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    69asuna18

    ドカメン:宗雨
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    69asuna18

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    ワンドロ【お誕生日】の続き
    ソウスズ
    二人でケーキ食べに行く話。

    #ソウスズ
    bambooTiles

    此方も同じショーケースの中に並ぶ色とりどりのケーキを見つめて、ソウゲンはうーんと首を傾げた。鈴蘭に連れて来られた小洒落た店は花やリボンで飾られたとても可愛らしいお店で。ショーケースの中のケーキも自分の知っているものとは全然違うのだなぁと唖然とした。

    「鈴蘭殿のおすすめはどれなのです?」
    「うーん…どれも美味しいよ。…スフレもふわふわだし、ベイクドチーズケーキはちょっと前に流行ったもんね。ガトーショコラもいいしね。あ、オペラ美味しいんだよ!あ、でも、あんまり甘すぎるのは得意じゃないかな。ティラミスはどう?」

    次々口から出るケーキの名前はまるで呪文のよう。指をさしながら教えてくれるその様子は、何百年も前に見た団子を嬉しそうに選ぶその姿そのものだった。

    「そしたら、鈴蘭殿の1番好きなのを」
    「え〜また、そうやって…」

    そう話していると、ショーケースの向こうの女性が面白そうにクスクスと笑っていた。いつまでも、決め切らずわいわいとしているからだろうか。それに気がついた鈴蘭は少し気恥ずかしそうに頬を染めて、誤魔化すようにショーケースを覗きこんだ。

    「…じゃぁ、オペラとティラミスを。コーヒーセットで。砂糖は一つで」

    そう言って、鈴蘭は鞄から財布を取り出した。

    「あ、鈴蘭殿…小生が…」

    そう言ってソウゲンも鞄に手を伸ばすが、そこはやんわりと鈴蘭が静止する。

    「だめだよ。お誕生日でしょ」

    その顔はとても真剣で。絶対に譲ってくれないのは明らかだ。

    「そうだったのです」

    そう言って、鞄から手を離して。今度は用意されたケーキの乗ったトレイに手を伸ばした。その様子を見て、鈴蘭は慌てて財布を鞄にしまおうとする。きっと、それすら自分がすると言いたいのだろうが、ソウゲンは鈴蘭が財布を仕舞ったのを確認するとするりと先を歩き出した。

    「あ、待ってよ。僕が持つから…!」
    なんて言っても、ソウゲンの方が脚が長い。ササッと席についてしまう。しまいには、椅子まで引いてくれるのだ。

    「どうぞ」
    「……あ、ありがとう」
    「いえいえ」

    自分がエスコートしようとしても、先にソウゲンがしてしまう。しかし、何をするにも、ソウゲンの動きはスマートで惚れ惚れしてしまうのだ。それがなんだか少しだけ悔しい。コーヒーのカップとケーキの皿が目の前にするりと移動してくる。ほらまた、少し考え事をしている間に、彼が用意してくれるのだ。

    「不服そうですね」
    「だって。…全部ソウゲンちゃんがしちゃうんだもん」
    「ふふふ。お誕生日、ですからね。でも、その前に私は鈴蘭殿の恋人ですので」

    だから、何でもしてあげたいのは一緒なんだと言葉にしなくても言いたい事は分かる。

    「……まぁ、そうなんだけどさ」
    オペラに、フォークを突き刺して。パクッとそれを口に含む。ふわりと鼻に抜けるブランデーの香りに、上品な甘さのチョコレート。大好きな店の大好きなケーキにふわりと頬が緩んでしまう。それを見ながら、ソウゲンもティラミスを口に含んだ。

    「…うむ、確かに甘さが控えめで食べやすいのです。コーヒーによくあいそうですね。流石鈴蘭殿の見立てなのです」

    そう言うと、彼はフォークでもう一度それを掬い鈴蘭の方へと差し出す。

    「鈴蘭殿も、食べてみませんか?」

    ニコニコと嬉しそうに。

    「いや、だから、ソウゲンちゃんの誕生日だからさ」

    笑っていると、断らないでと言いたげな顔でフォークをずいと差し出す。

    「お誕生日ですから、鈴蘭殿がニコニコしてくれるのが一番嬉しいのですよ」

    なんていうのだ。確かにちょっとこだわり過ぎていたかもしれない。そう思ってパクリとそれを口に含む。

    「ん、美味しいね」

    そう笑うと、またフォークがティラミスを乗せてこちらに向いた。「そんなに要らないよ〜」なんて言っても、やっぱりその手を引いてはくれなかったから。鈴蘭は自分のケーキを半分切って、ソウゲンの皿に乗せたのだった。
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    69asuna18

    DONEブ!ソウスズ
    捏造転生のお話
    【指につながるその先は】の続き。
    赤い糸を信じてた家の蔵の中にあった古い医学書の間から、ひらひらと落ちてきた手紙には。流れるような美しい文字で、まるで恋文のような内容が書かれていて。その宛名にソウゲンは驚き目を見開いた。同時に、今の自分が経験したことの無い、あるはずもない記憶が頭の中へ浮かんできて思わずその場へ崩れ落ちた。ドンと膝をつく。青痣が出来るかもしれないと、膝を撫でながら。流れ込んだ記憶に意識を戻し、なんだったんだと、手紙の文字へ指を這わす。宛名には自分の名前が書かれていた。

    『もう、共に過ごす事は叶わないけど、いつでもあなたの事を思って祈るよ。いつかまたどこかで会えるように。』

    その言葉に、あふれ出した記憶はより鮮明になる。ソウゲンという名から、山南敬助として生きるようになった日の事。そこで出会った最愛の人と自分の最後の事。そういえば、幼少の頃に祖父の葬式に来たお坊さんの袈裟を掴んで離さなかったと母に笑われたな、と。記憶の片隅で彼を思っていたからなんだろうと今なら理解できる。すべてが繋がり、非科学的な事が大嫌いなはずの自分が、江戸時代から生まれ変わった人間なのだと根拠もないのに、納得したのは高校に入る直前だった。
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    69asuna18

    MENU新刊『甘い香りに包まれて』

    前回のイベントでのコピー本『花の香りのする方へ』とその続きをまとめたものになります。
    (加筆修正有り)
    コピー本で出したものの、途中までをサンプルとしてアップします😊
    甘い香りに包まれて生を受けた世には、バース性と呼ばれる新たな性別が誕生していた。男女の性別とは別の第二の性。男と女とは別にα、β、Ωと三つの性別が存在し、全ての人間は六種類に分けられる。αはエリートが多く、βは一番多い所謂普通。そしてΩには発情期なるものが存在し、その体質が故に世間から冷遇されている。その為、性別による差別が目立ち、第二性がΩである人は悩みが尽きない。
    生まれ変わる前と違う事象が起きている事に、興味があった踪玄はバース性の研究に勤しんだ。しかし、調べれば調べるほど、その新たに備わった性別が、人間そのものに嫌悪を抱かせる。
    薬を飲み、体調を管理すれば、Ωであっても社会的に問題なく過ごせるはずなのに、理解が進んでない事もあり、定職につくのも難しく給料も少ない事の方が多い。働ける時に働きたいと思う人も多く、病院に定期的に通う人も少なくない。…出来るのは理解のある人間に囲まれていて、給料が安定している者だけ。そのせいで、発情期に倒れたり、身体に合わない安い薬を飲んで体調を崩す者も少なくない。
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    emotokei

    DONEじれったいお題ったーより、
    お題『くるしいけど、しあわせ』

    DK幼馴染ジョーチェリ。愛抱夢の「卒業」の時。
    ❤←🌸だと感じている🐯がいます。
    🐯が過去に🌸以外と関係を持った描写あり。

    えっちなの書こうとしたけど中略しちゃったので、
    そのうち中略部分をちゃんと書けたらいいですね…。
     誰かに触れることがこんなに怖いなんてはじめてだ。

     他人と肌を重ねるのは、はじめてじゃない。むしろ、どちらかといえば、この年齢にしては慣れている方だと思う。
     手に入らない唯一以外は誰もが同じように見えたし、同じように快楽で鋳つぶしてきた。分け合う熱の心地良さを知っているつもりでいた。
     女の子はすきだ。柔らかくて、すべすべしていて、甘い声が気持ちよくて、深く繋がる感覚で互いに溺れていく時間は楽しくて好きだった。ぐるぐると渦を巻くような激情とは違う、暖かく穏やかなふれあいは、ひどく安心した。
     男を相手にしたこともある。相手は決まって鎖骨と腰骨がはっきりと浮き出ているような細身の男ばかりだ。骨張った身体は受け入れる時の滑らかさが足りず、後ろから突き上げる度にのけぞる背中を心の柔い部分を占める相手といつだって重ねていた。
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    todayishgday

    MEMO喬櫻。
    OOC大概有。

    原本想寫出那個店家每日限定的提拉米蘇,和今早櫻屋敷薫醒在南城虎次郎家,吃過對方做的午餐後,虎次郎端出的飯後點心是一樣的。
    當然、虎次郎端出來的提拉米蘇是為了壽星親手自製的。
    但實在不知道怎麼寫好,就模糊的去吧。(

    總之吵吵鬧鬧的愛情我永遠喜歡,希望喬櫻一生幸福。
    寫完發現正文字符剛好1413。請你們相愛一世一生嗚嗚。

    チェリ様大好き。ㅠㅠ
    「生日快樂」,「____」  今天的櫻花大人也是後頭跟著喬一起出現的。

      總是一起來到Crazy Rock的倆人,今天也讓人感覺渾身上下閃閃發亮,一如既往的被四方的尖叫聲迎接後,喬會滑向尖叫聲來源之一的辣妹們說說笑笑,同時櫻花大人會用嫌棄的眼神在面罩下對著喬不知道說什麼,然後去滑自己的。
      彷彿SOP一般的畫面今天也如常上演著。

      啊、今天櫻花大人在離開前留下的話語是「色情大猩猩」對吧?我好像讀出來了,謝謝今天櫻花大人沒戴面罩。多麼美麗!看看那個下顎線條……啊……這人是多麼美麗……。

      「有什麼事嗎?」
      「啊!」緊張到胡思亂想一通,回過神才想起來自己剛剛攔下櫻花大人的步伐後,甚至都不敢直視櫻花大人的雙眼,低著頭正在用遞出情書一樣的動作,遞出今早和櫻花後援會的同伴們一起在外挑選的蛋糕禮盒。
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