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    陽炎@ポイピク

    SKIP BEATふなさんの絵があまりにも素敵過ぎたので勝手に妄想した「くくっ。随分色気づいたんじゃねぇか?」
    ルームランプの明かりに照らされたお前は独特の妖艶さがあった。その頬に触れると程よい温もりがある。その肌は僅かに染まっている。
    「色気づかせたのは兄貴でしょ」
    生意気な言葉と共にオレと同じように頬へ触れてくる指を飾るのは鮮やかな緑。
    ギャングなのだからという口実と共に教えたマニキュアはもうオレが手伝わなくても綺麗に濡れるようになった。おまえの唇に引かれた翠もまた。
    それでもオレはお前をオレの手でオレ好みにしたくて、まるで儀式のようにおまえの厚ぼったい唇へと色を乗せていく。お前は緑が良く似合う。それを知ってるのは世界でたったオレひとりならどれ程良かっただろうか。おまえの魅力も、おまえの事も、オレが誰より分かってんだ。そうだろ?ペッシ。
    「綺麗だぜ」
    エメラルドの瞳を真っ直ぐ見据える。
    羞恥心で視線を逸らす事も最近は少なくなった。
    「兄貴こそ、」
    ペッシが瞼を閉じる。すっかりオレよりデカくなったが甘え上手な所は変わらねぇ。
    オレはペッシを見上げるような形でその緑のリップの色を己の唇へ移す。歪な形に乗せられた其れを舌でなぞって、オレはお前に告げた。
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