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    psychimma

    リハビリトランプネタかんがえてるときに出てきた鳥斉 あんまりトランプネタ関係なくなっちゃった…いつものように付き合ってだいぶ経ってます「じゃあトランプで決めましょう、斉木さん!」
    ーートランプ?
     言い返す僕の眉根があんまりにも寄ってしまったことに、元気に提案した鳥束は「そんな嫌そうな顔しなくても……」と笑みをほろ苦く変えて頬をかいた。
     休日の昼下がり。簡単なランチを終えて、これから家で映画を見るにあたってコンビニにお茶請けを買いに行くが、どら焼きのあんこはつぶあん派かこしあん派か、などということから始まった実にくだらない論争だった。二人で暮らし始めて半年、こんなのは実にありふれた趣味嗜好の差で、僕らにとっては本来言い争いのうちにも入らないレベルのものだ。だって僕たち成人男子だし、どら焼きなんかひとりひとつ買えよって感じなのに、分ける前提で話しているのがその証拠、単なるじゃれあいの延長で。
     いつもなら鳥束が折れる。ことスイーツに関して僕の方が一家言あるのは明らかだったし、向こうはそもそもそんなに拘りがないので。それがいつもよりすこし長引いたのは相手が和菓子で腐っても寺の息子だったのかということと、そして、おそらくこちらがメインだが……トランプをするよう誘導すること自体が彼の目的だったとそういうことだろう。
     …… 1978

    Elep_zousan

    リハビリうーーーん重い!2.西園寺羽京の慕情


    夢だろうか。それか、幻覚か。

    掴まれた手首が熱い。離さない、と言われているようで。
    七海龍水に告白された僕から出た言葉は、「ありがとう」だった。龍水は優しく微笑んで僕の頬を撫で、それから泊まっていくか?と聞いた。さすがに頷けず、僕は忘れ物をしたと言ったことも忘れて背中を向けた。
    先程までしっかり掴んでいたはずの大きな手はあっさり解かれ、「おやすみ、気をつけて帰れよ」なんて、いつもの声より柔らかく、押し寄せる漣ように響いた気がしたのは、僕の気のせいだったかもしれない。

    足取りは、一定の拍子で。遅くもなく、早くもなく。いつも体の中心で刻む拍子に合わせている。
    けれど、明らかに、僕の歩調は徐々に早くなってしまっていた。どうか、無様な僕の後ろ姿を見られていませんように。
    ちらりと振り返ると、部屋の中から伸びる明かりの中に、同じように伸びる影。黒いそれを近くから辿って、逆光でよく見えない人の形はヒラリと手を振った。

    胸が締め付けられて、僕は息を呑んだ。本当に、好きだって言われたんだ。その事実に打ちのめされて、頭の中が真っ白になる。
    気付けば、煌々と月が照る夜道を走 6578