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    直弥@

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    直弥@

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    気持ちリハビリが難しそうなので前に書こうとしていた長編の冒頭を
    続きを書いて行けたら良いなあ

    #長編
    long

    長編 モダンなビル群とノスタルジックな建物の混在する湾岸都市、横濱。
     先の大戦の集結により連合軍系列の各国軍閥が入手し、治外法権を振りかざして自治区を築き上げた結果、そこは戦時中とは比較にならない程の無法地帯となった魔都である。様々な闇組織や海外非合法資本が存在し、そんな暗部の更に闇の底でポートマフィアが政治経済において根を張っている。
     そんな街は賑やかな平穏な観光名所を囲いながらも同時に擂鉢街や貧民街などの闇が深い部分も多く抱えており、一つ道を間違えればそこは無法者が蔓延る危険な一面を併せ持っていた。
     それ故に、表には出ずとも街を愛するという志を持ち三刻構想を元に政府機関である軍と内務省異能特務課が昼を、ポートマフィアが夜を、そして武装探偵社がその狭間に当たる薄墓をそれぞれの領分として時には抗争対立し、また時には同盟協力関係を築き一定の治安を保っている。
     そんな街の外れ。誰からも忘れ去られた土地。
     雑然と捨てられた輸送用コンテナの墓場。剥き出しの土地に染み込んだ不法投棄による有害物質。野鼠ですら棲むことを拒絶した、地図にすら載っていない場所。
     廃棄場と呼ばれるその場所の中心近くにあるコンテナの一つに、中原は向かっていた。
     野鼠は当然ながら、ここに近付く様な人間は居ない。
     何故ならばここに棲まうのはこの横濱の闇を凝縮し更に深くしたような幽鬼であるからだ。そのこの廃棄場の主がここを訪れた者を客人として饗すのか、不躾な侵入者として存在そのものをこの世から消し去るのかはその時にならなければ分からない。そんな危険な場所に好き好んで自ら近付くものは居ないだろう。
     中原もこんな辺鄙な場所には足を踏み入れる予定は全く無かった。それはここに棲まう幽鬼が恐ろしいからではなく、純粋に労力の問題である。そもそもに置いて、こんな場所に足を運ばずとも何ら問題はなかったのだ。
     今までは。
     現在、中原が幽鬼の棲まうコンテナに向かって足を進めている理由は一つしかない。呼び出されたのだ。その幽鬼本人に。
    「やあ。よく来たね。中也」
     幽鬼が棲まうコンテナの前で中原を待っていた。
    「ったく。随分と懐かしい場所に呼び出したもんだな。太宰」
     中原が告げた言葉に嘗てポートマフィアの幽鬼と呼ばれていた男は微笑むのだった。 
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