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    なんやかんや

    mori_yuen

    DONE前にアップしたハンルス01の続きです。が、齟齬やテイストの違いがあるので01を読まなくても大丈夫です。なんやかんやで後日会う約束をしたんだな〜と思っていただければ。
    Hand(ハンルス02)01続き ルースター視点
     「お前、来週こっちに来るんだって?」
     電話越しのハングマンの言葉に俺はぎくりとした。ハードデックでの件から三週間。発端はハングマンにあるとはいえ、あの顛末は流石に気の毒に思い「次は奢るよ」と言ったものの、その機会が来る前に俺達はそれぞれの基地に戻ることになった。一足先にファイタータウンから去ろうとする俺に「連絡先教えろよ」とセルフォンを差し出してきたハングマンは、表向きはいつもより爽やかな笑顔を作っていたが、「逃げられると思ってんのか」という副音声が聞こえてくるような圧を発していた。いや、別に反故にしようとしていたワケじゃ無いし、と心の中で反論しながらも、まぁ奢るのは次にあった時━━そんな機会がいつあるかなんて検討もつかないのに━━でいいかと思っていたのも事実なので、「もちろん、お前のも教えてくれ」なんて笑顔で連絡先を教える。そんな俺を疑わしそうに見据えた後、いつも通りの胡散臭い笑顔に戻ったハングマンは「じゃ、いい店があったら連絡する」と言って見送りもせずに去っていった。アイツ、凄い高い店を選んでくるんじゃないだろうな、という一抹の不安を抱えながら俺はホームタウンに帰還した。
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