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    69asuna18

    ジョチェ🛹

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    69asuna18

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    ソウスズワンドロ
    お題『聖夜』
    ※現パロです
    1時間以上かかってしまったけど…←

    #ソウスズ
    bambooTiles

    それは雪のように「おや、あれは…」
    街中で見かけた可愛らしい姿は、見紛うことなく恋人のものだった。何をしているのかと思えば何やら配って歩いている。アルバイトだろうか。そんな話はきいていないが。じっと見つめていると、視線に気がついたのか、鈴蘭がこちらを向いた。びっくりしたような表情のあと、まるで見つかったと言いたげな気不味そうな顔をした。


    「…やぁ〜…ちょっとさ、欲しいものがあって」
    いつもの逢瀬の日、その事を尋ねるとあからさまに言葉を濁して、視線を反らす。
    「何か必要なものがあれば、お手伝いしましょうか?」
    自分は大人なのだし、それなりに収入もある。恋人なのだから、プレゼントくらいしても良いだろう。そう思ったのに。
    「いや、その…自分で買いたいんだよね」
    思ったよりも強い口調で、断られてしまった。詰め寄られないように、視線をそむけ、それ以上の言葉は、受け付けないとでも言うような顔。
    「…そうですか…」
    「あの、さ。そのかわりって言ったらあれだけどさ、来週クリスマスマーケット一緒に行きたいんだよね。人が多いかもしれないけど……だめかなぁ」
    慌てて、沈黙を作らないように。ニコニコと笑って言葉を紡ぐ。それが分かって、ソウゲンはそれ以上その話題を広げるのを諦めて「わかったのです。」と返事をした。


    カクンッ―鈴蘭の頭が船を漕ぐ。こんな事初めてだと思いながら、ソウゲンは彼の肩を揺らした。
    「鈴蘭殿…?」
    「…ぇ、あ、ごめんね…」
    目を擦り、瞬きを繰り返すその顔には明らかに疲労の色が見える。懸命になる事はいい事なのだが。
    「身体を崩しては元も子もないのです」
    まるで、幼子に言い聞かせるように。そう言うと、気に食わないと言うようにその顔はくしゃりと歪む。
    「……大丈夫って言ってるのに」
    鼓膜に届いた小さな声は珍しく怒気を含んでいて。反してその表情は辛そうで、ソウゲンは困惑した。さっきの彼のように、何か気分を変える言葉を紡がなければ。そう思えば思うほど頭の中は真っ白になり、口の中は緊張して乾燥していく。
    あの、とか。その、とか。こういう時に適切な言葉は何なのだろうと頭を抱えるばかりで、何一ついい言葉は浮かばないまま。沈黙が続いてしまった。うまく喋る事が出来ないまま、鈴蘭は立ち上がり荷物を纏めはじめてしまう。
    「もう、帰られるのですか?」
    言わなければいけないのはこんな言葉ではないのに。
    「うん…迷惑かけたら悪いし…今日は帰るね」
    結局、引き止める言葉も、機嫌をとる言葉も何も言えないまま。玄関先で俯いたまま部屋を出る鈴蘭をただただ見送る事になってしまった。






    それから。1週間ほどした頃。百貨店から嬉しそうに出てくる鈴蘭を見つけたソウゲンは、その表情がいつものふんわりとしたものに戻っているのを見て、ほっと胸を撫で下ろした。本当に疲れていただけかも知れない。自分だって疲れていたら機嫌も悪くなる。そう思うと次の約束の日になんと話しかけたら良いかと言う杞憂も少しは晴れたのだ。
    「…鈴蘭殿。お久しぶりです」
    声をかけると、あからさまに慌てた表情。あんな事があったのだから仕方ないかなと、ソウゲンは話を続けた。
    「随分と、嬉しそうなのです。もしや、あのお目当てのものが買えたのですか?」
    そうやって聞いたのは、疲労の元のバイトが終わったか確認する為だったのだが。その言葉に、鈴蘭の瞳は困ったように宙を彷徨った。手に持っていた紙袋を後ろ手に隠してえっと、あの…と言葉を濁していた鈴蘭だったが諦めた様に小さくため息をついて、その紙袋から、綺麗な包みを取り出した。
    「…実はね、ソウゲンちゃんに、プレゼントしようと思って…明日、クリスマスだし…誕生日も何も出来なかったから」
    その表情は、此方の様子を窺うよう。受け取ってもらえなかったらどうしようと考えているのがすぐにわかった。
    「…そのためにアルバイトを?」
    「……うん」
    よくよく見ればその包みは赤と緑のリボンで装飾されていてクリスマスのプレゼントだとひと目でわかる。あんなに疲れるほど頑張っていたものをこんなに簡単に受け取ってしまって良いのだろうかと、受け取るのをしばし躊躇っていると、少しずつ彼の表情が曇るのが見えて。これ以上そんな顔をして欲しく無くて、「ありがとうございます」と、受ける取ることにした。
    腰を落ち着けてから、包みを開く。中には柔らかい革の手袋が入っていた。けして安くはないだろうとすぐに分かる、とても良いものだ。
    「本当に頂いていいのです?」
    「うん。……迷惑じゃ、なかったらだけど」
    またすぐに表情が曇る。そんな顔をして欲しいわけではないと、ソウゲンは鈴蘭の頬に手を添えて、じっと見つめる。そういえばこうやって顔をしっかり見るのも久しぶりのような気がした。血色も良い。隈もない。しっかり休めているようで、ホっとした。
    「とても嬉しいのです。小生の為に、沢山考えて、頑張ってくださったのでしょう?…ありがとうございます」
    まっすぐ、見つめて紡ぐと鈴蘭の頬がふわりと桜色に染まる。くしゃりと顔が歪んで、鈴蘭はソウゲンをぎゅうぎゅうと抱きしめた。
    「うぅ〜ごめんね、この間、やな事言って…ソウゲンちゃん、心配してくれてたのに…」
    「気にしていないのです。小生こそ、少し子供扱いが過ぎました」
    ぎゅっと抱きしめ返し、額に口付ける。すると鈴蘭が顔を上げた。ンッと唇を尖らせて強請る姿は年相応より少し子供ぽく見えてひどく可愛らしい。それを言ったらきっと拗ねてしまうだろう。心の中にその言葉をしまって、そこに触れるだけの口付けをした。
    「手袋、大切にしますね」
    そう紡げば返事の様に沢山口付けがまるで雪のように降ってきたのだった。
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    69asuna18

    MENU新刊『甘い香りに包まれて』

    前回のイベントでのコピー本『花の香りのする方へ』とその続きをまとめたものになります。
    (加筆修正有り)
    コピー本で出したものの、途中までをサンプルとしてアップします😊
    甘い香りに包まれて生を受けた世には、バース性と呼ばれる新たな性別が誕生していた。男女の性別とは別の第二の性。男と女とは別にα、β、Ωと三つの性別が存在し、全ての人間は六種類に分けられる。αはエリートが多く、βは一番多い所謂普通。そしてΩには発情期なるものが存在し、その体質が故に世間から冷遇されている。その為、性別による差別が目立ち、第二性がΩである人は悩みが尽きない。
    生まれ変わる前と違う事象が起きている事に、興味があった踪玄はバース性の研究に勤しんだ。しかし、調べれば調べるほど、その新たに備わった性別が、人間そのものに嫌悪を抱かせる。
    薬を飲み、体調を管理すれば、Ωであっても社会的に問題なく過ごせるはずなのに、理解が進んでない事もあり、定職につくのも難しく給料も少ない事の方が多い。働ける時に働きたいと思う人も多く、病院に定期的に通う人も少なくない。…出来るのは理解のある人間に囲まれていて、給料が安定している者だけ。そのせいで、発情期に倒れたり、身体に合わない安い薬を飲んで体調を崩す者も少なくない。
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    生まれ変わる前と違う事象が起きている事に、興味があった踪玄はバース性の研究に勤しんだ。しかし、調べれば調べるほど、その新たに備わった性別が、人間そのものに嫌悪を抱かせる。
    薬を飲み、体調を管理すれば、Ωであっても社会的に問題なく過ごせるはずなのに、理解が進んでない事もあり、定職につくのも難しく給料も少ない事の方が多い。働ける時に働きたいと思う人も多く、病院に定期的に通う人も少なくない。…出来るのは理解のある人間に囲まれていて、給料が安定している者だけ。そのせいで、発情期に倒れたり、身体に合わない安い薬を飲んで体調を崩す者も少なくない。
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    DONEブ!ソウスズ
    捏造転生のお話
    【指につながるその先は】の続き。
    赤い糸を信じてた家の蔵の中にあった古い医学書の間から、ひらひらと落ちてきた手紙には。流れるような美しい文字で、まるで恋文のような内容が書かれていて。その宛名にソウゲンは驚き目を見開いた。同時に、今の自分が経験したことの無い、あるはずもない記憶が頭の中へ浮かんできて思わずその場へ崩れ落ちた。ドンと膝をつく。青痣が出来るかもしれないと、膝を撫でながら。流れ込んだ記憶に意識を戻し、なんだったんだと、手紙の文字へ指を這わす。宛名には自分の名前が書かれていた。

    『もう、共に過ごす事は叶わないけど、いつでもあなたの事を思って祈るよ。いつかまたどこかで会えるように。』

    その言葉に、あふれ出した記憶はより鮮明になる。ソウゲンという名から、山南敬助として生きるようになった日の事。そこで出会った最愛の人と自分の最後の事。そういえば、幼少の頃に祖父の葬式に来たお坊さんの袈裟を掴んで離さなかったと母に笑われたな、と。記憶の片隅で彼を思っていたからなんだろうと今なら理解できる。すべてが繋がり、非科学的な事が大嫌いなはずの自分が、江戸時代から生まれ変わった人間なのだと根拠もないのに、納得したのは高校に入る直前だった。
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