「ほい、ルーク。おみやげ。天然物だよー」
「ありがとうございます! 魚の形のお菓子ですか、珍しい。」
「たいやき。ここら辺だとメデタイに通じて縁起物なんだ。」
「これも縁起物なんですか。ミカグラの人は縁起担ぐのが上手ですね。ここで生活するだけで幸せになれちゃいそうです」
「ルークが一番の縁起物な気がしてきた。一緒にいると笑顔になれるの間違いなしだもの」
「……? ところで、これはかぶりついていいのでしょうか。香ばしい香りがもうたまりません」
「おう。顔からでも尻尾からでも、好きなとこからいったれー」
「「いただきます!」」
「んん、あまりにもうまーい! 端っこはカリッと、でも柔らかい生地にこんなにたっぷりあんこが入ってるなんて。あんこと言えばまんじゅうだと思ってましたが、こっちも最高じゃないですか! まだあったかくて、ほくほくのあんこ、粒の食感もたまらない…。んん、尻尾は生地の味とカリッとした食感が顔の方よりいっぱい楽しめますね。なるほど、この形にもちゃんと意味があるんですね。」
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