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    kanamochiko

    REHABILI特にリュジンとかではない短文を少し、何か書いていないといざと言う時書けませんからね……(少しずつ更新)少年は空を眺めた。雲ひとつない、青く果てしない空である。空気はひんやりとしていて肌寒い。少年の木綿でできた衣では心許ない寒さであった。少年は一度身震いしてから再び空を見上げる。小さく息を吐き、吸い込むとぼんやりしていた頭が少しだけ明瞭になった気がした。
    まだ夏は遠い。恋しい相手に会えるのはまだ先のことになろう。それまで自分はここで生き続け時が過ぎるのをじっと待つのだ。少年は背負っていた竹籠をぐっと背負い直し、足元の草を何度か踏みしめた。遠くで犬の鳴く声が聞こえ、それが自分を探している声だということに気づく。もうそんな時間だっただろうか?あたりはまだ明るく、それほど時間が経ったようには感じられなかったがどうやら気のせいだったらしい。夏はまだ遠いとは言ってもそろそろ日が長く感じられる季節なのだろう。徐々に近づいてくる四足歩行の足音に、くるりとその場で振り返り視線を受けると、それは少年の想像通り自らの飼い犬であった。
    少年の足元で立ち止まり、おん、と一声吠えたその犬は少年へそろそろ帰ってこいと伝えにきたようだった。その証拠に、すでに少年の足元から数歩離れたところまでぱたぱたと歩き出し少年の方 1000