ぬいぬい2「ぬいぬい」
「そうなんだね」
「ぬぬい!」
「やってる、やってる」
昼下がりのアジトに、暁人と暁ぬいが楽しそうに談笑している。「ぬい」意外の言葉を発することの出来ない式神と会話が成り立っているのは、適合者だからだろう。畳の上に胡坐をかいた暁人が暁ぬいの話を興味津々に反応している。その様子をムスッとした顔で凝視している者たちがいる。KKとおじぬいだ。
「……」
「……」
椅子に座ったまま、暁人たちへと体が向け、テーブルを指で叩いているKKと、短い腕を組んでテーブルの上に立っているおじぬいはずっと沈黙している。穴が空くのではないだろうかと思うほど、凝視しているが、視線の先の一人と一体は全く気にしていない。
「…はぁ、そんなに暇なら、この資料の調査してきて」
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