしつづけ、内容には簡単にしか目を通していなかった。それは彼らなら上手くやってくれるだろうという信頼でもあり、現に彼らはその信頼に応えているのだが。
1952