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    araito_00

    @araito_00

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    18↑腐/風七/七風/七風七/

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    araito_00

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    何本でも…投稿していいって…
    ごめんなさい、この企画好きすぎるんです…

    よく分かんないけど同棲はしてる二人

    #七風食堂
    sevenWindsCanteen

     風真は焼き菓子を作るのが上手い。詳しく聞いたことはないが、彼の母親がお菓子を作る人だったらしくその影響だと言っていた。
    「今日は何作るの?」
     キッチンには卵、砂糖、小麦粉、牛乳、バターが並べられている。だけど大抵のお菓子はそれらの食材で作られるので、七ツ森はまだ、風真が何を作ろうとしているのか分からない。ただ、その食材達が冷蔵庫の中で乏しくなると七ツ森は少しソワソワとする。
     なにせ大抵のお菓子は、それらの食材で作られるので。
    「マフィン」
     風真はそう言って、一つずつ計りに食材を乗せていった。彼の頭の中のレシピに則り、それぞれ分量が揃えられていく。
    「丁寧だよな」
    「お菓子はそういうもんなの。配合が違うと全然別ものになるか…下手したら失敗する」
    「そうなんだ」
    「そのくせ人の手に任せる部分は妙に抽象的だったりする。『もったりなるまで』、『さっくりと』、『粉っぽさがなくなるまで』とか。初めの頃は意味が分からなかった」
     そう言って風真は、卵と砂糖を『  』泡立て、小麦粉をふるい『  』合わせ、牛乳とバターを加え『  』混ぜた。それらは全て、七ツ森には等しく『混ぜる』という行為に見えた。
    「実、カップどれがいい?」
     風真は紙製のマフィンカップを数種類、テーブルに並べた。
    「今日は何のマフィンなの?」
    「チョコレートチャンク、ナッツとドライオレンジ、あとは…」
     そう言って冷蔵庫を覗き込み、底の見えそうなジャムの瓶を数個、取り出した。
    「残り物のジャムとクリームチーズ、かな」
    「リョーカイ」
    「これに並べて」
     七ツ森は金型を受け取り、マフィンカップを選んでいく。青とシルバーのストライプ、素朴なボタニカルデザイン、赤のギンガムチェック。それらを金型にはめて風真に渡し、一列ずつ指をさす。
    「チョコ、オレンジ、ジャム」
    「わかった」
     マフィンの生地はいつの間にか絞り袋に入れられていて、手早く同量ずつ、型に絞られていく。風真はその上からそれぞれ、チョコを並べ、ナッツを散らしオレンジを刺し、ジャムを混ぜてクリームチーズを埋め込んだ。
    「焼けるまでどれくらい?」
    「二十分ちょっとかな」
    「じゃ、こっち来て」
    「…洗い物とか、済ませておきたいんだけど」
    「後で俺がやるから」
     七ツ森になかば強引に手を引かれ、風真はソファに倒れ込んだ。
    「っ、おい」
    「ちょっとだけ」
     彼らの口に入る頃、マフィンは何故か、少し冷めてしまっていた。
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    むんさんは腐っている早すぎたんだ

    DONE七風リレー小説企画 第一弾ラストになります。
    お付き合いいただいた皆様ありがとうございました!!

    (なおラストはどうしても1000文字で納められなかったので主催の大槻さんにご了承いただいて文字数自由にしてもらいました💦今後もラストパートはそうなると思います)
    七風リレー小説⑥ 一度だけ響いた鐘の音に惹かれて風真は歩を進めていく。理事長の方針なのかは知らないが目的地までの道は舗装されておらず、人工的な光もない。すでに陽は沈みきってしまっているため、風真は目を慣らしつつ〈湿原の沼地〉を進んでいく。草木の茂る中ようやく着いた開けた場所にぽつんとあるそこは、予想はついていたが建物に明かりなどついておらず、宵闇にそびえる教会はいっそ畏怖さえ感じる。……大丈夫。俺は今無敵だから。そう心で唱えた後、風真は教会の扉に歩みながら辺りを見回して声を上げた。
     
    「七ツ森。いるのか?」
     
     ――返事はない。
     シン、とした静寂のみが風真を包み、パスケースを握った右手を胸に当てて風真は深くため息をついた。あれだけ響いた鐘の音も、もしかしたら幻聴だったのかもしれない。そもそもこんな闇の中、虫嫌いの七ツ森が草木を分けてこんな場所にくるはずもなかった。考えてみたらわかることなのに、やはり少し冷静さを欠いていたようだ。風真はそっと目の前の扉を引いてみる。……扉は動かない。
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    oredayo_mino

    DONE七風食堂:冷蔵庫の残り物でごはん作ってくれ……風真……。
    明日は買い出しへ買い物に行く日は週に一度と決めている。自宅から徒歩十五分のスーパーは金曜が特売日で、カードで支払うと5%値引いてくれる。一週間分買いだめした食材を小分けにして冷凍し、作り置きのおかずを作っていれば「主婦みたい」と緑の瞳がいつも笑う。
    食材がほとんど底をつく木曜は俺の腕の見せ所だった。すかすかの冷蔵庫の中にはシチューの残りとサラダに使ったブロッコリーの残り。冷凍庫の中には食パンとピザ用チーズ。戸棚の中には使いかけのマカロニ。
    今日の夕食は決まりだ。残り物を工夫してそれなりの料理に変化させるのは意外と楽しい。まず冷凍の食パンを常温に戻す。その間にシチューをあたため、マカロニを湯がく。マカロニは少し芯がある位でざるに上げ、グラタン皿に盛りつける。その上からブロッコリーを乗せ、常温に戻した食パンを一口サイズに切り、同様に皿に盛りつける。その上からシチューを流し込み、冷凍してあったピザ用チーズを振りかける。それからオーブントースターで約8分焼くだけ。すると、チーズのいい香りに誘われたのか、ふらふらと実がキッチンへやってくる。
    1000