Match Made in Sunrise「こんばんはっ!」
カランカラン! けたたましく鳴ったドアベルに構わず虎於の手を引いてカウンターの前に立つ。店内をさっと見回しても、オレたち以外にお客さんはいなさそうだ。ま、暇な時間を狙ったんだけどね。
「おい、あまり騒がしくするなよ。悪いな、マスター」
「いえいえ、いつもこの時間は暇なので。賑やかで楽しいですよ」
「よかったぁ。えっと、ここに座っても?」
「ええ、真ん中の特等席がおすすめです」
促されるまま、この前と同じ席にそれぞれ座った。前よりも早い時間に来たからか、オレたちの関係が変わったからか、店内はぐんと明るく見えた。あんなところに観葉植物もあったんだ。気づかなかったな。
「今日は虎於様のお誕生日祝いと伺っていますが」
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