食べましょう、一緒に。柏餅食べるオクバデ
「ka,shi,wa...?なんだこれ」
5月。はるか東の島国で、俺は「ソレ」に出会いました。
「ただいま戻りました〜...」
「ああ、おかえり」
「あれ、起きてたんですね」
ガサガサと袋の音を立てながら、部屋に入る。
バデーニさんはシャツのボタンをいくつか開けて着崩した格好でベッドに寝転がっていた。
いま俺たちは、日本にいる。東京で、宇宙論についての学会が開かれるからだ。研究者であるバデーニさんと助手の俺は、約13時間という長時間のフライトを経て、アジアの島国にやってきた。
空港に到着するやいなや今回の主催者との挨拶、他国の研究者との挨拶、会場の下見、軽いウェルカムパーティが(ほぼ強制で)行われ、体力には自信のある自分は平気だったが、お世辞にもそうとは言えないバデーニさんは、主催側が用意してくれた高級ホテルに着くや否やぼふん、とベッドに倒れ込んでしまった。
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