宝物の独り占めふっと掬い上げられるように目が覚めた。
ちらりと部屋の中を見ると、カーテンから漏れる陽の光はない。今の時期から考えて深夜3:00といったところだろう。
時計を見れば確実なのだが、身動きが取れない今は難しい。
何故動けないのかというと、オクジーくんに抱き締められているからである。
パートナーであるオクジーくんは、毎晩こうして私を抱き締めて眠る。
せっかく大きいベッドなのだからのびのびすればいいのに、その方が安心するんです、バデーニさんは嫌ですか…?と言われ私は断れず、好きにすればいい、と答えた。
そして私も、彼の大きな身体に抱き締められて眠るのは、存外、心地よかった。
抱き締めて眠ると前述したが、されている立場から言わせてもらうと、これは"抱き締められている"と表現するのは違う気がする。
1533