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    yomoyama1011

    SPUR ME今度本で出す予定の仙流のサンプルのサンプルです。尻の開発からはじまる変な話です
    エロまで書けなかった……一昨日も今日も休みだったのに出社になったせいです。弊社爆破します
    きみのすきになりたい仙道は、好意を寄せられることに慣れていた。
    有り体に言えばもてたのだ。小さい頃からずっとである。それは恋愛感情のみならず、友愛や親愛も含まれる。
    なぜなら仙道の容姿は、幼少期より整っていたからだ。幼稚園の時分にはあまりの愛くるしさに天使だと持て囃されたし、小学校、中学校では愛くるしさのかわりに端正さを手に入れ、高校生になってからは精悍さまでをも手に入れた。垂れ目がちの眼、通った鼻筋、薄い唇がそれぞれ完璧なバランスで配置された顔に、筋肉質なのに嫌味のない長い手足、ちょっと伸び過ぎたくらい伸びた上背。その上物腰は柔らかく、言動はやさしく、かと思えばとっつきやすいところもある。これが人気者にならないはずがなく、仙道はいままで友人に苦労したことはなかったし、数多の女性たち────なかには男性もいた────から、恋愛感情をぶつけられることもままあった。ままありすぎて、最早日常茶飯事と言っていいレベルだ。同級生から後輩から上級生、他校の子、果ては見知らぬOLさんまで、寄せられた好意を数えれば、きっと百では足りないだろう。
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    小柴 小太郎(カンナ)

    SPUR METOV。ユリレイ、ユリシュヴァ。前編。
    かつて泥酔してシュヴァーンにダミュロンの面影を見た放蕩貴族ミルバンの思い出話がきっかけでいらん騒動になりつつ、過労死寸前のシュヴァーンが面会謝絶になったり、ユーリに世話を焼かれたりする話。
    友と呼ぶにはあまりにも 前編.


     アレクセイ・ディノイアの死亡報告から程なくして、騎士団長代行としてフレン・シーフォの名前が挙がってきた。その時はまだ即位こそしていなかったが、実質的には皇帝代行として実務をこなし始めていたヨーデルがそれを承認し、評議会も21歳の若輩者が団長代行ならばアレクセイよりも扱いやすいだろうと見ていたのだが……。
    「またあの男か……シュヴァーン・オルトレイン!」
    「死に損ないの分際で、小賢しい!」
     とんでもない誤算だった。
     ヨーデルにつく尊称が殿下から陛下へと変わり、その直後にフレンの肩書きである騎士団長代理から代理の2文字が取り外された。魔導器の恩恵を失ったテルカ・リュミレースに立て続けに慶事を起こすことで、混乱し萎縮する帝国民を活気づけようという初歩的な方法であることは誰の目にも明らかで、評議会も表立っては反対しなかったのである。
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