証歴史と文化の花開く国、インヴィディア烈王国。その王国の中でも首都フォンス・マイムは「芸術の街」と名高い、美を尊ぶ街だ。
天の聖杯一行は、かつて旅の途中で力を借りたバジェナ劇団座長・コールの病状が悪化したと聞き、再びその地を訪れた。
マスターブレイドであるヒカリと、そのドライバー・レックス。彼らは紆余曲折を経てスペルビアの名医から譲り受けた特効薬を手に、イオンとの再会を果たした。
「レックスさん、ヒカリちゃん、ありがとう……!このお薬があればおじいちゃんも――」
遠くからでもひときわ目立つ水色の髪の少女は、暗く沈んでいた顔を喜びと期待に綻ばせた。逸る気持ちを抑えられないのか、彼女はヒカリの手を引いて早く行こうと急かしている。その彼女に少し困ったような笑顔で「大丈夫よ」と宥めながら、ヒカリは他の同道者達に呼びかけた。
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